短編集

『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』- 本当に「怖い」ものを教えてくれるホラーの宝箱!

「新本格」ブームの火付け役と言われた綾辻行人先生、『リング』・『らせん』などの作品があまりにも有名過ぎる鈴木光司先生、ホラーアンソロジー『異形コレクション』を監修している井上雅彦先生など、豪華すぎる顔ぶれのオムニバス、『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』をご紹介します。

どの作家もミステリやホラーでは先頭を走っている有名な方ですが、今まで名前は知っていてもこの人の作品を読んだことはなかった、読まず嫌いをしてしまったという事もあると思います。

この機会にアンソロジーからデビューしどっぷりハマってみるのをおすすめします!

それでは早速収録作品の一覧と、一部あらすじを解説いたします。

『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』のあらすじ

この作品はオムニバスとなっています。収録作品は以下の通りです。

綾辻行人 「再生」(『亀裂』、『眼球綺譚』)
鈴木光司 「夢の島クルーズ」(『仄暗い水の底から』)
井上雅彦 「よけいなものが」(『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)
福澤徹三 「五月の陥穽」(『怪談歳時記 12か月の悪夢』)
今邑彩 「鳥の巣」(『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』)
岩井志麻子「依って件の如し」(『ぼっけえ、きょうてえ』)
小池真理子 「ゾフィーの手袋」(『異形のものたち』)
澤村伊智 「学校は死の匂い」(『などらきの首』)

この中で高評価だった『依って件の如し』についてのあらすじをご紹介いたします。

『依って件の如し』のあらすじ

シズと一回り上の利吉のストーリー。

利吉は両親を亡くしている。

しかし、亡くなってもなお恐ろしい女の子である、というだけで村人からひどく遠ざけられる生活を送ってきた。

そんな利吉だが、シズを養うために一生懸命働いていたのだが、そんなあるとき、志願兵として戦争に行く。

利吉が戦争に行った後、シズは住み込み先で人間扱いをされなかった。

なんとあてがわれたのは馬小屋。住み込み先ではひどい扱いを受けてしまう。

しかし、そんな中で一緒に過ごしていた牛だけは優しくシズを包み込んでくれていた。

次第に牛と心を通わせるシズは、言葉を上手に話せるようになる。

長く戦争に行っている利吉の顔を忘れてかけていたシズだったが、そんなある時、住み込み先の家に鎌を持った恐ろしい賊が侵入してしまい、シズ以外の一家は惨殺されてしまった。

生き残ったシズは別の老人に引き取られる。

そして1年後、戦争から戻ってきた利吉とシズは再会したのだが・・・シズはぞっとする真実に気がついていく。

ぞわっとする後味が秀逸で口コミでも高評価だったのですが、『再生』のストーリー紹介ではなく、口コミでちらっと解説し、あえて『依って件の如し』をこちらであらすじとして紹介させていただきました。

真相を知っている人からすると、すでにゾワゾワが止まりません。

本当に素晴らしい作品たちが収録されているので、どれから読んでも楽しめます。

『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』の口コミ【読者の感想】

それでは実際にこの本を読んだ方の感想や口コミをご紹介いたします。

「再生」は最後のどんでん返しにしびれました。なるほど、と思うとともに背筋がぞっとする、まさにホラーだと思います。ホラーといっても怪奇現象が起こったり、お化けが出てきたりするものだけでなく、人間の恐ろしさを書いたものが多々あり、個人的にはとても楽しめる作品集でした。



オムニバス形式となっています。まず、タイトルにもなっている『再生』これがいいです。ホラーという感じの怖さではないのですが絶妙な後味の悪さで、読了後に主人公の気持ちなどを想像すると、なんとも言えない気持ちになってしまいました。
綾辻さんはアナザーが有名ですがこういう短編のほうが味わい深く感じられるため僕は好きです。
さらに、続く夢の島クルーズ。こちらは結構不気味で怖い内容となっておりホラー好きにはたまらないでしょう。他にゾフィーの手袋などクオリティの高い小説が集まっている珠玉の一品となっています。
読んだことがあるのが「綾辻行人さん・福澤徹三さん」のみで、そのお二方しか知らなかったのですが、正直なところこれと言ってほかの「ホラー小説」は僕の中では「う~ん?」という読み終えた後に正直に感じた「答え」でした!!
僕がもしかしたら「ホラー系」が大好きだからなのかもしれませんが!!
ホラー物をよく読むのですが、この書籍はなかなか面白く今後もこのような「ホラー物」の書籍をさらに読んでいこうと思いました!!
なので「ホラー系」が好きな人にはこの『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』書籍をお勧めしようと思っています!!

ぞっとするようなホラーというより、不気味さや後味の悪さ、読後感を味わうようなホラーを読みたい方向けのオムニバスです。

今まで知らなかったホラー作家を知るための導入口としてちょうどよい短編がまとめられており、これからホラー作品に挑戦したい人にもお勧めできると言えるでしょう。

お化けや幽霊ではなく本当に怖いものを見つけられるオムニバス

人間の「怖い」という感情は様々な場面で使われます。

例えば幽霊が見えた、心霊写真を撮影してしまった、というような、得体のしれないものへの恐怖。

また他にも親にこっぴどく叱られた怖さ、親友に裏切られた怖さ、暴力を振るわれたりトラウマを思い出してしまう怖さなど、「怖い」という言葉一つをとっても様々なシチュエーションがありますよね。

このオムニバスは、様々な種類の「怖い」をしっかりと詰め込んだ秀逸な短編集となっています。怖いのは異形の何かや幽霊、殺人や暴力だけではありません。

人間の心の闇や奥を抉られる怖さや、真実を知ってしまったときの震えは、意外と異形のものよりも怖いのかもしれません。

いくつか生々しい作品もありますので好みが分かれるかもしれませんが、日本を代表するホラー・ミステリ作家の詰め合わせとして、好きな作家を見つけるために読んでみるのをおすすめします。

自分が今まで知らなかった新たな「怖い」という感情を、無理やり引き出しを引っ張られて教え込まれたような後味の悪くどこか面白い気持ちに包まれるでしょう。

あなたが一番怖かったものは、いったい何だったのでしょうか。

ぜひ考えながら読んでみて下さい。

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