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どんでん返し好き必読!連城三紀彦『顔のない肖像画』が復刊したよ!

つい先日(2016/08/03)、連城三紀彦さんの『顔のない肖像画』が実業之日本社文庫さんより発売されました。

この作品は1993年に出版された作品なのですが、それが今になって復刊するとは非常に嬉しい事ですね!!

そんな私は再読も兼ねて早速購入。

やっぱり面白かったので、簡単にご紹介させていただきます(*´ゝv・`)ノ

 

連城三紀彦『顔のない肖像画』とは

『顔のない肖像画』は

「穢された目」
「美しい針」
「路上の闇」
「ぼくを見つけて」
「夜のもうひとつの顔」
「孤独な関係」
「顔のない肖像画」

の7編が収録された短編集です。

そして収録されている作品全てが「どんでん返し」を味わえるものとなっています。

 

そうです。

7編全てがどんでん返し作品なのです。

もうこの時点でどんでん返し好きなら読みたくなってしまうでしょう。

なんと贅沢な短編集でしょうか。

今まで見てきた世界がくるりとひっくり返されるあの感じ。たまりませんよね(*´∀`)

短編ならではのキレと締まりの良さは読んでいて気持ちがよく、長編物とはまた違った楽しさがあるのです。

それが7編も。

うふふふふ( ´艸`)

ではどんな物語が収録されているか、簡単に見てみましょう!

1.「穢された目」

とある病院で女性患者が医師に襲われた事件を、

女性患者自身とその医師を含めた複数の病院関係者の証言のみで解決まで導くという面白い構成の作品です。

登場人物の言っていることがみなバラバラで、いったい誰が本当のことを言っているのかわかりません。

はたして誰が嘘をついているのか。そして事件の真相は。

2.「美しい針」

とあるクリニックの一室でおこなわれる、先生と女性患者のお話です。

女性患者は美しいにもかかわらず、男に見られたくない、という男性恐怖症にも似た症状を抱えているといいます。

その悩みを何とかして解放しようと試みる先生ですが、、、

3.「路上の闇」

タクシーに乗り込んだ山岸は、すぐに運転手の警戒の目に気がつく。

どうやら私を今話題の連続タクシー強盗事件の犯人と疑っているらしい。

しかも丁度ラジオからニュースが流れ、犯人の特徴が報道されるのですが、その特徴が山岸に非常に似ていることが知らされます。

なんという偶然。ますます怪しまれる山岸。

一体どうすれば・・・

4.「ぼくを見つけて」

警視庁にかかってきた一本の電話。

それはイシグロケンイチと名乗る男の子からのもので、「いま誘拐されているみたいだから助けてほしい」という内容のものだった。

電話はすぐに切られてしまったものの、男の子から自宅の電話番号を聞きだした警察は早速その番号に電話を掛ける。

するとイシグロケンイチの母親が出たのだが、ケンイチは今すぐそばで友達とゲームをして遊んでいると言う。

あの電話はただのイタズラだったのか?

5.「夜のもうひとつの顔」

男に妻がいると知っていながらも、一年もいけない関係を続けてきた女。

その女は男に別れを切り出され、咄嗟に殺害してしまう。

そのわずか4時間後、その男の妻から電話がかかってきた。男の家に向かうと、死体を発見し怯えている妻が。

女はなんとか自分を容疑から外そうと奮闘するが・・・

6.「孤独な関係」

遊園地に一人でいた冴子は、同じ会社の白井部長一家と遭遇。

そのまま部長の自宅にお邪魔し、部長の妻から部長の浮気調査を依頼される。

どうやら同じ会社の7人の女性の誰かが浮気相手らしい。

そんな出来事が冴子視点の語り口調で延々と続けられていきます。一体誰が浮気相手なのか?

7.「顔のない肖像画」

表題作だけあって、やはり一番面白いように感じます。

大好きな画家の展覧会に毎日通っていた康彦はある日、一番の目当てだった少女の肖像画がなくなっていることに気がつく。

するとそこに老女が現れ、その画家の作品32点がオークションに出されるので、それを私の代わりに出て競り落としてほしいと頼まれる。

一体なぜこんなことを?これは何かの罠なのか?

不安に思いながらも老女の代わりにオークションに出る康彦。はたして老女の目的はなんなのか?

 

華麗なるどんでん返し、炸裂。

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どの作品も見事に連城さんらしいヒネリとどんでん返しが効いています。

どんでん返しだけでなく、物語の質が良いというか美しいというか。

騙されてもイヤな感じがしなくて、爽快感と心地よさに包まれるんです。

この読後感は連城さんならではですね。

 

連城さんのどんでん返し名作短編集といえば『夜よ鼠たちのために (宝島社文庫)』が挙げられますが、今作はそれに負けず劣らずの名作短編集でしょう。

どんでん返し小説が好きな方はぜひ『夜よ鼠たちのために』と『顔のない肖像画』をどちらも読んでみてくださいな。

どちらも短編集なので気軽にサクッと、なのにキレ味抜群のどんでん返しを楽しめる非常に贅沢な作品となっております。

ほんと、こういう名作を復刊していただけるのは嬉しい限りです(´ω`*)

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