横溝正史(よこみぞせいし)さんの「由利先生シリーズ」をご存知でしょうか。
横溝正史さんといえば、金田一耕介を探偵役とした「金田一耕助シリーズ」がずば抜けて有名ですね。小説をあまり読まない方でも、その名前くらいは耳にしたことがあると思います。
しかし、今回おすすめするのは「由利先生シリーズ」。
聞いたことないなあという方も、金田一耕介ではないから、知名度が高くないから、などと言って読まないと非常に後悔しますよ!!
それほど面白い作品があるのです。
金田一耕助シリーズが好みな方はぜひ読んでみてね!(っ´∀`)っ

1.『蝶々殺人事件』
由利先生シリーズの第一弾。横溝正史さんの作品を読む上で絶対に外せない名作の一つです。
イギリスの推理作家・クロフツの名作『樽』を意識し、さらにエラリー・クイーンもクリスティを混ぜ込んだようなザ・本格ミステリー。
密室あり、暗号あり、メインとなるトリックにも唸らされます。
さらには「読者への挑戦状」も挟まれているなど、もうミステリ好きなら読んでいて楽しすぎちゃう贅沢な作品です。
原さくら歌劇団の主宰者である原さくらが「蝶々夫人」の大阪公演を前に突然、姿を消した……。数日後、数多くの艶聞をまきちらし文字どおりプリマドンナとして君臨していたさくらの死体はバラと砂と共にコントラバスの中から発見された!
2.『真珠郎』
こちらもまた傑作。
美しい殺人鬼「真珠郎」を描いた猟奇的ミステリ。なぜ真珠郎は殺戮を繰り返すのか!
ミステリとしてはもちろんなのですが、それとはまた別の怪奇小説の部分も持ち合わせていて、一つの「小説」として純粋に面白いんですよね。
どことなく江戸川乱歩のような雰囲気も漂っていて、もうゾクゾクしてドキドキしてワクワクしちゃって感情が大変なことに。読後感も……。
鬼気せまるような美少年「真珠郎」の持つ鋭い刃物がひらめいた! 瞬間、凄まじい悲鳴を上げて展望台からころがり落ちた男。夕日が、血塗られた刀を一層赤く照らした……。
3.『幻の女』
『幻の女』といえばウィリアム・アイリッシュの傑作『幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』の方を思い出す方も多いと思いますが、横溝さんの『幻の女』もお忘れずに。
全米を賑わせたさせた殺人鬼「幻の女」が日本にやってきたとの情報を受けた三津木俊助。早速捜査に取り掛かるが、すぐに「幻の女」の犯行と思われる事件に遭遇してしまう。
テンポよく進むストーリーと二転三転する展開が良いですね。サクサク読めます。
「人殺し!」叫び声を聞いた俊助は部屋に飛びこみ、浴室のカーテンをまくり上げた。瞬間、彼はその場に立ちすくんだ。浴槽には胸を抉られ、鮮血を滴らせる女が浮かんでいたのだ!
4.『花髑髏』
表題作のほかに「白蝋変化」と「焙烙の刑」に2編が収められた作品集。
表題作の「花髑髏」ももちろん面白いのですが、個人的には「白蝋変化」の方が面白かったですね。まさかの展開でうわあ、と。
いずれにしても、どの作品のトリックも好きですよ。
ただ雰囲気も刺激も強めなので、あくまで「横溝さんの作品が好き」という前提でのおすすめ作品です。好きな人にはたまらないんですよ、これが(●´∀`●)
名探偵由利先生のもとに突然舞い込んだ差し出し人不明の手紙、それは恐ろしい殺人事件の予告だった。相棒の事件記者三津木俊助を伴い、指定の場所へ急行した彼は愕然とした。
おわりに
というわけで今回は、横溝正史さんの「由利先生シリーズ」のおすすめをご紹介させていただきました。
金田一耕助シリーズの雰囲気が好みの方は、ぜひ一度こちらのシリーズも読んでみてくださいな〜。(o´▽`o)ノ
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コメント
コメント一覧 (2件)
横溝正史はその雰囲気とは裏腹に実に読みやすい文章を書きますよね。
特に「本陣殺人事件」と「鬼火」は夢中になりました。
「蝶々殺人事件」はなかなか書店に置いていないのが・・・古本でも見つけられません。
傑作だから手放さないのでしょうか。
感動をお裾分けして欲しいものです。
クロフツの「樽」も鮎哲の「黒いトランク」も楽しく読めたので、この手の作品には期待値が大きくなります。
ちぃさん、そうそう、そうなんですよ。一見難しそうに思えるんですけど、実は読みやすいんですよね。そこがまた魅力的で。
私も初めて「本陣殺人事件」を読んで一気にシリーズを読み漁りましたもん。
私も「蝶々殺人事件」を書店で見かけたことがありません笑。古本屋さんで見かけたこともないです。私はネットで購入しましたが、やはり新装版を出していただきたいですねえ。そしたらまた買っちゃいます(ノω`*)