竹本健治(たけもとけんじ)さんの『涙香迷宮』がヤバイので、あらすじや感想などを簡単に。
今年の4月ごろ、本屋さんをブラブラしてたら竹本健治さんの新作『涙香迷宮』という作品が目に入りまして。なんだか惹かれてパラパラって読んですぐに買ってしまいました。
まあ、値段見ないで1800円位かと思っていたら、実際2500円位してちょっとびっくりしましたけどね。やはり単行本はお高い。゚(゚´ω`゚)゚。
いやでもですね、なんとそれ以上の価値がありました。衝撃を受ける位に面白かったんですよ。
「大どんでん返し!」とか「あなたが犯人だったの!」とかそういう類の衝撃ではなくて、「日本語って素晴らしい」っていう感動に似た衝撃だったんですね。
これはミステリー小説好きなら一度は読んでみるべき作品だと思いまして、簡単にですが『涙香迷宮』という作品をご紹介できればと思います。
『涙香迷宮』はどんな内容?
この作品は、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久が活躍する〈牧場智久シリーズ〉というシリーズもの。
今回はこの牧場智久が、黒岩涙香が残した「いろは歌」暗号に挑戦するという内容です。
そしてこの「いろは歌」暗号が今作最大の見所で、圧倒的というか凄まじいというか言葉を失うくらい凄い。
読み終わったあと一人で拍手してしまうレベルです。
こんなのを考えられる竹本健治さんが意味わかんないです。ちょっと引きます。
何重にも複雑に仕掛けられた驚異のいろは歌暗号。「暗号ミステリの最高峰」なんて言われるのも納得せざるをえないのです。
明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのはIQ208の天才囲碁棋士・牧場智久!いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作る日本語の技巧と遊戯性を極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。
ちなみに著者の竹本健治さんは『新装版 匣の中の失楽 (講談社文庫)』という作品も有名。
『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』の三大奇書に加わり、「四大奇書」と呼ばれるようになった作品ですね(@∀@)
「いろは歌」って何?
「いろは歌」とは、いろは48文字を1度ずつ、すべて使って作る日本語の伝統的な歌。
「いろはにほへと ちりぬるを・・」っていうアレですね。
よくよく考えてみれば「いろは歌」ってだけで凄い。48文字を1つ1回しか使ってはいけず、全て使って意味のある言葉にしなくてはならないっていう難易度の高さ。
それをガンガン作品に取り込んでる竹本健治さんのヤバさ(*´∀`*)
「ことば」は美しい。
『涙香迷宮』を読んで、改めて日本語の素晴らしさに気がつかされました。驚きを超えて感動です。
いろは歌暗号が凄まじ過ぎて、もはやストーリーとか殺人事件とかどうでもよくなってしまいましたよ・・・。
ミステリー小説が好きな方には一度は読んでほしい作品です。ぜひ体感してみてください。私は今後何回も読むことになるでしょう(´ω`)
暗号ミステリーは今までも結構な数を読んできたつもりですが、『涙香迷宮』は完全にトップクラスの作品でした。出会えたことに感謝です。
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