恩田陸(おんだりく)さんの作品はミステリーであったり、青春ものであったり、エンターテイメントであったり、と様々。
作品のジャンルは違えど、それぞれに共通する「独特の雰囲気」がたまらないのです。
1度この感覚を好きになってしまうと、恩田陸さんの他作品を全て読破したくなる衝動に駆られます。
そんなわけで今回は「恩田陸さんの本当に読んで欲しいおすすめ小説」を厳選しました!
紹介していない作品は面白くない、ということでは決してなく、恩田陸さんの小説をまだほとんど読んだことがない方は、まずこれらの作品から読んで欲しいな〜っといった感じです。
どうぞ参考にしていただければ幸いです(* >ω<)=3
1.『ドミノ』
この作品、まさに「ドミノ」。
一度読み出したら止まることなくスピーディ。1人の起こしたささいな行動がまた他の人に影響を与えていき次々に気になる展開を巻き起こしていく。
それこそジェットコースターのようなスピード感と爽快感が味わえる痛快ドタバタエンターテイメント作品とでもいおうか。
一度読み始めたら止まらない、とにかく「楽しい」が詰まった小説です(゚∀゚*)
一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。
真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。
2.『夜のピクニック』
「歩行祭」という、一夜を通して80㎞をただ歩く高校の伝統を舞台にした雰囲気抜群の学園青春ミステリ。
私はこの作品を読んで恩田陸さんのことを大好きになりました。
青春感満点のストーリーにミステリーをほのかに取り入れた、暖かい気持ちにさせてくれる作品です。
高校生ならではの友情、恋愛、人間模様が非常に面白い。あまりに雰囲気が好きすぎたため、読後の喪失感が半端なかった。
もっと読んでいたい、終わらないでくれ、という気持ちにさせてくれる。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。
3.『三月は深き紅の淵を』
『三月は深き紅の淵を』という本を巡る4つの物語を描いた短編集。それぞれの話は独立しているものの、『三月は深き紅の淵を』という幻の本をテーマに繋がっています。
非常に高い完成度を誇ると共に、恩田陸さんのノスタルジックな世界観が存分に滲み出ています。
どこか幻想的であり、たまにゾクッとしたり、そもそもの物語がめちゃめちゃ面白く引き込まれてしまう。そんな恩田陸さんの良さが存分に詰まった作品。
恩田陸さんの作品を読むならば必読の一冊です。
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
4.『麦の海に沈む果実』
奇妙で幻想的な学校に転入した理瀬。この学校を舞台に巻き起こる、これまた奇妙な事件の数々。舞台設定、世界観ともに最高すぎる。
ただの学園ミステリーとは一味違った、まさに恩田陸さんっぽい作品。読んだ人にしかわからないこの感覚。是非味わってみてほしいです。
この作品は単独に読んでも十分面白いのですが、上に紹介した『三月は深き紅の淵を』を読んだ後に読むといっそう面白くなりますので、ぜひ!
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。
5.『チョコレートコスモス』
私は「演劇」に興味がありません。演劇をテーマにした作品なら漫画や映画などにもたくさんあると思いますが、ほとんど見たことがありません。
そんな私に「演劇」をここまで面白いと思わせてくれた特別な作品。
そもそもミステリー小説だと思って買ってしまったのですが、まさかここまで素晴らしい作品だとは思ってもいなかった。登場人物たちの演劇にかける情熱、オーディションの緊張感たるやこっちまで心臓バクバク(゚Д゚)
演劇に興味があろうがなかろうが、引き込まれること間違いなしの一冊です。
芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。
二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。
6.『光の帝国』
普通の人たちの中にまぎれて暮らす、不思議な能力を持った「常野」の人々を描いた連作短編集。
不気味な話もあれば、ほっこりする話もあり、心痛む話もあり。共通しているのは「読みやすい」ということ。そして「心に突き刺さる」ということ。
彼らはこの先どう生きていくのか。想像を掻き立てられ、物語の続きを気にさせる。
この作品の次は、『蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫)』、『エンド・ゲーム―常野物語 (集英社文庫)』へと続きます。
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。
7.『蜜蜂と遠雷』
ピアノコンクールを舞台にした作品。
ピアノもクラシックも全然詳しくないけど大丈夫かな?、なんて思っていましたけど、そんなの関係ありませんでした。めちゃくちゃ面白い。
これは「読む音楽」だ。
本を開いたら実際に音楽が流れる仕組みになっている、とかではありません。文字を読んでいるだけで、まるでその場でピアノを聴いているかのように思えてくるのです。これには本当に興奮し、感動した。
読む前は「誰が優勝するのかな?」くらいにしか思ってなかってけど、読み始めてから一人一人の音楽に完全に酔いしれた。誰が優勝とか関係ないと思った。
音楽に詳しくない私でも、確実に音楽の世界へ連れて行ってくれたのです。
私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
最後に
というわけで、今回は恩田陸さんのおすすめ作品をご紹介させていただきました。
言葉で説明できないような、独特の雰囲気と世界観は恩田陸さんの作品でしか味わうことができません。ぜひ堪能してみていただきたいです。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ
いつも楽しく拝見しております。
恩田さんの作品は大好きで、この中だと麦の海に沈む果実が一番です。ちょっと影のある雰囲気の学園と、控えめだけど聡明で芯のある主人公が魅力的だと思います。
他には、光の帝国という作品も大好きです。特殊能力を持ちつつ、他の人に紛れてひっそりと暮らす生活が見ていて素敵で、何度も読み返してしまいます。
読書するにあたって参考にさせてもらってますのでこれからも楽しみにしています。
misaさんこんにちは!
恩田陸さん、良いですよね。読みやすいし、独特の雰囲気が大好きです。
私も『麦の海に沈む果実』好きです〜。ふんわり不気味で幻想的な世界観がツボでして。主人公もホント魅力的ですもんね。
『光の帝国』!!!実はこの記事を書いた後に光の帝国を読んだのですが、これは絶対記事に追加しようと思っていました。本当に素晴らしい作品でした。
で、misaさんのコメントで思い出し、今しれっと追加しております 笑。
参考にしていただき大変嬉しいです。本当にありがとうございます(ノω`*)