今回は辻村深月さんのデビュー作、『冷たい校舎の時は止まる』の感想やあらすじなどをご紹介させていただきます。
今作『冷たい校舎の時は止まる』は辻村深月さんのデビュー作。
辻村さんの好きな作品をあげたらきりがないのですが、この作品はその中でも特に好きな方でして。
ミステリー小説として、そして青春小説としても楽しめる辻村さんらしい名作となっております。
未読であれば、ぜひ参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』
雪の降る、いつもどおりのある日の朝。
私立青南学院高校の生徒達8人は、それぞれいつものように学校へと向かう。
そのうち6人が学校に着いたが、なぜか学校には誰の気配もない。
今日は休校だっけ?
そんな風に思いながらも校内を探索するが、やはり6人以外誰もいないようだ。
いつまで待っても誰も登校してくる様子もないので、しびれを切らした一人の生徒は家に帰ろうとする。
しかし、すぐに教室に戻ってきた。
玄関のドアが開かないと言うのだ。
そんな馬鹿な、と確認するが本当に開かない。
彼らは雪の降る学校に閉じ込められてしまったのだ。
そして捜索のために彼らが職員室にいると、さらに二人の生徒が登校してきた。彼らは開かなかったはずの玄関から普通に入ってきたという。
一体どういうことだ?
さらに携帯は圏外。
5時53分で止まっている時計。
彼らは一体なぜここに集められ、そして閉じ込められたのか・・・。
自殺したのは誰だ。
さて、どういうわけか校舎に閉じ込められてしまった8人。
彼らは議論をしているうちに、学園祭の最終日に飛び降り自殺した生徒の話へと移り変わるのですが、そこでまた不可解なことが起こります。
自殺があったことは皆覚えているのですが、自殺した生徒の顔と名前が皆揃って全く思い出せないのです。
なぜ思い出せないのか、と話しているうちに、この中に自殺した生徒がいるのではないか、そしてその生徒が自分たちを閉じ込めているのではないか、という結論にたどり着きます。
ズバリ、この作品のメインとなる謎は「この中の誰が自殺をし、ここに閉じ込めたのか。」ということになります。
この魅力的すぎる謎が、この長い物語を最後まで読ませてしまう大きな原動力となるのです。
もうめっちゃ気になりますから。この真相が知りたすぎてグイグイ読んじゃいますからね。夜読むときは寝不足に気をつけてください。
これでもかと丁寧に描かれる登場人物たち。
この『冷たい校舎の時は止まる』は文庫版でいうと上下巻からなる長編なんですよ。合計すると約1200ページ近くになります。
とっても長いですよね。今作に限らず、辻村深月さんの作品ってすごく長い作品が多いんですよ。
ではそれがなぜかっていうと、登場人物一人ひとりをとても丁寧に描いているからなんですね。
今作『冷たい校舎の時は止まる』に関しても、ひとりの生徒に対して何十ページにもわたって「その生徒がどのような人物でどんな過去があったのか」というのをしっかり描かれているんです。
なので当然その分物語は長くなります。ですが、そのぶん登場人物への愛着の沸き方は半端ないです。しかもいい奴ばかりで。
私が辻村さんの作品の登場人物を毎回好きになってしまう理由がこれです。登場人物を好きになってしまうばかりに、物語が終わってしまうのが毎回悲しくてなりません。
人によっては「長すぎる」という意見があるのもわかるのですが、私にとってはこの無駄に長いと思われるほど丁寧な人物描写が大好きなのです。
こればかりは好き嫌いがあるので仕方ないですけどね、、(っエ`o)
彼らと共に青春を
というわけで今回は辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』をチラッとご紹介させていただきました。
今作は「この中の誰が自殺をしたのか?」という謎を軸にしたミステリーでありながら、若き高校生たちの葛藤と生き様をも描いた良き青春小説となっております。
そして辻村深月さんならではの、なんとも言えぬ読後感を味わっていただければと思います。
辻村さんは他の作品もとても面白いので、こちらの記事も参考にしていただければ幸いです。
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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました(o´▽`o)ノ)

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