短編集

朱川湊人さんのおすすめ小説5選-ノスタルジックで奇妙な物語をお届けします

朱川湊人さんの作品といえばやはり「ノスタルジックホラー」。

ホラーなんだけど「おばけ怖い!」とかじゃなくて、「優しさに包まれた不思議な物語」という感じなんです。

時代が昭和あたりのものが多く、なんだか懐かしい気持ちにもなれるんです。初めて『都市伝説セピア』を読んだ時にすぐ虜になっちゃいましたもん。

古き良き時代背景と奇妙な物語の融合が、他にはない見事な独特の世界観を生み出しているんですよ!

説明するのが非常に難しいので、とりあえず読んじゃってくださいな(*>∀<)ノ

 

1.『花まんま』

朱川湊人さんの代表作ですね。私が思う朱川湊人さん「らしさ」が堪能できる作品。

時代は昭和。大阪の下町を舞台に、子供たちが体験した不思議な物語6編が収められた短編集です。

まず昭和30〜40年代の大阪の下町の雰囲気が最高。なにこの空気。タイムスリップしたい。

どれも「死」を感じさせる物語なのですが「怖い!」とかではなくて、どこか優しくて切ない気持ちになるような感じなのです。まさにノスタルジックホラー。

どれも良いお話ですが、やっぱり表題作「花まんま」が一番好きかなあ(ω` )

昭和30~40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公が体験した不思議な出来事を、ノスタルジックな空気感で情感豊かに描いた全6篇。

2.『わくらば日記』

はい、出ました。私のめっちゃ大好きな〈わくらばシリーズ〉の1作目。

舞台は昭和30年代の東京下町。「人やモノの記憶を読み取れる」という不思議な能力を持つ姉と、その妹が出くわす様々な事件が収められた短編集です。

姉の活躍を見ていた妹の「日記」形式で書かれているのも良いポイント。

ガッツリなミステリでもなく、ノスタルジックな雰囲気が心地よい素敵なお話が多いです。そして、暖かく、切ない。

続編『わくらば追慕抄 (角川文庫)』も出ていますのでぜひ(ノω`*)

姉さまが亡くなって、もう30年以上が過ぎました。お転婆な子供だった私は、お化け煙突の見える下町で、母さま、姉さまと3人でつつましく暮らしていました。

3.『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』

大正三年の東京を舞台に描かれる、なんとも不思議な怪異事件短編集。でも「怪談」ってわけじゃなくて、素敵な雰囲気が漂います。「優しい怪異小説」といいますか。

大正時代独特の雰囲気と、奇妙な怪異の相性は抜群。これだけでワクワクです。どことなく、京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」を思い出しました。内容は全然違うんですけどね。

もちろんただ怖いだけでなく、人情物語としての面白さ、儚さも味わえます。それにキャラも良いので続編が読みたくなってしまう。

大正三年、東京。画家を志して家を飛び出した槇島功次郎は、雪の無縁坂で、容姿端麗な青年画家・穂村江雪華と出会う。

風変わりだが聡明、ずば抜けた画才を持つ雪華は、この世に未練を残して死んだ者の魂を絵で成仏させる、驚くべき能力の持ち主だった。

4.『オルゴォル』

小学生のハヤトが、同じ団地のおじいさんから「オルゴールを鹿児島に届けてほしい」とお願いされる。

お金につられて頼みを引き受けたハヤトが、以来通りにオルゴールを鹿児島に届ける。という、ただそれだけの話です。

ただこれだけの話なのに、なんでこんなに素晴らしい物語になるのでしょうか。これが朱川湊人さんの凄さです。少年の成長物語として傑作でしょう。

旅の途中で様々なことを学んでいくハヤトを見ていると心が温まる。また、登場人物のセリフも心に残る物が多い(*´v`)

母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。それは古いオルゴールを鹿児島に届けること。

5.『都市伝説セピア』

朱川湊人さんのデビュー作にして名作。私はこの作品で朱川さんにハマりました。

なんとも不思議でホラーな物語が収められた5編からなる短編集です。

収録されている「昨日公園」は、テレビドラマ「世にも奇妙な物語」で映像化もされました。ほんとに傑作ですよ。これだけでも読んでほしいくらいです。

ただ怖いだけではなく、どこか哀愁漂う切ない物語が多め。もちろんゾッとすることもありますけどね、「アイスマン」が特に。

他の作家さんでいえば恒川光太郎さんの作品の雰囲気に近いかな。不思議で奇妙な世界観が好きな方はぜひ。

“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀しさを描いた著者のデビュー作。

おわりに

うーん、本当は他にも面白い作品がいっぱいあるんですけどねえ。。

かたみ歌 (新潮文庫)』とか『いっぺんさん (文春文庫)』とか『あした咲く蕾 (文春文庫)』とか、、

ただ面白い作品を全部紹介してたらキリがないので、その中でも特に好きな作品を選びました。

もし朱川湊人さんの作風を気に入っていただけたなら、ぜひこの記事以外の作品も読んでみてください!(*´∀`*)ノ

ABOUT ME
anpo39
年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)
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POSTED COMMENT

  1. りか より:

    こんにちは。私も朱川さんの作品大好きです。昨日公園からはまりました。ノスタルジックで、切なくて、不思議な作風が魅力的ですよね。私の一番は「本日、サービスデー」です!

    • anpo39 より:

      りかさんお久しぶりですー!こんばんは((´∀`*)
      りかさんも朱川さんがお好きなんですね!嬉しいです。この雰囲気がとても好きで、一時期どはまりして読んでいました。
      昨日公園ほんと良いですよねー。って「本日、サービスデー」!!家の本棚になくて忘れてましたー!!泣
      良いです、良いですよね、ちょっともう一回再読してきます。。(ノω`*)

  2. hitomi より:

    わー!面白そうですね!
    ノスタルジックとか、都市伝説とか、不思議なんだけど心あたたまるみたいなの、好きです。
    花まんま、よさそう!
    気になったら読む運命!(笑)
    完全に今年のテーマになってますね(笑)

    • anpo39 より:

      hitomiさんこんばんはー(*´∀`*)ノ
      ふっふっふ。そうなんです。面白いんですよ。まさに「不思議なんだけど心あたたまる」です。hitomiさんは絶対好きだと思います!
      今年のテーマはそれでいきましょう!笑。いやあ、素晴らしいテーマですね。。

  3. キツネ子 より:

    朱川湊人先生・・・! 良いですよね!私も「都市伝説セピア」を読んでハマッたクチです・笑
    特に「フクロウ男」の最後の一文を読んだ時、鳥肌が立ちました^_^; あの一行があるのとないのとでは大分変わってしまいますし、考えついた朱川先生は天才かな、と・笑
    「わくらば日記」「鏡の偽乙女」「花まんま」どれも名作揃いですよね!「花まんま」が直木賞を受賞したのも納得です^ ^
    朱川先生作品の中で私が一番好きなものは「さよならの空」です。でも好きな作品を選ぶのが大変なくらい、どれも面白い!
    恒川光太郎先生・・・確かに似てますね!昔「夜市」を読んだ時、朱川先生っぽいなー、と思ったのを覚えています^_^;
    「オルゴォル」はまだ未読なので、明日早速買って来ようかと思います。楽しみ!

  4. anpo39 より:

    キツネ子さんこんにちは(´∀`*)
    朱川湊人さんほんと良いですよねー。。やはり「都市伝説セピア」!同じで嬉しいです。
    「フクロウ男」私も好きですー、今でも印象に残ってますもん。。
    ああ、さよならの空のいいですねえ。ほんと全然決められません。笑
    「オルゴォル」も良いですよ!朱川さんお得意の幻想系とはまた違うんですけど、少年の成長物語としてシンプルに素敵な作品です。お気に召していただけたら嬉しいです♪

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