井上夢人さんのおすすめ小説10選 – 独特な世界観に酔いしれるべし!

今回は独特の世界設定が魅力的な、井上夢人(いのうえ ゆめひと)さんのおすすめ作品を厳選しました!

井上夢人さんの作品は、ミステリーでありながらもSFチックな独特の世界観と設定が魅力的なものが多いです。

この現実的な部分と非現実な部分が見事にマッチしていて違和感なく読めちゃうんですよね。

今回はそんな井上夢人さんのまず読んでほしい超おすすめ作品を10作品をご紹介させていただきます!

どれも面白い!って思えた作品ばかりです。

どうぞ参考にしていただければ幸いです!

1.『ラバー・ソウル』

容姿にハンディキャップを持ち、苦痛の多い半生を過ごしてきた鈴木誠。

そんな彼はある日、1人の美しいモデルに恋をする。はじめて知る生きる喜び。しかし、その恋心は次第に常軌を逸したものへと変わっていく……。

モデルは鈴木の魔の手から逃げられるのか。

ストーカーの殺人事件を手記的に、事件を振り返りながら話が進んでいくうちに、不思議と猟奇的な覗き見の世界に浸っていってしまいます。

犯人の独白と、関係者たちへの事情聴取で構成されており、犯人が如何に異常行動を取ったかを供述して物語が進んでいきます。

ストーカーの思考回路ってこんな感じなのか……と、最後までこんな感じで通すのかと思ったら、最後で繰り広げられるどんでん返しに驚きを隠す事が出来ません。

ラストで世界が180度クルリと変わる劇的なからくりにより、鈴木に対する印象がまるで変わってしまいます。

リアルなストーカー行為が読者の嫌悪感を増長させ、気持ち悪い、早く捕まれ、と思わされてしまいますが、途中で読むのを辞めず最後まで読んでほしい一作です。

純粋なミステリーとして読んでも面白いし、1人の男性の恋物語とみると切なく、哀しく、美しい。そんな作品になっています。

2.『オルファクトグラム(上)(下)』

姉が殺されてしまった現場に居合わせた主人公は、犯人に殴られその後に嗅覚が犬以上に発達する。

匂いが可視化され、その能力を使い殺人犯を追う新感覚大長編異次元ミステリー。

上下巻ともにかなりの文量ですが、主人公が身につけた匂いの視覚化についての表現が非常に綺麗にまとめられ、一気に読み切ってしまう一作です。

上巻は主人公が身に付けた特殊能力についての説明などがメインになっていて、下巻からは特殊能力を得た原因となった犯人を追い詰めていきます。

目に浮かぶような光景描写で”嗅覚”を文章にする筆力はさすが井上夢人さん!。

特殊嗅覚vs猟奇殺人者の対決からTV局や警察を巻き込んで話は膨らんでいきますが、ストーリー展開のバランスが良く終盤までスムーズに進行する事ができます。

物語終盤からは主人公と犯人が相対するシーンの緊迫感は最高潮で、息をするのも忘れてしまうほど没入してしまうでしょう。

3.『ダレカガナカニイル…』

主人公の西岡は、田舎にある新興宗教の道場を警備する仕事につく。

しかしある夏の日、その道場で火事が発生し、教祖が死亡してしまう。

職を失い、東京へと戻った西岡だったが、突如異変に気づく。自分の中に誰かがいるのだ……。

SF的な設定の上に魅力的な謎をミステリーと恋愛小説が融合する快作です。

ホラーのような表紙と思って手に取って読んでみると、ホラーではなくSFや愛、ミステリーが混ざり合ったジャンルを感じさせない小説だとわかります。

前半は突然「誰か」の意識が自分の中に住み着いてしまったら?その「誰か」が、自分の体をのっとる力も持っているとしたら?という恐怖で盛り上がります。

その”誰か”は、教祖は事故死ではなく、何者かに殺害された可能性があると主張してくるわけですが、果たして教祖の死の真相は?そして”誰か”は何者なのか?というまさにミステリーを極めた作品です。

頭の中に入った人物は一体誰なのか?謎の解明に伴い切ないまでの恋愛、親子事情なども展開していく内容は読む人を虜にすること間違いなし。

相変わらず意表をつくストーリー展開。主人公の西岡さんと『声』とのやりとりの中には笑える箇所もあって、シリアスな場面とのバランスが良く長編なのもあって読み応え抜群です。

4.『メドゥサ、鏡をごらん』

ある作家が、自身をコンクリートで固めて怪死する。その死体のそばには『メドゥサを見た』とだけ書かれた自筆のメモが遺されていた。

作家の娘とその婚約者は、父親の死の謎を解くために彼の原稿を調べようとする…。

井上夢人さんのセンスが光るホラー作品です。

読み始めてから終わるまでがあっという間に感じるほど、物語に惹きつけられます。

少しずつ見えてくるも、はっきりとしないだけに返って恐ろしく、知らず知らずのうちに巻き込まれていく恐怖。

先を知りたくなるのと同時に大きくなっていく不安が湧き立ちます。

井上さんの作品はいつだって、不条理な恐怖と違和感が常に付きまとう。

読んでいて不快感もあるのに、とにかく勢いが凄まじくページをめくる手を止める事ができません。

主人公同様、読者を混乱の渦に巻き込んでいきます。

想像力を掻き立てられ様々な解釈ができる物語で、正解がなく不安だけが積み重なっていきます。

井上さんの文体は読みやすく、どんどん先を巡りたくなる魅力があるんですよねえ。

5.『もつれっぱなし』

会話する一組の男と女。「宇宙人を見つけたの」と女が見せる小鉢に入っているのはナメクジだった。

たとえ会話を重ねたとしても、男と女はもつれるもの。宇宙人、四十四年後、呪い、狼男、幽霊、嘘をテーマにした6つの短編集。

6つすべての話が一組の男女の会話形式で展開する、異色の短編集です。

会話だけなので読みやすくはありますが、禅問答のようなやり取りが多く、ちょっと読む人を選ぶかも知れません。

この作品のレビューでは、会話だけで全編構成されている、という点が素晴らしいとよく取り上げられます。実際、珍しいですよね。

しかし、本当に凄いのは会話形式だけで話を違和感なく展開する井上夢人さんの技術力でしょう!

地の文がないだけ会話が説明的になるかと思いきや、そんなことは一切なく、自然な会話だけで的確に光景を描写しています。

風変わりな出来事に、突拍子もない相手の主張。それに驚き、戸惑いつつも、とりあえず妥協点や解決策を見つけて終わるのが面白い作品です。

6.『あわせ鏡に飛び込んで』

90年代前半に様々な雑誌やアンソロジー用に執筆された短編が10作収録されたミステリ短編集。

『あなたをはなさない』や『私は死なない』があなたを恐怖の底に突き落とす。

ひとつひとつが短い話なのでサクサク読め、ゾワッとするような人間の怖さが描かれていて、短いとはいえ満足感を得ることが出来ます。

90年代に書かれた作品なので時代の古さを感じますが、今の時代に読むと時代の流れを感じる事ができ新鮮味があります。

井上夢人さんの小説は「こういうお話が読みたかったんだ。」という読者のツボを的確に捉えてくるので流石の一言です。

個人的には、パソコン同士で会話させるプログラム作りに熱中してしまう男の狂気を書いた「ジェイとアイとJI 」がユーモアに溢れていると感じました。

そうだよな〜というオチもありますが、予想も出来なかったオチもあるので見ていて飽きる事がなく面白いです。

風変わりな出来事に、突拍子もない相手の主張。それに驚き、戸惑いつつも、とりあえず妥協点や解決策を見つけて終わるのが面白い作品となっています。

7.『プラスティック』

フロッピーディスクに保存された、54のファイル。誰かが自分の名を騙っている…そんな主婦の恐怖の日記は、一体何を意味するのか。

主婦のお向かいに暮らす女、フロッピーの謎を調査する男など、複数の人たちの独白のファイルを紐解いていく。

フロッピーディスクに収められた54のファイルを読み進めていく形で、物語は進んでいく事になります。

誰かが自分の名前を騙って生活していると気づいた向井洵子のファイルから、いったい何が起こっているのか気になり、しだいに物語の中に引き込まれていくこと間違いなし。

集約された潔さと魅せる仕掛け、ラストのまさかの展開はお見事の一言!

それぞれの登場人物の戸惑いや、恐怖の描写が素晴らしく、最後までグイッとひきこまれてしまうでしょう。

8.『魔法使いの弟子たち』

主人公・仲屋京介は竜脳炎にかかり一命を取り留めたが、驚くべき能力に目覚めた。

それと同様に落合めぐみ、興津繁、木幡耕三にも能力が現れる。能力を持ってしまった彼らの行く末とは!

表紙の雰囲気とタイトルからふんわりとしたSFモノかなと思い手に取って読んでみると、強烈なウイルスが蔓延してパニックになる内容で驚愕。

‘’竜脳炎‘’と呼ばれる新型ウイルスの致死率は100%とされますが、奇跡的に生き残った4人それぞれに特殊能力が備わるという設定が面白さ満載ですね!

主人公たちが超能力を手に入れて未知なる敵とのバトルとかではなく、能力を得て人と違ってしまったことによる葛藤や、一般人の反応など視点を置いているのも好感が持てます。

超能力者が本当に現れたら周囲の反応はどうなるのか、危険人物として認定されてしまうのか、など現実ではありえないことなのについ感情移入してしまうでしょう。

物語もハイテンポで進んでいくので最後まで飽きずに楽しむ事が出来ます。

9.『the SIX ザ・シックス』

特殊能力を持つ6人の子どもを描く連作短編集。

その能力ゆえ、人から恐れられ避けられ、虐げられ、また自分自身でもその力をもてあまし孤立していく子どもたち。

特殊な力を持った少年少女達の繊細な感性を描く感動作です。

一つ一つの物語は、比較的あっさり終わってしまいますが、最終話でその後の彼らの姿が見ることができます。

研究者にありがちな好奇心、探求心だけではなく人として接してくれる飛島先生の優しいこころに子どもたちは救われるのです。

子供たちが周囲とは違う能力を持っているために“いじめ”に合ってしまいますが、そんな時に頼りに出来る大人がいる事がどれだけ大切か、という事が分かる話になっています。

最終話で、自分たちの能力が誰かの役に立つということが分かって笑顔になるシーンで私は涙腺崩壊しました……。

10.『the TEAM ザ・チーム』

テレビの人気霊導師で相談料8万円の盲目難聴な能城あや子。

だが、彼女は霊能力どころか自身ですら否定しているエセ導師だった。

周囲のスタッフが情報収集をしているだけのエセ導師が様々な問題を解決していく!

インチキ霊導師あや子と、サポートするマネージャーの鳴滝、色々な場所へ侵入できる草壁、ハッカーの悠美。4人が協力しながら相談者の悩みを解決していく短編集です。

インチキと言っても、被害者は誰一人としておらず霊視をすることで、問題が解決し、救われる人ばかりというのが面白みがあります。

相談者の過去を調べあげた先にある意外な真実に、自分自身もまるで番組視聴者になったかのように夢中になることができます。

基本的に悪者が罰せられる物語なので、後味が悪くなることもなく、最初から最後まで温かい気持ちで読み終えることができるので良いですね。

やっている事は犯罪ですが、どこか憧れすら抱いてしまう爽快感のある作品です。

最後に

というわけで、井上夢人さんのおすすめ小説をご紹介させていただきました。

井上夢人さんの世界感に一度ハマっちゃえばなかなか抜け出せません。それだけクセになってしまうのです!

どうぞ参考にしていただければ幸いです。

それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ

2 COMMENTS

アバター bigcanon

またまた書き込みさせていただきます。
先日、書き込みさせていただいた際に挙げた好きな作家以外(なぜだ?)の作家さんから。
井上夢人氏の作品は、ここに挙げられている5作品はもちろん、ほとんど読んでいます。
岡嶋二人時代はそうでもなかったんですが、ピンになってからは大ファンになりましたね笑
あの独特の雰囲気がいいんですよ。現実と非現実の間をさまようような、
あるいは地に足がついているのかついていないのかという感じが。
(私の表現力では、anpoさんようにはうまく表現できませんが笑
岡島時代の「クラインの壺」はまさに現実と非現実の間を...でしたね)
ミステリー?SF?サスペンス?ホラー?いやいやもうジャンルを超越してるでしょう、
と私は思っています。
井上氏は寡作なのが残念と言えば残念なんですが、どれもレベルが高い、読み出したら止まらない
(止められない)。
個人的は「プラスティック」がベストですね。最後のページをめくった瞬間の...

ではまた書き込みさせていただきます。次はどの作家さんにしようかな笑

返信する
anpo39 anpo39

bigcanonさん!(* >ω<) 井上夢人さんの世界観はほんと良いですよね。私もこの井上さんにしか出せない雰囲気が大好きでして、ほぼ全作品読んでいるはずです。岡嶋二人時代とはやっぱり違いますよね笑。 「クラインの壺」の全てのジャンルを超越している感じ、わかります。もはや「クラインの壷」というジャンルです笑。いやあ、初めて読んだ時は衝撃的に面白かったなあ。。結末を知っている今読んでも引き込まれてしまいますもん。 ああ、「プラスティック」ヤバイですよね。やられた!を通り越して感動した覚えが。笑 ぜひぜひ、コメントいただけると嬉しいです!どうぞよろしくお願いいたします〜(ノ∇≦*)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です