乾くるみさんのおすすめ小説を厳選しました!
乾くるみさんの代表作と言えばやはり『イニシエーション・ラブ』でしょう。
「必ず二回読みたくなる」と絶賛され、数多くのミステリファンに読まれてきた超名作です。
映画化もされて再び話題になりましたね〜。皆さんは観ましたでしょうか?
映画版はあまり期待していなかったのですが、予想に反してかなり面白かったです。
そんなわけで、今回は乾くるみさんのおすすめ小説を10冊に厳選しましたよ!
どれも自信を持っておすすめできる面白い作品となっております。
そうぞ参考にしていただければ幸いです(=゚ω゚)ノ
1.『イニシエーション・ラブ』
乾くるみさんといえばこの作品、という方も多いでしょう。
タロットカード題材としたこの作品。題材カードは「恋人」。
一見普通の恋愛小説に見えますが、実は乾くるみさんらしいミステリーを存分に感じられる一作となっています。
ただの恋愛小説ではつまらない、という方にオススメです。
この作品の主人公は、鈴木という男性。マユという女性との甘く、ときにほろ苦い恋愛ドラマが描かれていきます。
読み進めるごとに違和感が大きくなっていくかと思います。しかし、それが乾くるみさんの企みです。
最後まで読み終えたあと、その違和感は合点の快感に一転するでしょう。そして、もう一度最初から読みたくなると思います。
この伏線が張り巡らされた恋愛物語はただの恋愛物語はないことを、読めば必ず貴方も思うはず。
サイドAとBに分かれる二部構成のこの物語の結末を、本当に正しく理解できるのは最後まで読めたときだけ──。
読み終わった時、また再び読み返したくなること間違いなしでしょう。
2.『セカンド・ラブ』
「イニシエーション・ラブ」の姉妹作。
こちらもタロットカードを題材にしたシリーズです。題材カードは「女教皇」。
主人公は春香という清楚系のお嬢様と交際を始めましたが、春香とそっくりな女・美奈子が現れ、二人の幸せは──。
衝撃の、またまた二度読み必至の恋愛ミステリーです。
乾くるみさんのトリックに騙されないよう慎重に読んでも、最後のページではきっと衝撃を受けるでしょう。
そしてそれと同時に切ない感情が押し寄せてくるかと思います。また、人間の怖さも感じられるかもしれません。
タイトルから張られた伏線。この回収の仕方は流石、乾くるみさん。ページを捲る手が止まらなくなること間違いなしです。
恋愛的にはどろどろ具合も感じますが、ミステリーとして存分に楽しめる作品となっております。
最後のページまで、この不思議な恋愛に魅了されてみてください。きっと、じわりじわりと衝撃が体を包んでいくでしょう。
3.『リピート』
ケン・グリムウッドの「リプライ」とアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」に挑んだと言われるこの物語。
もし、現在の記憶を持ったまま十カ月前の自分に戻れるとしたら――。
そんな夢のような「リピート」に成功した10人の男女の「リピーター」は、人生の「やり直し」に挑みますが、一人、また一人と不審な死を遂げます。
こんなのは非現実的だと読者は思うかもしれませんが、描写がリアルなので惹き込まれること間違いなしでしょう。
SFとミステリーが混じり合い、リアルなリスクもそこに加わる。スリリングな体験がしたい方におすすめの一冊です。
また、ボリューム満点で繰り広げられる謎と仕掛け。誰が、一体なんの為に……。それを予想しながら読み進めるのも楽しいかもしれません。
「リピート」の謎が解けた時、きっと鳥肌が立つでしょう。それくらいに、この物語は予想を超えた魅力を放ちます。
4.『スリープ』
冷凍睡眠装置の研究をする“未来科学研究所”を取材する主人公は、悪戯心から立ち入り禁止の場所に迷い込み、地下5階にて見てはいけないものを見てしまった──。
SFとミステリーのミックス作品。この物語はSF的な科学要素が濃いです。
理系の人は胸が躍るでしょうし、文系の人もその不思議さに魅了されるでしょう。
普段は小説をあまり読まない方でも、この本のページを捲る手は止まらなくなると思います。
他の乾くるみ作品を読んだことがある方でも、この物語は「イニシエーションラブ」や「リピート」とはまた一味違ったものですので、楽しめるかと思います。
ちなみに、この物語のサブテーマは「行き過ぎた科学への警鐘」。
物語の面白さに加えて、未来や科学など、遠いようで近い存在の題材は、私達のこれからの科学技術への感じ方にも影響を与えるでしょう。
そしてこれはただのSFだけの物語ではありません。
ラストの驚愕を、ぜひ楽しみにして一気読みしてみてください。
5.『匣の中』
竹本健治さんの『匣の中の失楽』のオマージュであるこの作品。
探偵小説の愛好家グループの中心人物の伍黄零無。
この人物が奇妙な言葉を残し密室から消え、メンバーの仁行寺馬美が書く小説通り、仲間達もまた密室で殺される──。暗号に、目眩く推理合戦が繰り広げられます。
乾くるみ作品を読んだことがある方でも、読むとこれは異色の物だと捉えられると思います。
ぜひ読者自身もこの探偵小説愛好家グループと一緒に推理をしていってみてください。
難解な読書になりますが、そのぶん解けた時の快感は絶大なるものでしょう。
謎が解けたら再び最初から読むことをお勧めします。1度目を読んだ時に感じた違和感はまったくの違う感覚に代わるでしょう。
我こそはと謎を解きに読むのもよし、作者のミステリー技術を味わうのもよし。
オマージュ元を読んだ方でも楽しめる、奇才の一冊。すべてのミステリー好きに読んでいただきたいです。
6.『カラット探偵事務所の事件簿』
謎解きだけを専門に扱うカラット探偵事務所。うたい文句に「あなたの頭を悩ます謎をカラッと解決いたします!」と掲げています。
こちらはシリーズになっており、いくつもの謎解きと活躍を複数巻に渡って記しています。
探偵事務所というと普通、浮気調査や信用調査もすることがあるのですが、この探偵事務所は謎解き専門。なので勿論すべてがミステリーのネタになっています!
連作なので次々に謎と事件解決がされますが、持ち込まれる謎はどれも本格的ミステリーなものばかり。それらをカラッと解決していくのはまさに爽快!
1巻の最終章では衝撃的な事実も明かされるので、そこも見どころ。読了後にもう一度見てみると、「なるほど……」とほくそ笑むかもしれません。
改めて2回目を読むのも、新たな一面を覗けてまた一興かも。
シリアスといいうよりはコミカルな雰囲気で進んでいきますので、重苦しいミステリに飽きてしまった時には特にオススメの1冊です!
7.『セブン』
私立曙女子高等学院の生徒会室に集まった七人の生徒たち。生き残りをかけ、互いを出し抜く頭脳戦がいま始まる──!?
「7」をキーワードにしたこちらの短編集。収録された物語の数ももちろん7つです。
「――というわけで、うちの寿命の三年と九ヵ月を遣うて、本格的なデスゲームが楽しめるように舞台を整えさせてもらいました」と物語が始まります。
舞台は女子校ですが、青春ほのぼのではありません。デスゲームが始まり、トランプの数を当てるゲームですら心理バトルになる緊迫ミステリーです。
ですが、そこまで険悪な雰囲気はせず、むしろユーモラスな雰囲気が漂っているような……。
とはいえ心理戦はもちろん手に汗握る展開が満載で、気が抜けないスリリングさも味わえます!
舞台の効果が相まって、緊張と弛緩が織り交ざる秀逸な作品です。
トリッキーな世界がロジカルに組み立てられた、痛快なミステリー。7つの物語にハズレはありません!
8.『ジグソーパズル48』
タイトルに数字が用いられることの多い乾くるみ作品。
こちらの『48』にも、本編では明確には明かされませんが、実は意味があるのです……。作者の遊び心がでているタイトルと物語です。
舞台は女子校の、問題児ばかりが集まるクラス。ある生徒が異動してきたのが物語のきっかけです。
その生徒は前の学校で、家族が抱えた借金のために学費を稼ぐ目的でやったアルバイトがばれてしまったのが理由だといいます。
それを知ったクラスのメンバ―は、彼女が特待生資格をとれるよう一致団結するのですが──。
といった作品のほか、6編を収録した短編集になっています。
短編ごとに主人公が変わり、同じ学校に通う女子高生達が色んなことに巻き込まれ、起こしたり、とバラエティー豊富な短編集です!
小さな謎から生死をかけたものまで、ストーリーの多様さと謎解きのどんでん返しに飽きることはないでしょう。
個性的な女子高生による、チームワークの事件解決を是非お楽しみください!
9.『クラリネット症候群』
『クラリネット症候群』と『マリオネット症候群』の2編詰め。2つのタイトルは語感が似ていますね!
『クラリネット症候群』の方は、憧れの先輩である「エリちゃん」の前でクラリネットが壊れた主人公が、その直後からドレミ…の音が聞こえなくなってしまいます。
穴あきの日常から謎を解いていく主人公。読者も話の急展開にワクワクとドキドキが止まらなくなるでしょう。
『マリオネット症候群』は男子に身体を乗っ取られた女子高生。その行く末は……。
話が進むにつれて、なぜ身体を乗っ取られてしまったのか、どうしてそんなことが起きてしまったのか、そして主人公に隠された秘密が明かされていきます。
2作品ともブラックコメディ要素を含んでおり、青春ストーリーと見せかけて実は意外な結末によって幕が下ります。
どちらもミステリーとして楽しめ、全く予想の付かない展開に魅了されていくでしょう。
乾くるみ作品が好きな方も、そうでない方にもオススメの1冊です!
10.『林真紅郎(はやししんくろう)と五つの謎』
主人公は元法医学者の林真紅郎。元、というのには悲しい理由があり、愛妻を事故で亡くしたのをきっかけに勤務先の大学を辞したのです。
35歳の若さで「隠居」生活に入った林真紅郎ですが、ある日、12歳の姪と行ったコンサートで事件に像遇します。
ステージ上のマジックで消えたはずの女性が、トイレの個室で殴打された姿で発見さてしまい──。
他にも5つの謎に立ち向かっていく短編集になっています。
謎の解き方が、まるでいくつもの事柄を「シンクロ」していく推理の仕方をしており、主人公の名前の「真紅郎」と引っかけてあるようですね!
そんなダジャレ要素を含みながらも、作品の雰囲気は全体的に物悲しく、ちょっと寂しげな空気も漂います。
ですが推理小説としての面白みも十分あり、斜め上を行く展開や作者特有の予想もできない結末ももちろんあります。
難しすぎず、複雑過ぎず、どんでん返しもあり。サクッとミステリー小説を読みたいときにちょうど良い本です!
最後に
最後までご覧いただき本当にありがとうございました。
乾くるみさんの作品は『イニシエーションラブ』以外もめっちゃ面白いんですよ〜。
よろしければ気が向いたときにでも、参考にしていただければ幸いです。
それでは、良い読書ライフを!(=゚ω゚)ノ
コメント