今回は私の大好きなシリーズの一つである、北森鴻(きたもり こう)さんの「蓮丈那智フィールドファイル」をご紹介、そしておすすめさせていただきます。
なぜこのシリーズが好きか。それはこのシリーズ一番の特徴である「民俗学」と「ミステリー」の見事なマッチングにあります!
民俗学ならではの独特で怪しげな雰囲気だけでも最高にたまらないのに、さらにミステリが加わってゾクゾク感が倍増!
民俗学に全く興味がなくたって、シリーズを読んでいるうちにどんどん興味が湧いてくるんです。実際に私がそうでしたし。
読んでいる間「へえ〜!へえ〜!」とうなずきっぱなしでした(´▽`*)
異端の民俗学者、登場!
このシリーズの見所として、主人公&探偵役である「蓮丈那智/れんじょうなち」の魅力が挙げられます。
年齢不詳、短髪、彫りが深くモンゴロイド離れしたした中性的な美女、足は長く身長も高い。
つまりはスーパーモデルのような美女ということです。
しかも超変わり者って所がまた良い。やはり探偵役は変わり者の方が魅力が増します。
私の場合は一作目を読んだ時点で完全に魅了されましたね。これはシリーズ全て読まねば!と思いましたよ(*´∀`)b
つまりこの作品は、蓮丈那智と一緒に民俗学を学べるシリーズ、といっても過言ではありません!なんと素敵なことでしょう!
ぜひともご覧になってくださいな!
1.凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI
記念すべきシリーズ第一弾。
「鬼封会」「凶笑面」「不帰屋」「双死神」「邪宗仏」の5編からなる連作短編集です。
いずれも民俗学に絡めた考察が存分に楽しめます。
読んだ印象ではミステリーより民俗学要素が強めで、初めて読んだときは世界観についていくのにやっとで読むのに時間がかかりました。
ただ慣れてくると超面白くなってきます。
“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。ある寒村で死者が相次いでいるという。それも禍々しい笑いを浮かべた木造りの「面」を、村人が手に入れてから―(表題作)。
2.『触身仏─蓮丈那智フィールドファイルII』
今回も連作短編集。
クールビューティーな蓮丈那智が、今作では結構な災難に巻き込まれているのが印象的な今作。
また蓮丈那智と助手・内藤三國の嬢王様と下僕のような関係は相変わらず面白いです。
第一弾から順番に読んでいれば、この作品が読み終わる頃にはこのシリーズの作風と世界観に慣れていることでしょう。
そうなればもう、残す作品を一気読みするだけです。
収録作品は「秘供養」「大黒闇」「死満瓊」「蝕身仏」「御蔭講」の5編。
「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。神すなわち即身仏なのだという。彼女は、さっそく助手の内藤三国と調査に赴く。
3.写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII
今回も連作短編集。「憑代忌」「湖底祀」「棄神祭」「写楽・考」の4編。
前作から登場した新たな助手・由美子によってパターンの幅がグッと広がります。
相変わらず民俗学要素が濃厚で、ミステリーであることを忘れて没頭してしまうこともしばしば。
長くしようと思えばいくらでも長くできそうな物語を、濃厚さをそのままに短編にビシッと納めてキレのある作品に仕上げています。本当に贅沢!(*´ェ`*)
歴史に不滅の名を刻みつつも、いまだヴェールに厚く覆われたままの、東洲斎写楽。蓮丈那智は、古文書の調査の訪れたはずの四国で、その浮世絵の知られざる秘密へ足を踏み入れることに(表題作)。
4.『邪馬台: 蓮丈那智フィールドファイル』
シリーズ初の長編。タイトルから御察しの通り、邪馬台国にまつわるミステリーです。
素晴らしく面白いシリーズながら、著者の北森鴻さんはこの作品を書いている途中で逝去されました。
今作はその続きをパートナーの浅野里沙子さんが引き継ぎ、仕上げた作品となっております。
その事実を知らない人であれば、途中で著者が変わったなど気がつかないほど違和感のない完成度となっています。
今作が出版され、手にとることができ、最後まで読めたということだけでも本当にありがたいことです。
明治時代に忽然と消失した村が残した奇妙な文書は、邪馬台国の真相へと至る秘録だった!異端の民俗学者・蓮丈那智の手に渡った「阿久仁村遺聞」。仲間たちとそこに隠された深い謎を追ってゆくうちに、数々のキーワードが浮かんできた。
5.『天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルV』
単行本未収録の2編と、浅野里沙子さんが書き下ろした4編が収められた短編集。
「蓮丈那智フィールドファイル」シリーズもこれにて終焉です。
前作の時点でまさか新刊が出るとは思ってもみなかったので、発売されたときは最高に嬉しかったですね。
そして最終巻という事実に深い悲しみを覚えました。悲しすぎます。
もう蓮丈那智の活躍を見ることができないのでしょうか。
でも私は、何かの奇跡で、また蓮丈那智の活躍を見れるのではないかどこかで期待しています。
北森鴻さん、浅野里沙子さん。このシリーズが読めて本当に幸せでした。ありがとうございました。
鬼無里が、消える…。民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取り、かつて訪れたH村に思いを馳せる。5年前、鬼の面をつけ、家々を練り歩く神事の最中、殺人事件が起きたのだった。
おわりに
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というわけで今回は、北森鴻さんの「蓮丈那智フィールドファイル」をご紹介させていただきました。
このシリーズはほとんどが連作短編集ということもあり、基本どの作品から読んでも楽しむことができます。
ただ私としては、やはり一作目から順番に読むことをオススメいたします。
まずは一作目、『凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI』でシリーズの世界観と蓮丈那智の魅力に酔いしれてください。
それでは、良い読書ライフを!´∀`)ノ
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして(^-^)
いつも楽しく読ませていただいてます♪
北森鴻さん、大好きな作家さんです(#^.^#)
連丈那智シリーズももちろんですが、「狐」シリーズも「香菜里屋」シリーズも全部好きです。
作家さんが亡くなって、これほどショックを受けたのは初めてかも(T_T)
これからも楽しみにしていますので、たくさんの本を紹介してくださいね(^-^)/
ぽんたさん初めまして!いつも見ていただけているようで、ありがとうございます(ノω`*)
私も北森鴻さん大好きで、同じく連丈那智シリーズも「狐」シリーズも「香菜里屋」シリーズも好きです。本当に良いですよね。『花の下にて春死なむ』を初めて読んだ時にすぐに好きになりました。
だから、亡くなった時は、、本当に心にぽっかり穴が開いたようで。。もっともっと北森鴻さんの作品を読んでみたかったのに。泣
あ、なんだかしんみりしてしまいました。
楽しみにしていただいてありがとうございます!たくさん紹介しちゃいますよー!!(*`▽´*)