今回は、絶対読んでほしい乙一さんのおすすめ小説をご紹介です!
始めて『夏と花火と私の死体』を読んでからすっかり乙一さんにハマってしまった私。
文章が読みやすく、長編短編に関わらずストレスなく読むことができます。そしてその世界観も素敵!
個人的に乙一さんといえば、ホラーっぽい雰囲気やミステリーってイメージがあるのだけど、実はそうではない物語も結構あるんです。
今回は、乙一さんの作品を読むならまずこれから!っていうおすすめ小説をご紹介できればと思います。
どうぞ、参考にしていただければ幸いです(=゚ω゚)ノ
1.『夏と花火と私の死体』
乙一さんといえばこの作品!この作品で乙一さんにハマった!という方も多いのでは。乙一さん入門書としても定番の一冊です。
夏と花火と私の死体は、殺意はなかったものの友人を殺してしまった兄弟が、周囲の大人にバレないように死体を隠し、自ら罪を隠蔽しようと奮闘する話。
これが「殺されて死体となった五月ちゃん視点」で物語が進んでいきます。この設定が実に面白く終始ハラハラ。
しかもこれがデビュー作。そしてこのクオリティで執筆時は16歳というんだからも凄いというかヤバイというか。
死体を隠そうと奔走する兄弟に要所要所で困難が降りかかり、それを抜けた先にちょっとした衝撃が待っているという構成が非常に美しくまとまった作品です。
煽り立てるような緊張感のある展開。そして無駄のない伏線回収。最後のひっくり返し。乙一さんの天才っぷりがよくわかります。
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。
2.『暗いところで待ち合わせ』
盲目で独りひっそりと暮らすミチル。そんなミチルの家に、殺人容疑で追われているアキヒロが逃げ込んで、居間の隅に身をひそめる。
ミチルに気づかれないように身をひそめるアキヒロと、その存在に気がついているのに知らないフリをするミチルの二人の奇妙な共同生活を描いた物語。
もうこの設定の時点で面白いに決まっているではないですか!
盲目の女性の家に殺人容疑の逃亡犯が隠れ住むという奇妙な設定に反して、人と人との温かなつながりが描かれています。
そしてハートウォーミングな雰囲気だけでは終わらないのが乙一さんの凄いところ。終わり際の畳み掛けるような急展開にドキドキさせられます。
表紙絵やタイトルからしてホラー小説と思いがちですが、実は心温まる作品なんですよ。
ふたりの距離感が徐々に縮まっていく様子が、なんとも心地いい物語で、読んで良かった、と思えるんです。
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
3.『暗黒童話』
これぞ乙一さん!って感じのホラーな雰囲気たっぷりのミステリー作品。
事故で左目を失い、記憶喪失になった女子高生。手術で新しい左目を手に入れるが、左目は異様な光景を写す。
左目を提供した人は、何か事件に巻き込まれたのではないか。左目の記憶を頼りに、提供者が住んでいた街に行くが……。
最初はただのホラーだと思って読んでいたので衝撃を受けましたね。純粋にミステリー小説として最高峰に面白いです。ただグロい描写があるので苦手な方は注意。
ミステリー・サスペンス・サイコ・ホラー・ファンタジー。 様々なジャンルの小説が1冊になったような内容で読みごたえがあります。
後半から二転三転する展開に振り回され、最後に明らかになる真相にびっくり!見事に騙されましたが、気持ちが良いです。
独特の世界観、先が気になるストーリー、伏線の回収、終盤の展開、全てにおいてお見事です(○´艸`)
突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。
4.『死にぞこないの青』
とある事をきっかけに先生から嫌われ、クラスメイトからもいじめを受けるマサオ。そんなマサオの前に青色の少年「アオ」が現れ……。
前半は読んでいて気分が悪くなりました。読むのをやめようかと。でも「アオ」が登場して物語がどんどん気になって、結局最後まで目が離せないんですよねえ。
羽田先生がマサオ君をいじめる理由は理解できないし、したくもありませんが、納得出来てしまうところが恐ろしい。
先生は正義。そんな小学生の心理描写が見事に描かれており、心を動かされます。人間は自分より下の者がいることで安心感を得ようとする、そんなブラックな部分が伝わってきてなんとも言えない気持ちに。
いじめのシーンが生々しく、読むのが辛い場面が続きますが、ラストは思いのほか爽やかな不思議な読み心地です。乙一さんはこういう話がとっても上手い。
登場人物の中で誰よりも大人だったマサオ君には、よく頑張ったね、と言ってあげたい。
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。
5.『ZOO〈1〉』
乙一さんらしい何でもありの傑作短編集。「ジャンル分け不能」と言われるのも納得の一冊です。
どの作品もその設定にすぐ引き込まれ、オチが全く読めないまま、最後まで全く飽きることなく読むことができます。短編ながら、毎回インパクトとオチが素晴らしい!
同じ人が書いているとは思えない、それぞれの異なるストーリー構成は圧巻。ハッピーエンドだけでは終わらない独特の後味、これぞ乙一さんです。
乙一作品はダークで残酷だけど、そこが面白くて惹かれるんですよねえ。そうやったらこんな発想ができるのでしょう。
「SEVEN ROOMS」は後味の悪さで有名。段々と真相が見えるに連れ、恐怖感が増していき、ページをめくるのが嫌になるほどで、あのラストは強烈すぎました。個人的には「カザリとヨーコ」も好き。
双子の姉妹なのになぜか姉のヨーコだけが母から虐待され…(「カザリとヨーコ」)、謎の犯人に拉致監禁された姉と弟がとった脱出のための手段とは?(「SEVEN ROOMS」)など、本書「1」には映画化された5編をセレクト。
6.『平面いぬ。』
「石ノ目」「はじめ」「BLUE」「平面いぬ。」の4作が収録された短編集。
そのどれもがファンタジー要素を含んでおり、序盤にはミステリアスなホラー感を醸し出しながら、物語の後半にかけて切なく感動に満ちた終結へと導いていく。
短編集としてこれで良いのかってくらいの多彩なジャンル。とても同じ人が書いたとは思えないです。
4作品それぞれ乙一さん特有の切なさの中にも小さな光、希望を感じる内容になっており、どれも最後に心が温まったり、愛おしいなって気持ちが溢れてくる。
乙一さんお得意の伏線回収や切なさ、設定の不思議さがはいっていて、安定の面白さです。この独特な雰囲気がたまりません。
『ZOO〈1〉』とはまた別の味わいがありますね。どの物語も面白いですが、特に「BLUE」は名作でしょう。
「石ノ目」はごくありふれた怪異譚かと思わせておいて、乙一さんの一筋縄ではいかない感じがよく出ていて良い。
「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。
7.『失はれる物語』
ちょっと不思議だったりミステリーだったり、切なかったりもするそれぞれ違ったタイプのお話が収められた短編集。
どれも設定がユニークで興味をひき、自然とページが進むものばかり。どの話も、その発想はなかった!という予想外の観点からの話なんですよ。本当にすごい。
相変わらず読ませる文章がお上手で、スルスル読める。しかも描写は丁寧で物語の後味はしっかり残る、という素晴らしさ。
一つ一つの話の中に 優しさと不思議と温もりがあって気持ちを和ませてくれる。
短編集は普通一つくらいは自分とは合わないなと感じるお話があることが多いですが、この作品は見事に全て面白かったです。
中でも特にお気に入りなのは『Calling you』『傷』『しあわせは子猫のかたち』。読んで良かったって思える。
目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。
最後に
というわけで、今回は乙一さんのおすすめ小説をご紹介させていただきました。
ぜひ乙一さんの独特の世界観を楽しみながら、いろんな感情を味わってみてください!( ´ ▽ ` )
よろしければ気が向いたときにでも、参考にしていただければ幸いです。
それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ
こんにちは!いつも楽しく拝見してます。乙一さんの小説大好きです!特に好きなのは、短編の「BLUE」「しあわせは子猫のかたち」です。ダークで後味悪かったり、ファンタジーだったり、独特な作風ですよね。最近は読んでませんが読み直したくなりました(*´ω`*)
りかさん!いつもありがとうございます!
乙一さん良いですよね!♪( ´▽`)
自分もあの独特な雰囲気にはまってしまった一人です。ぜひぜひ読み直しちゃってください!