今回は貴志祐介(きしゆうすけ)さんの絶対読んでほしいおすすめ小説をご紹介させていただきます。
私が貴志祐介さんの魅力に憑りつかれたのは、中学生の頃に『クリムゾンの迷宮』を読んでから。これ以降、貴志さんの作品を片っ端から読んできました。
そんな数ある貴志さんの作品を全部読んだ私がこれを読んでおけば間違いないっていう作品を厳選いたしました。
貴志さんの作品をまだ読んだことがない!という方は、とりあえずこの7作品を読んでおけば間違いないと断言します。
どうぞ参考にしていただければ幸いです(* >ω<)=3
1.『新世界より』
人類が超能力を使えるようになっている集落で、その能力を訓練する子供たち。
やがて子供たちはこの世界の恐ろしいシステムに気が付いてしまう。
練りに練られ、細部まで完璧に構築された世界観にまず圧倒されましょう。
上巻の最初の方は少し「入り込みにくいかな?」と感じるかもしれませんが、中盤以降はもう止まりません。完全に徹夜です。
文庫にして3巻という長編ですが、長いのが全く気にならないほどこの世界に入り込んでしまうでしょう。
最後の方は「もう終わってしまうの?!」という感じです。
ストーリー展開、世界観の構築の全てが素晴らしい壮大なSFミステリーの傑作をとくとご覧あれ。
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。
「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。
2.『クリムゾンの迷宮』
貴志祐介さんと言ったらまずこの作品が一番に思い浮かぶ人も多いはず。
目が覚めたら見たこともない土地。そしていきなり始まる生死をかけたサバイバルゲームを描きます。
一度読み始めたらもう止められない、手に汗握るノンストップサスペンス。貴志さんの作品は基本徹夜させられてしまうのでご注意ください。
追い込まれた人間たちの心理描写がリアルで怖くて、まるで自分がゲームに参加しているような感覚に陥ります。
ゲーム参加者の恐るべき行動に恐怖を感じられずにはいられないでしょう!さあ、あなたも『クリムゾンの迷宮』へ!
藤木芳彦は、この世とは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に塗れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ?
3.『黒い家』
保険会社に勤める主人公に降りかかる、幽霊なんかよりも全然恐ろしい恐怖を描いた作品。
人間とはここまで恐ろしい生き物になるのか。そのリアルな描写が凄すぎてですね、もうガクブルですよ。
ホントに貴志さんはストーリーへの引き込み方と人間描写がお上手すぎます。
特に最後の方なんて手汗びっしょりですわ。しかも読後しばらくはゾクゾク感が付きまとうのでお気をつけて。
まさに日本史上最高のホラーエンターテインメントです。
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。
4.『天使の囀り』
アマゾン調査に参加した人々が帰国してきてからの様子がおかしい。そのまま、彼らは次々に異様な死を遂げる。
その被害者の中に恋人がいた北島早苗はその死を不審に思い、独自に調査を開始していきます。そしてたどり着く真実は・・・。
気持ちの悪い恐さとでも言いますか、先ほどご紹介した『黒い家』とはまた違った恐怖を描いた作品ですね。
もちろんただ怖いだけでなく、しっかりと練られたされたストーリー展開でハラハラしまくりの一気読み状態。
特に風呂場のシーンとか、もう。(;゚;ж;゚; )
北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。
5.『青の炎』
あの男から家族を守るため、完全犯罪を計画した高校生・櫛森秀一の孤独な闘いを描きます。
こんなに胸が痛くなるミステリが他にありますか。
これほどまでに殺人犯を応援してしまう作品があるでしょうか。
こんなにもハッピーエンドを望んでしまう小説があるのでしょうか。
犯人の目線で物語が進む、いわゆる「倒叙ミステリ」と呼ばれるジャンルの作品です。
この「犯人目線」というのがポイントで、まるで自分が犯人になったかのようにドキドキが襲ってきます。
読後はもう放心状態。しばらくはこの作品が頭から離れないことでしょう。
櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。
6.『硝子のハンマー』
ある日、介護サービス会社「ベイリーフ」の密室で、社長の撲殺死体が発見された事件から物語が始まります。
死体が発見された密室へのエレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス…厳重なセキリュリティの中で起きた殺人事件。
弁護士と防犯コンサルタントのコンビが密室の謎に挑みます。
調査を進めれば進めるほどに密室の謎は深まっていくのですが、弁護士と防犯コンサルタントの榎本・純子のコンビによる検証と実証は目を見張るものがあり、解決に至るまでの経緯はより精密に完璧なものとなっています。
密室の謎ということでもっと難しい内容かと思っていたのですが、とても読みやすくわかりやすい表現となっておりますので、ミステリー小説に慣れていない方にもオススメしたい作品です。
解決編を読み終わると、読者側もやりきった感があり、とても爽快な気分になれます。
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。
7.『悪の教典』
高校の英語教師、蓮実聖司は、そのルックス良さと爽やかな性格で、生徒や同僚、PTEの役員たちをも魅了していました。
しかしその顔は表向きの顔であり、裏の顔はサイコキラーと呼ばれるものでした。
彼は、邪魔者は排除するという殺人鬼だったのです。
学校を舞台に繰り広げられるサイコホラー傑作となっています。
この作品はミステリー要素というよりも、サイコホラー要素が主となる作品となっています。
序盤はごくありふれた学園物語といった感じでほのぼのとしていますが、徐々に読み進めるにつれて教師の本性が露になり、恐怖心を植え付けられる描写が非常に上手いんです。
「学校」という舞台で繰り広げられているだけに、そのホラー劇はさらに残酷さを増します。
仲間の敵討ちをしようとする人、命がけで生徒を守ろうとする教師、知恵を絞り生き残ろうとする生徒…果たしてこの残忍な殺人鬼から逃れる事ができるのか!?
ハラハラドキドキするホラー小説がお好みの方にオススメしたい傑作です。
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。
今回はここまで
というわけで、貴志祐介さんのこれだけは読んでほしい!っていうおすすめ小説をご紹介させていただきました。
この7作品は貴志祐介さんの数ある作品の中でもトップクラスに面白い作品です。ぜひ読んでみていただけたらと思います。
どうぞ参考にしていただければ幸いです。
それでは良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ
コメント
コメント一覧 (10件)
「新世界より」ようやく読了です。やっとコメントできる笑
長いからといって避けてたおかげで、こんなおもしろいの逃してしまうところでした。
SF?ミステリ?ホラー?冒険?サスペンス?バトル?そしてゲーム?
貴志氏の作品もジャンル分けが不能で寡作なところは井上夢人氏と似てるような気がします。
この作品って、何を書いてもネタバレになりそうで、コメントしづらい。
ただ、敵対(もしくは共存)している者同士が実は...っていう設定は個人的に好きなんですよね。
(これネタバレだったら削除しちゃって下さい)
貴志氏の長編はだいたい読んでますね。友人にムリヤリ「読めっ!」って押しつけられたのが
「天使の囀り」でした。角川ホラー文庫だったので、「ホラーかよっ!」って思って読み進めると
意外に好みだったという感じです。それからはホラー文庫っていうレーベルで敬遠してたら
おもしろいの逃してしまうな、っと。
個人的には「クリムゾンの迷宮」とか「ダークゾーン」とか好きなんですよね。
貴志氏の作品では、純粋なミステリーより、ちょっと妖しい(怪しい)作品の方が好きですね。
最高におもしろい国内ミステリ②の少年探偵団の紹介文で、
anpoさん自身に対するツッコミ、よかったですよ。
その気持ちよくわかります笑
それでは、また。
おお!読み終えたのですね!
そうそう、長いのでなかなか手を出しにくいんですけど、そのぶん本当に面白いんですよね。
ほんとジャンル分け不可能なタイプの作品ですね。。確かに井上さんと似てるかも!気がつきませんでした笑
いやーわかりますわかりますその展開。私も好きなんですよ。胸熱ですよね!
「天使の囀り」いいですね〜。私もあれだけ本気でのめり込んだ作品ってあまりないですもん。
「クリムゾンの迷宮」、「ダークゾーン」、やはりあの貴志さんの持ち味はいいですね。このタイプの長編をもっと読みたいのですが、書いていただけませんかねえ。。。
わかっていただけてありがとうございます笑
嬉しいコメントありがとうございました(*´∀`*)
追記です。たびたびすいません笑
ひとつお訊きしたいことがありまして...
「新世界より」みたいに敵対している者同士が実は...という内容の小説(SFになるとは思いますが)
他にありますか?
マンガだったら石ノ森章太郎氏の作品とか、アニメだと虚淵玄氏の脚本によくあるのですが、
小説では思い当たりません。もしanpoさんがご存じでしたら教えていただきたいのですが。
...と書きつつ、それを知りつつ読む時点で、楽しみは半減のような気もしますが...笑
参考までにお願いします。
そのタイプの小説わたしも探しているんですけど、なかなかないんですよねー(ノД`)
いま記憶を呼び戻しているんですけど思い出せなくて。。。
虚淵さんの脚本のアニメしか出てこず……笑
お力になれず申し訳ないです。もし思い出したり、新しく発見したら追記させていただきますので!
anpoさん、アニメも詳しいんですね。
虚淵氏の脚本はおおむね、このパターンが多いですよね(私の観た限りではですが)
ありがちな設定なんですが、どちらかというと映像向きで、小説では少ないのかなあ。
難しいお願いをして、すいませんでした。
またよろしくお願いします。ありがとうございました。
アニメも結構好きですねー♪
私の観た限りでも、このパターンは多い気がします。でも好きです。このパターン(*´ω`)
そうそう、結構ありがち設定だと思ったんですけど、そういえば小説で読んだことあまりないなーって気がつかされました。
もしこのパターンの小説を思い出したり出会ったりしたら追記しますね〜。こちらこそありがとうございます!
貴志祐介さんのオススメ5選とあり、自分の思い浮かんだ5作品と全く同じで驚きました。他にも面白い作品はありますが、この5作品はエンターテイメント性が非常に高く一気読みしてしまいますよね。sfやミステリー、ホラーと幅広いジャンルでこれだけの傑作を生み出せる人はなかなかいないと思います。自分はここ数年で本を読み始めたので知りませんでしたが、貴志さんの2作目が黒い家で、そこから天使の囀り、クリムゾンの迷宮、青の炎とデビューしたてでこれだけの名作を世に送り出していたのですね…
1年前に新世界よりを読んだのですがその際の衝撃は今でも覚えています。sf小説とされていますが、プロットはミステリーで、ファンタジーやホラー、伝奇、アクションなど、ここでは書ききれない程様々な要素がそれぞれの良さを打ち消すことなく組み込まれているエンターテイメントのお手本のような作品で、ページをめくる手が止められませんでした。個人的には、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズのように、この小説をジャンル分けできる言葉が存在しないため、仕方なくsfに分類されている気がします。ただ、唯一無二の世界観故に、読み終わった後の喪失感は凄まじいものでした。
その後ブログで書かれていたオススメの国内SFを全て読んだのですが、純粋なSFは私の好みではない為か、どの作品も面白かったのですが中々心に空いた穴を埋められませんでした。その後も新世界よりと似た作品を求めて、SF小説を読んだのですが見つからなかったので、似た作品を知っていれば教えて頂けませんか?
貼るカイロさんこんばんは!
貼るカイロさんもやはりこの5作品ですか。
他の作品ももちろん面白いのですが、やっぱりこの5作品は群を抜いてますよね。共感していただけて嬉しいです。
『新世界より』を初めて読んだ時の衝撃は今でも覚えています。
おっしゃる通り、新世界よりはどのジャンルにも分けることのできない、異質な作品だと思っております。
故に、私も『新世界より』に似た作品を求めていますが、残念ながらこれほどの作品には出会えていないのです。
SF小説も色々読み漁っているのですが、新世界よりとは全く別物なんですよね。。お力になれず申し訳ございません……。
貴志さんの作品は全て読んでますがTOP5がすべてオススメに入っており嬉しいです。
私は特に青の炎が好きです。紹介されている「最後は放心状態に…」というのは全く同感です。しばらく新作が出ていないのが残念です。新世界よりの0年時代(?)が雑誌では掲載されているようなのでそちらが書籍化するのが待ち遠しいです。
大門さんこんばんは!
貴志さんの作品は面白いものが多いですが、やはりこの5作品は別格ですよね!
共感していただけて嬉しいです。
青の炎、傑作ですよね。これほどの作品にはもう出会えないのでしょうか……。
ええ!そうなんですか!新世界よりの0年時代!
これは楽しみになってきました。
嬉しい情報をありがとうございます(*´∀`*)