【クビキリサイクル】戯言シリーズのおすすめと読む順番について【西尾維新】

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結論から言いますと、西尾維新さんの戯言(ざれごと)シリーズ1作目、『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)』は非常に面白いミステリー小説です。

第23回メフィスト賞受賞作ということで確かにクセはあるのですが、西尾維新ワールドを堪能できるだけでなくミステリとしてもアッと言わせてくれる贅沢な作品です。

また、最初は推理小説として書かれていたのですが、シリーズを進むごとにだんだんミステリから離れていき、最終的にバトルものになるという自由奔放なシリーズでもあります。

今回は、そんな戯言シリーズの読む順番と、ミステリとして読むならどこまでがオススメか、などをご紹介できればと思います(*´ω`)ノ

目次

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』

 

古くから続く名門の財閥・赤神財団。

そこのお嬢様イリアは、何をやったか知らないが5年前、16歳のときに本家から永久追放された。

唯一与えられたのは、日本海に浮かぶ孤島と、その中央に位置する洋風屋敷。

イリアはここで5年もの間、4人のメイドと島から一歩も外に出ずに生活を送っているという。

孤島に集められた天才たち

島からの外出を禁じられたイリアは、それならば呼んでしまえばいいと、あらゆる分野の「天才」とよばれる人間を屋敷に招待した。

もちろん費用はイリア持ち。

 

そして現在、島にいるのが、

家主・赤神イリアと、メイド長・班田玲(はんだれい)。

 

三つ子のメイド・千賀(ちが)あかり、千賀ひかり、千賀てる子。

 

天才画家・伊吹(いぶき)かなみ。その介添人・逆木深夜(さかきしんや)。

 

天才料理人・佐代野弥生(さしろのやよい)。

 

天才七愚人・園山赤音(そのやまあかね)。

 

天才占術師・姫菜真姫(ひめなまき)。

 

天才技術屋・玖渚友(くなぎさとも)と、玖渚友の付添人であり語り手の「ぼく」。

 

計12名。

 

そして、ぼくと玖渚が島に到着し、四日目の朝。

 

ある人物の、首なし死体が発見される。

 

西尾維新さんらしさ溢れる本格モノ

さて、状況はどう見ても殺人事件なので普通は警察を呼ぶところですが、イリアはある理由により警察の介入を拒否します。

この島で、イリアの言うことは絶対です。

つまり、

 

1.招待された天才たち

2.舞台は孤島にある屋敷

3.外部との連絡はできない

4.そんな中での首なし殺人

5.しかも現場は密室

本格ミステリよくばりセットか!と突っ込みたくなる、設定だけでもヨダレが出ちゃうやつなんです。

これで誰が読まずにいられますか。

 

ただし、ただしです。

西尾維新さんらしさ全開です。

主人公が一人で語り始めたり、その独特の言葉遣いと言い回し、個性あふれるアニメ映えするキャラクターたちとのやりとり。

なのでね、慣れていないと最初は「ウッ」と思われるかもしれません。

ああ、ライトノベル風のキャラ重視のライトミステリーか、と思うかもしれません。

私は決して、ライトノベルやキャラ重視のライトミステリーを否定しているわけではありません。むしろ好きです。

いまお伝えしたいのは、『クビキリサイクル』という作品が本格ミステリとして楽しめるかどうか、です。

結論

スバリ『クビキリサイクル』は、ライトノベル風のキャラ重視のライトミステリーと見せかけた、本格ミステリなんです。

最後の方すごいんです。序盤で諦めないでください。

読んでいれば慣れます。ああ、これが西尾維新さんか、と。

それにクセがあるとはいえ、文章自体はとても読みやすく、それこそライトノベルのようにサクサク読めます。

西尾維新さんの世界観と、本格ミステリとが見事に融合を果たした名作なんです。ほんとに。

至る所に貼られた伏線をババーンと回収していきながらの推理シーンは圧巻ですし、さらにそこからーー!!っと、ここまでにしておきましょう。

正直わたしはナメてたんですよ。

だから初めて読んだときは「まさかここまでとは!!」と土下座しましたね。西尾維新さんすごいです。

なので、ミステリがお好きなら食わず嫌いをしないで、試しに『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫) 』だけでも読むことを強くおすすめします。

以降の順番

さて、『クビキリサイクル 』は絶対にオススメなのは確定だとして、シリーズ二作目以降の読む順番を簡単に見ていきましょう。

2.『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』

『クビキリサイクル』を面白いと思っていただけたなら、この作品も続けて読みましょう。

初期の西尾維新さんが意識していたという「萌え」と「ミステリ」の融合を見事に果たした秀作です。

ミステリ小説としても西尾維新作品としても文句なしにオススメ。

3.『クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子』

この作品からミステリ要素が薄くなってきます。

『クビキリサイクル』『クビシメロマンチスト』のようなミステリを期待して読むと「おや?」となります。

ミステリ要素はありますが、どちらかといえばバトル漫画のような世界観。

でもまだミステリとしても楽しめます。

この作品辺りからキャラクター小説として読むようになり、ミステリなんていいや!って気分になってきます。

4.『サイコロジカル』

西尾維新さん要素がかなり強くなってきます。

忘れた頃にミステリがやってきて、ラストに怒涛の展開を見せてくれます。

伏線の忍ばせかたも、仕掛けも巧い。

下巻に突入すると上巻の2倍以上の速度でページをめくる手が進み、最後の最後まで楽しめるようになっています。

ほんと、アレには「お見事!」と握手したくなる。

とにかくラストを見逃すなかれ。

それ以降

この後は、

5.『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 戯言 (講談社文庫)

6.『ネコソギラジカル(上) 十三階段 (講談社文庫)

・『ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種 (講談社文庫)

・『ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

で一応完結するのですが、ミステリとして読むものではありません。

「白熱の新青春エンターテインメント」をキャッチコピーとしたバトル漫画のようです。

でも、読んじゃうんです。

だって面白いから。シリーズを途中まで読んじゃうともう止められないんです。

一作目『クビキリサイクル』から巻が進むごとにミステリからどんどん遠ざかっていくのに、読み終わると次の作品に手を伸ばしてしまうのです。

キャラクターに愛着が湧くのもあるし、この人たちの行く末を見届けたいという気持ちもあるし、とにかく戯言ワールドに夢中になってしまうわけですなあ。

まとめ

とにかく、ミステリがお好きであれば、まずは、

1作目『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

2作目『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社文庫)

だけでも読んでみてください。

この初期作品はほんとに良いミステリしてますので、というお話でした(´∀`*)

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (10件)

  • 食わず嫌いの代表格西尾維新。
    正直かなり侮っています。
    とは言え青崎有吾氏の例もある(読後土下座)。
    クビキリとクビシメは読んでみます。
    「NO推理、NO探偵?」も苦行の末楽しめたんだから大丈夫ですよね?
    とりあえず土屋隆夫の胃袋の時にはよしておきます。

    • そうなんですよね〜西尾維新さんはね〜クセがね〜。
      でも「NO推理、NO探偵?」も楽しめたのなら全然大丈夫だと思いますよ!笑
      クビキリはちゃんとミステリしてますので!(´∀`*)

  • 自分はつい最近クビキリサイクルを読み、戯言シリーズの面白さに開眼したものです。他の西尾先生の作品も読んだことがあるので、割とすんなり読めました。ミステリ的な作品も好きですが、バトルや青春ものも大好きなので、自分にはうってつけだと思います。あとなんかいちいち女の子が可愛い……

    • おお、ナイスタイミングですね。
      そうなんですよ、戯言シリーズは一度ハマると最高にハマっちゃうんですよね。ミステリとかバトルとか青春とかいろんなものが詰まってて。
      わたしも最終巻まで楽しめたタイプです。
      そう!それをわたしも声を大にして言いたい!女の子が可愛い!!
      ……ちなみにクビキリでは佐代野弥生さんが良き……

  • こんにちは。
    おすすめのおかげで、初西尾維新作品でした。
    クビキリサイクルもすごく良かったですが、クビシメロマンチストはもう面白すぎ!
    クリムゾンの迷宮、バトルロワイアル、インシテミルなど特別に好きな作品を初めて読んだ時みたいに、どうしてこんなに面白いんだ〜って読みながら本当に嬉しくなってました。
    若さというか青い雰囲気もむずがゆくて好きです笑
    タイトルも素敵ですね。
    巫女子ちゃん好きです・・

    • おお初だったのですね。
      やっぱりクビシメは面白いですよね!!
      私も戯言シリーズの中でクビシメが一番好きかもしれません。
      完全にツボな作品です。
      共感していただけて嬉しい。。。
      そうなんですタイトルも素敵なんです。。

  • こんにちは。度々失礼します。
    最終巻まで読みました。本当に面白かった!!
    圧倒的な魅力を堪能しました。
    anpo39さんはどのキャラクターがお好きですか?
    私は最後まで読んでみて、人類最強と殺人鬼が好きです。。
    しばらく西尾作品ばかり読んでたい、っていう程ハマってしまったので、これから先ずスピンオフ作品を読みます。幸せ。anpo39さん本当にありがとう。

    戯言

  • 林檎さんこんばんは!
    おお!最終巻まで読まれましたか。
    ほんと戯言シリーズは一度読み出すと止まらない面白さなんですよねえ。
    好きなキャラクターばかりですけど、やっぱり人類最強が一番好きですね〜。あんな魅力あるキャラクターは滅多に出会えません。生み出してくれた西尾維新さんに感謝しかないです。
    ああぜひスピンオフも!私も戯言シリーズ好き仲間が増えて嬉しいです。ありがとうございます!

  • こんにちは。度々、度々失礼します・・!
    最強シリーズ、人間シリーズ読みました。
    もう、零崎一族が全員最高で大好き過ぎました。
    特に、零崎曲識の人間人間のラストシーンが、
    哀しくて素敵で。
    anpo39さんはきっと同意して下さるかなぁと。。
    何度もすみません。ありがとうございました!

    • 林檎さんこんばんは!
      おおお!最強シリーズ、人間シリーズ共に読まれましたか!
      最高ですよね、ほんとこのシリーズは。
      もちろん私も完全同意でございます!!
      共感していただけて嬉しいです。コメントありがとうございました!

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