原作小説シャーロック・ホームズシリーズのおすすめの読む順番をご紹介させていただきます。
シャーロック・ホームズとは、イギリスの小説家アーサー・コナン・ドイルによって生み出された名探偵。
ミステリー好きであれば知らない人はいないほど有名なのですが、意外と作品を読んだことがないという方が多いのも事実。
どうやら、ホームズの作品って何作かあるので何から読んだら良いのかわからないという意見が多いようです。
というわけで今回は、私がおすすめするシャーロック・ホームズシリーズの読む順番をご紹介できればと思います。
私自身、小学校の図書館でホームズを読みながら育ったので思い入れのある作品ばかりなんですよね〜。
ご参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

1.『シャーロック・ホームズの冒険』
ホームズ第1短編集。
まだホームズを読んだことがない!という方はまずこの短編集から読む事をおすすめします。
この一冊でホームズの活躍が存分に楽しめますし、『赤毛組合』や『まだらの紐』などといった名作が収められた、まさに「シャーロック・ホームズ入門」にふさわしい作品。
ホームズシリーズの面白さがたっぷり詰まった抜群に面白い短編集、というワケです。
初期の短編集だけあって若々しくエネルギッシュな作品が多いですね。
まずはこの短編集で「ホームズシリーズってこういう感じなんだ」というのを味わってみましょう。
逆に、この短編集を「面白くない」と感じたなら、この先のシリーズ作品を無理に読まなくても良いかもしれません。
ホームズが唯一意識した女性アイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」をはじめ、赤毛の男に便宜を図る不思議な団体「赤毛組合」の話、アヘン窟から話が始まる「唇のねじれた男」、ダイイングメッセージもの「まだらの紐」など、最初の短編12編を収録。
2.『シャーロック・ホームズの思い出』
これもぜひ読んでおきたい第二短編集。
ホームズが大学在籍中に手掛けた最初の事件「グロリア・スコット号」、シャーロックホームズが探偵となるきっかけとなった話や実の兄が登場する話を含む。
1番の見所はやはり宿敵であるモリアーティ教授と対峙する「最後の事件」。初めて読んだときはかなりの衝撃を受けました。
「黄色い顔」もまた素晴らし。
ホームズとの思い出を語るワトソンの筆の熱量と同じくらい、読めば読むほどシャーロック・ホームズという唯一無二の探偵に魅了されるのです。
第一短編集『シャーロック・ホームズの冒険』と続けて読んでしまいましょう(´∀`*)
宿敵モリアーティとの緊迫感あふれる対決を描いた傑作短篇「最後の事件」をはじめ、学生時代のホームズや探偵初期のエピソードなど、さまざまな物語でその魅力を描いた、第二短編集。
3.『シャーロック・ホームズの帰還』
『シャーロック・ホームズの思い出』に収録された「最後の事件」で亡くなったと思われたホームズがここで復活!
というわけで、上にご紹介した『シャーロック・ホームズの思い出』と少し繋がりがあるので、ぜひその次に読んでほしい作品です。
やはり全体的にホームズの変人ぶりとか、ワトスンとの掛け合いが読んでいて楽しい。
ホームズの個性というか、クセが強すぎて突っ込みどころ満載で、ワトスンも相当の変わり者。だからこそ面白い。
中でも「犯人は二人」が抜群に面白いのです。ロンドンで一番の恐喝王と交渉する依頼を受けたホームズだったが、相手はさすがに口がよく回って逆にやっつけられる。そこで強硬手段に打って出るが……うーん、これは……。
スリルあり、ユーモアあり。物語の終盤、タイトルの上手さが際立ちます。
暗号解読の教科書「踊る人形」を含めた、これもまた名作揃いの短編集。
自ら歴史小説家と称していたドイルは『最後の事件』をもってホームズ物語を終了しようとした。しかし読者からの強い要望に応え、巧妙なトリックを用いて、滝壼に転落死したはずのホームズを“帰還”させたのである。
4.『緋色の研究』
これまでの短編集を読んできたならば、もうホームズの虜になっていることでしょう。
というわけでここから長編が続きます。
ホワイダニットを疎かにしない、本格ミステリーの教科書のような作品。シャーロックホームズの面白さが詰まっています。
これぞ原点。ホームズとワトスンの出会いを描いた、シャーロック・ホームズシリーズ一作目の長編作品でございます。
「え?シリーズ一作目ならこの作品を最初に読んだ方がいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。
なぜ短編集からおすすめしたかというと、ホームズ作品を全く読んだことがない方がいきなり長編を読むのは少し大変かと感じたからです。
第一短編集『シャーロック・ホームズの冒険』は素晴らしい作品ですので、まずは短編集でホームズの楽しさを存分に感じていただき、慣れたら長編を読んでいただいた方が良いでしょう。
初めて読んだ方は、想像以上の読みやすさに驚かれるはずです。名作と呼ばれるものは、いつ読んでも面白いものなのですね。
文学の知識―皆無、哲学の知識―皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを巧みに奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た、探偵小説の記念碑的作品。
5.『四つの署名』
『緋色の研究』に続く第二長編です。
これもまた「名作」と呼ばれる一つなのでぜひ読んでおきたいところ。
冒頭、頭の中で思い描いている“名探偵シャーロック・ホームズ”のイメージを崩すような、薬物を注射しているホームズの描写から始まります。
事件のない平穏な日々では薬物を常用するホームズの姿に、衝撃と僅かな失望と時代背景の差異を感じますね。
本作はアクションシーンもあり、手に汗握る場面も多く読みどころがたくさん。 ホームズって案外足を使って推理するんですね〜。
最後に語られる犯人の動機も詳しく描かれており、すっきりと分かりやすいストーリーとなっています。
前作『緋色の研究』に、続き犯人の供述や過去話パートはぐっと惹き込まれ、後半からは一気読みしてしまうでしょう。
もうここまでくるとホームズとワトスンが大好きに。ホームズ作品を全部読みたくなっているはずです。
ある日、ベーカー街を訪れた若く美しい婦人。父がインドの連隊から帰国したまま消息を断って十年になるが、この数年、きまった日に高価な真珠が送られてくるという……。
6.『バスカヴィル家の犬』
これまた有名なバスカヴィル家の犬。
長編の中でこの作品が一番面白い!という方も多い名作です。
バスカヴィル家に伝わる魔犬の伝説にホームズとワトスンが挑みます。
閉ざされた田舎村で起こる奇怪な現象の謎を解き明かしていく様子は、今現在のよくあるミステリの原点ともいえそう。
名家バスカヴィル家は魔犬に呪われている、というホラーじみた設定が余計にワクワクさせてくれるんですよね。
怪物、呪い、館、殺人、など、シリーズの中でも特に不気味な雰囲気が魅力的です。
初めて読んだのは小学校の頃でしたが、今もなおあの頃のワクワク感を覚えています。そして、今読み返してもやっぱり面白いって素晴らしい。
深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。
7.『恐怖の谷』
四作目の長編。
改めて読んでみて「あれ、こんなに面白かったっけ?」ってなりました。
一部ではいつものようにホームズの推理が冴え、モリアーティの名も登場。二部からはとある人物の身の上話、恐怖の谷での出来事が語られる。
一部の冴え渡るホームズの推理はもちろん面白いのですが、特に二部が面白すぎます。
第2部は第2部だけでひとつの探偵小説として成り立っており、驚きとドキドキが一気に押し寄せてきてそれはもう楽しかったあ!
初めて読んだときは心の中で「やられた!」って叫んじゃいましたもん。本当に見事でした。
で、もういっかい一部を読んで「なるほど!」って納得。
短いながらもミステリと復讐劇、愛憎と友情が詰め込まれており、ドラマ性に富み、読み応えがある一作となっています。
ホームズのもとに届いた暗号の手紙。時を同じくして起きた暗号どおりの殺人事件。サセックス州の小村にある古い館の主人が、散弾銃で顔を撃たれたというのだ。
8.『シャーロック・ホームズの最後の挨拶』
長編が続いたところで、また短編集に戻ってきます。
本作も安定したクオリティで、どの話も面白いです。
表題作「最後の挨拶」はもちろんですが「瀕死の探偵」がとても面白いのでおすすめ。
シリーズ的にも文学要素や歴史的要素が強くなり、物語の深みが増している印象です。
ミステリーとしてはもちろん、人間ドラマとしても楽しめる一作。ホームズとワトソンの関係は本当に良いですよねえ。
ドイルの魅せ方が素晴らしいのは言うまでもないけれど、最終話の「最後の挨拶」に関してはもう最高。鳥肌ものです。
やっぱりホームズは素晴らしい!と思うとともに、シリーズも残りもわずかという事実にしんみり。
引退して田舎に引籠っていたホームズが、ドイツのスパイ逮捕に力を貸す、シリーズ中の異色作「最後の挨拶」。
9.『シャーロック・ホームズの事件簿』
とうとうやってきてしまいました。
小説家アーサー・コナン・ドイルが描いたホームズシリーズ最後の短編集です。
何も言うことはありません。心して読みましょう。
端正で知的な顔の背後に地獄の残忍性を忍ばせた恐るべき犯罪貴族グルーナー男爵との対決を描く「高名な依頼人」。等身大の精巧な人形を用いて犯人の心理を攪乱させ、みごと、盗まれた王冠ダイヤを取戻す「マザリンの宝石」。
10.『シャーロック・ホームズの叡智』
なんちゃって、実はまだあります。
さっき最後の短編集って言ったじゃん!と、お思いでしょう。
でもそれは本当で、この『シャーロック・ホームズの叡智』という短編集は原作には存在しないのです。原作は先ほどの『事件簿』で終わりです。
この『叡智』は、新潮文庫さんが他の短編集で泣く泣くカットしたお話が集められた作品集というわけです。ありがたいことですね。
だからと言って、劣る作品な訳もなく、ドイルのホームズはどれを読んでも楽しい。
特に「技師の親指」「ライゲートの大地主」「ノーウッドの建築士」あたりはホームズ物の中でもかなり面白い部類に入るでしょう。
長かった冒険もここまで。これでホームズシリーズは本当に終わりです。
お疲れ様でした!
ある朝はやく、ワトスン博士はメイドにたたき起された。急患が来ているという。診察室に入ったワトスンが目にしたのは、片手に血だらけのハンカチをまきつけている若い技師だった。
まとめ
というわけで、私がおすすめるシャーロック・ホームズシリーズの読む順番は
①『シャーロック・ホームズの冒険』(短編集)
②『シャーロック・ホームズの思い出』(短編集)
③『シャーロック・ホームズの帰還』(短編集)
④『緋色の研究』(長編)
⑤『四つの署名』(長編)
⑥『バスカヴィル家の犬』(長編)
⑦『恐怖の谷』(長編)
⑧『シャーロック・ホームズの最後の挨拶』(短編集)
⑨『シャーロック・ホームズの事件簿』(短編集)
⑩『シャーロック・ホームズの叡智』(短編集)
という感じです。
まずは読みやすい「短編集」でホームズシリーズの面白さをたくさん知ってほしい、というのが私の想いです。
ただ「どうしても自分は長編が読みたい!」という方は、第一作目の長編『緋色の研究』を最初に読んでも大丈夫ですよ。
ただそれ以降は順番通りに読むことをおすすめします。
最後までありがとうございました。ご参考にしていただければ幸いです●´∀`)ノ

コメント
コメント一覧 (2件)
今年最後は何を紹介されるかと楽しみにしてましたが、まさかホームズとは予想外でした。自分は「恐怖の谷」がメッチャ好きですね。第2部からの唐突で鮮やかな場面展開が印象深いです。
今年はココのお陰で沢山の本に出会う事が出来ました。ありがとうございます!!
今年最後は、朱川さん「花まんま」から木内さん「よこまち余話」で読み納めです。
来年も宜しくお願いします。
Kingfishさん!私も今年最後がホームズになるとは思ってませんでした笑。でもホームズは私にとっても思い出深いですからねえ(* _ω_)
「恐怖の谷」、私もかなり好きです。やはり二部は印象に残りますよね。
「花まんま」と「よこまち余話」!!なんという良い作品!いいですねえ。それは良い読み納めだと思います。私は先ほどまで『緋色の研究』を再読してましたので、2016年はホームズ締めとなりました。
こちらこそ、いつもブログを見ていただき本当にありがとうございます。本当に、本当に嬉しいです。
どうぞ、これからもよろしくお願いします!(*´∀`*)