今回は絶対読んでほしい米澤穂信(よねざわほのぶ)さんの超オススメ小説をご紹介です。
読書が大好き!って人でなくても作品名くらいは聞いたことがある人も多いはず。それだけ話題になったり、アニメや映画になったりと、有名な作品が多いです。
ということは、それだけ面白いのです。
ミステリを軸にしながらも、世界観はシリアスだったり青春小説だったり幻想的だったりと様々。いろんな感情が楽しめるのです。
今回紹介するのは、そんな米澤穂信さんの作品の中でも特に面白かったオススメの作品です。
どうぞ参考にしていただければ幸いです(=゚ω゚)ノ
1.『儚い羊たちの祝宴』
この作品の世界観を一言でいうと、「上品な暗黒」。
5編からなるミステリ短編集。『バベルの会』と呼ばれる謎のサークルがすべての話に関係してくる一貫性のある作品です。
なので、短編集ですがバラバラに読むのはいけません。この作品を読む上で大事なのは、必ず最初から順番に読むことです。
どの話も完成度が高くミステリとして面白いのですが、最初の4編を読んだ後、最後話の『儚い羊たちの晩餐』を読むと・・・?!
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。
2.『折れた竜骨』
本格ミステリでありながら「魔法」が存在する十二世紀のヨーロッパを舞台にした、数少ないファンタジーミステリの傑作。
第64回日本推理作家協会賞受賞、というだけあって当然めっちゃ面白いです。
「うーん、ミステリーに魔法とかどうなのよ?」とか言う人にこそ読んでいただきたいですね。この絡み具合が絶妙で、「魔法の世界で本格ミステリをやるとこうなる」というのを体感してみててください。
この独特な世界観でのミステリーはきっとハマっていただけるでしょう。
しっかりミステリーとしての要素は抑えながら、幻想的なファンタジーの世界へと連れて行ってくれます。
ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。
3.『インシテミル』
超高額時給の仕事につられて集められた12人の男女が、「暗鬼館」という謎の建物に閉じ込められ命がけのデスゲームに巻き込まれます。
極限状態での人間の心理描写、金に目がくらむ者達の恐るべき行動にハラハラドキドキ。はたして生き残るのは誰なのか?
クローズド・サークルでの殺し合い。単純にこの設定だけでも面白いですが、米澤穂信さんの巧みな心理描写と演出によって唯一無二の面白さを誇ります。
映画にもなりましたが、やはり小説の方が数倍面白いですね。映画を見た人もぜひ原作の方を。
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。
それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。
4.『氷菓』
米澤穂信さんといえばコレ!という方も多いでしょう。私もです。
アニメ化もされて話題となりました「古典部シリーズ」の一作目。
何事に対してもやる気のない主人公が、古典部の仲間と共に日常に起きた謎を解いていく青春ミステリです。
日常ミステリものとしても面白いけれど、単純に学園青春小説としてもめちゃくちゃ面白いのがポイント。しかも爽やかすぎない、ちょっとビターな青春の数々。
これが本当にクセになるんですね。ミステリの枠を超えて一つの「読み物」として最高に好きなシリーズです。
原作ではアニメとは違った雰囲気や描かれなかった場面などあり、アニメを見た人もかなり楽しめる内容となっております。
それと、大事なのは順番です。必ず一作目から順番に読みましょう。
①『氷菓 (角川文庫)』
②『愚者のエンドロール (角川文庫)』
③『クドリャフカの順番 (角川文庫)』
④『遠まわりする雛 (角川文庫)』
⑤『ふたりの距離の概算 (角川文庫)』
⑥『いまさら翼といわれても』

5.『春期限定いちごタルト事件』
「小市民シリーズ」の1作目。
先ほどご紹介した「古典部シリーズ」と同じく〈日常の謎〉をメインとし、高校生の小鳩常悟朗(こばとじょうごろう)とその同級生・小佐内ゆき(おさないゆき)の二人組を中心とした青春ミステリーです。
相変わらず、米澤穂信さんの描く〈日常の謎〉は特別に面白い。殺人事件が起こるミステリが好きな私でも、物足りなさをまったく感じることなく楽しめてしまう不思議な魔力があります。
そして、「小鳩くんと小佐内さんの不思議な関係性と魅力」もこのシリーズの見所。
1作目『春期限定いちごタルト事件』を読めば、ほぼ間違いなく第2弾の『夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)』、続けて第3弾の『秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)』を読みたくなるでしょう。
それにしても、小佐内さんが可愛い。

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。
6.『満願』
2015年版「このミステリーがすごい!」で見事一位となった名作。
この作品で米澤穂信さんの名前を知った人も多いのでは?と言えるくらい有名で人気のあるですね。
6編からなるミステリ短編集なのですが、どこか不気味で奇妙な雰囲気が漂います。ただのありがちなミステリではないのです。
短編なのに一つ一つの物語が濃く、読み応えもすごい。なんなんでしょ。短編なのにこの濃密さは。しかも超面白いし。まったく、贅沢すぎますよ。


人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。
7.『犬はどこだ』
都会生活のストレスに耐えられなかった主人は田舎へ戻って、犬捜し専門の会社を開きます。なのに最初に来た依頼は人探しと古文書の解読だった!
関係のないような二つの事件が次第に絡みあっていき・・・というパターンのミステリ。このパターンは大好きです。
安定の読みやすさと登場人物のキャラの良さは米澤穂信さんならでは。あっという間に引き込まれます。
しかし、意外なストーリー展開とまさかの急展開。ハラハラさせられて読む手が加速します。だけど、まさかあんな結末になるとは。。(゚Д゚)
何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。そこで調査事務所を開いた。この事務所“紺屋S&R”が想定している業務内容は、ただ一種類。犬だ。
8.『さよなら妖精』
米澤穂信さんの作品を読むならば、この『さよなら妖精』も絶対に読まなくてはなりません。
街で偶然出会った外国の少女・マーヤと過ごした不思議な日常。彼女がいなくなった後、主人公たちはマーヤに関する推理を始める。
ほのかにミステリーを漂わせた「切ない青春小説」という感じですね。普通のミステリー小説を読んだ時のものとは全く違う読後感が襲ってきます。胸が、痛い。
マーヤはこの異国の地で一体何を考えて過ごしていたのか。ああ。切ない。
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
9.『王とサーカス』
先ほどご紹介した『さよなら妖精』の出来事から10年後、フリーの記者となった大刀洗万智が異国の地で出くわしたのはネパール王族殺害事件。
ジャーナリストとして動き出した大刀洗万智ですが、事件は思いもよらぬ方向へと進行していきます。
というわけで、『さよなら妖精』を読んだ次はぜひこの作品を読みましょう。
単純な推理小説ではなく、ジャーナリズムとは?を考えさせられる深いミステリー。
それでいて物語の展開は面白いし、情景描写も素晴らしいし、あの結末はグッと心に残るし。なんというか読後の満足感がすごいんです。壮大な物語を読んだな、と。

二〇〇一年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。
おわりに
というわけで、米澤穂信さんの超おすすめのミステリ小説をご紹介させていただきました。
基本的に米澤穂信さんの作品はどれも面白いのですが、ここでご紹介させていただいた9作品は特に面白いのでぜひ優先的に読んでほしいです。
ぜひ米澤穂信さんの世界観を存分に体感してみていただければと思います。
それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ
『氷菓』の映画が上映されています。どんな風に演じているか観たい反面、原作に抱いてきたイメージが壊れたら(『乱れからくり』の映画がトラウマです)…と思うと、なかなか映画館に足が向きません。
遅まきながら『儚い羊たちの祝宴』を読みました。中でも『玉野五十鈴の誉れ』が圧倒的で、忘れられない作品になりました。
『氷菓』の映画、わたしも観れてません笑。
確かにどんな感じになるのか知りたいのですが、どうしても見るのが怖い!(乱れからくりの映画、あれなんであんなことになったんでしょうね 笑)
好きな作品だけに、余計ですよね。
アニメ版は大丈夫どころかすごく好きな作品なんですけどね。アニメ版の映画だったら観に行ったのですが……。
『儚い羊たちの祝宴』良いですよね。何度読んでも楽しめる、名作中の名作だと思います(´∀`*)