スティーヴンキング『セル』が映画化!携帯電話使用者、全員ゾンビ化?!

やったー!スティーヴン・キングの『セル』が本日2月17日(金)に映画公開しました!

今回ご紹介させていただくのは、その原作小説『セル』のあらすじや感想、ポイントなどです。

どんな物語か簡単に説明しましょう。

「そのとき携帯電話を使っていた人たちが、急に狂人となり人間を襲い始める」という作品です。

うわー!実に好みすぎる世界観!これをキングが描いているっていうですから鬼に金棒です。

さっそく見てみましょう(* >ω<)=3

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目次

『セル』あらすじ

10月1日の午後3時3分。ボストン。

ボストンの街を歩いていたグラフィック・ノベル作家のクレイは、携帯電話を使用していた人間が急に狂人化する現場を目にします。

その時、携帯電話を使っていた「全員」です。彼らがいきなり狂ったように人を襲い始めます。

街のいたるところで爆発音が鳴り響き、人々が殺されていきます。一瞬にして平穏な毎日は崩れ去り、「世界の終末」を思わせる日へと変貌を遂げました。

簡単に説明していますが、この序盤の「平穏な日常が一瞬にして崩れ去っていく」描写がサイッッコウに面白いんですよ。

しかも物語が始まってこの展開が起こるまで、わずか10ページちょっとです。このテンポの良さ。引き込まれ方が尋常ではありません。

はっきり言って、この設定の小説をキングが書いている、というだけで興奮します。絶対面白いに決まっているではないですか。

女は膝を曲げて、体をよろめかせていた。さっきまでその顔にのぞいていた表情ーーお高くとまり、生まれ育ちをひけらかす世間むけの表情ーークレイが”街の中で基本である無表情顔”とみなしている顔つきーーがすっかり消え去って、ひくひく痙攣を繰りかえす激怒の表情に変わっていた。

P.23より引用

さっきまで普通だった人物が急に狂人と化す。まるでゾンビ映画のようです。

でも彼らは「ゾンビ」ではありません。「ゾンビ」は生きた人間の肉を喰らい求める者ですが、『セル』で暴徒化した人々はそれとはちょっと違うんですよ。

彼らは決して「ただ人の肉を求めるゾンビ」ではないんです。物語が進むにつれ、彼らはだんだん「変化」をしていきます。その違いも『セル』のポイントですね。

圧倒的な読みやすさ!

まずポイントなのは、主要登場人物が非常に少ないというところです。

メインとなるのは作家のクレイと、口ひげの小男・トム、15歳の少女・アリスの3人くらいです。

わたし、登場人物が多い海外小説ってどうしても人の名前が覚えられなくて、何度も登場人物一覧を見直しちゃうんですけど『セル』はほぼ見直さなかったです。

これは本当にありがたかった。

しかも、文章がとても読みやすい。翻訳されたキングの作品は数多くありますが、その中でもトップクラスの読みやすさを誇ります。本当に翻訳小説とは思えない読みやすい文章です。

これも物語を一気読みさせてしまう重要な要素でしょう。

ただのパニックホラーではない。

物語の全体の流れとしては、暴徒化した人々が溢れた世界を旅するロードムービー、といったところでしょう。

「パニックゾンビ映画」というより「ロードムービー」なんです。この違い、なんとなくわかっていただけるでしょうか。

正気な人間たちと暴徒軍団との激しいバトル!を描くのではなく、クレイ、トム、アリスの3人が暴徒で溢れた世界を旅をする。そういう物語です。

決してド派手な展開ではないのですがスリリングな展開がいくつもあり、キングならではの「物語へ引き込む力」が半端なくてグイグイと読まされてしまう。これは流石といったところでしょう。

彼らの細かな心理描写、セリフにも注目です。上下巻かなる長編ですが、息つく暇もなくほぼ一気読みでした。

ここが見所!

最後にポイントをおさらいしましょう。

①舞台は、携帯電話を使用していた人が突然暴徒化した世界。

②そんな崩壊した世界を旅する「ロードムービー」に近い作品です。

③主要登場人物が少ないので読みやすいです。

④文章も翻訳小説にしてはかなり読みやすい部類です。

⑤序盤のテンポも凄く良いし、ストーリーそのものがとてつもなく面白いです。

⑥キングが「世界の崩壊」をテーマに描いた作品なんです。

これだけの要素が揃って、おもしろくないと言ったらウソになりますよ。

ああああ!やはく劇場版を見たいいいいい!

というわけで早速今から見てきます!行ってきます!(* >ω<)=3

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは!「セル」の映画が公開したんですね。私が住んでいるところは田舎の方なので上映していゆ映画館がないのです…(´;ω;`) 大分前に「セル」の文庫を購入したんですが、積読中です。何と言うか、読み終わるのがもったいない気がして。しかし、今回の紹介を読んで読みたくなりました。めちゃくちゃ面白そうな世界観ですね!というか、キングのホラーで面白くないわけないですね!いいきっかけになりそうです。

    • 私も近くに上映している映画館がなくて、池袋まで電車で行ってきましたー笑。
      この映画、上映している映画館がすごく少ないんですけどなんででしょう。。面白いのに!!
      いやーぜひ読んでみてくださいな!ホント世界観がめちゃくちゃ面白いです。
      読みおわるのがもったいないのはすごくわかります。スティーヴンキングの作品はいつもそんな気持ちになります(ノω`*)

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