さて、小野不由美(おのふゆみ)さんです。
綾辻行人さんの奥さんです。
綾辻行人さんも小野不由美さんも、どちらも大好きな私にとっては最強の夫婦です。
今回は小野不由美さんのおすすめ小説ランキングを作りました!
そもそも作風がかなり好みなので選ぶのが大変でしたが、かなりのナイスチョイスだと思っております。
特にホラー小説が好きな方には最高でしょう(ミステリもファンタジーもあるよ)。
どうぞ参考にしてください。そして小野不由美ワールドを全身で受け止めてください。
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7.『鬼談百景』
小説、というより実話怪談集に近い作品。
数ページで読み終える怪談がびっしり収められています。いわゆる「百物語」です。
淡々と語られていく怪談はひとつひとつは薄味なのに、これだけの数が集まればお腹いっぱいに。とんでもないオチを求めるものではなく、ただ、ひたすらに、怪談を、聞く。それがいいんです。
『新耳袋―現代百物語』みたいな実話怪談集がお好きな方にはぴったりかも。
文庫版では稲川淳二さんの解説も見所なのでしっかり読みましょう。
実はこの作品、のちに紹介させていただく『残穢(ざんえ)』という作品にリンクしております。もしまだ『残穢』を読まれていなければ、こちらを先に読む事をおすすめします。
読むほどに恐怖がいや増す―虚実相なかばする怪談文芸の頂点を極めた傑作!初めての百物語怪談本。
6.『黒祠の島』
閉鎖的で不気味で古い因習が残る孤島・夜叉島を舞台にしたホラーのような本格ミステリー小説です。
作家の葛木志保(かつらぎしほ)が失踪して、仕事でつきあいのあった式部剛(しきぶ たける)が彼女を探しに〈夜叉島〉に訪れる、という流れ。
はい好き。もう好き。しかも逆さにはりつけされた女性の死体が発見されちゃうし。
横溝正史さんの〈金田一耕助シリーズ〉を彷彿とさせる雰囲気がたまりません。島の設定もよく練られているし、ミステリー小説らしい終盤の展開もみごとに決まっています。
トリックが凄まじい、と言うよりは、おどろおどろしい雰囲気と物語を純粋に楽しむ小説という感じ。
「そう―ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教”が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。
5.『残穢(ざんえ)』
スーパー怖いドキュメンタリー・ホラー小説。
最初にご紹介した『鬼談百景』という作品がありますね。あれ、実は百物語と言っていながら九十九話しか収められていないんですよ。
それはなぜかというと、この『残穢』が百話目だからです。
小説家の〈私〉の元に、読者の女性から一通の手紙が送られてくる。住んでいるマンションの一室から「畳を掃くような音」がするというのです。
そのことをキッカケに〈私〉は「畳を掃くような音」の原因を調べ始めるのですが……。という始まり。
例えば、『リング』というホラー作品をご存知でしょうか。井戸から貞子が出てくるアレです。
『リング』の場合は、「呪いのビデオテープを見た」ことで呪いにかかるんですよ。つまり「呪いにかかった原因」がハッキリしているわけです。呪いにかかりたくなければ、ビデオを見なければ良いんです(根本的な解決になっていませんが)。
しかしこの『残穢』の場合、いつどこで呪い(穢れ)がかかってしまったかわからないんですよ。
思い当たりが全くないのに、穢れ(けがれ)が憑いてしまうんです。そこが怖い。普通の生活をしているだけなのに、知らず知らずのうちに、穢れてしまう。これが『残穢』の怖いところですよね。
そこで、奇妙な出来事が起こった原因というのを次から次へと探っていくわけですが、だんだんと真相に近づいてくる過程がめちゃくちゃ怖い。
あの「畳を掃くような音」が、こんなにとんでもない真相に繋がっていくとは。。
読み終った後、しばらく経ってからジワジワとくるタイプです。私の一番イヤ(好き)やつ。
映画版を見た方も、ぜひ原作を読んでみてください。
真夜中に文章で読む『残穢』は半端ないですよ。
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この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。
4.『東亰異聞』
魑魅魍魎(ちみもうりょう)に溢れる小野ワールド全開の作品。
文明開化後の明治辺りの「東京」ではなく「東亰」を舞台とした伝奇ミステリーです。
妖怪ばかりが登場するホラー小説、、かと思わせておいて実はかなり面白いミステリ小説。
全身に炎を纏った火炎魔人が起こす奇怪な事件。火炎魔人とは一体何者なのかーー。
他にも奇妙なキャラキターばかりが登場し、やっぱりホラー小説じゃん、と思わせておいてやっぱりミステリー小説で。
長すぎず短すぎず、それでいて小野不由美さんの良さを堪能できるので、最初の一冊にも良いかもしれません。
そして何と言っても、あのラスト。きゃー。
新聞記者の平河は、その奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる…。人の心に巣くう闇を妖しく濃密に描いて、官能美漂わせる伝奇ミステリ。
3.『ゴーストハント1 旧校舎怪談』
ホラーでありミステリでありジュブナイルであり。私の中では青春小説としても好きな「悪霊シリーズ」。
その「悪霊シリーズ」が2010年、『ゴーストハント』と名を変え、全編リライトされ全七巻で発売とされました。
高校生の麻衣が通う学校には、取り壊そうとすると事故が起きると言われる旧校舎がある。
そこに心霊現象を調査する「渋谷サイキックリサーチ(通称:SPR)」のナルがやってきて、麻衣も手伝う事になって、さらにどんどん個性的なメンバーが登場してきて、怪現象の謎を明かしてく、と言う感じ。
確かにホラーなんですけど、登場人物がみな個性豊かで面白いおかげで楽しく読めちゃうのがありがたい。小野不由美さんの作品の中でもピカイチの読みやすさです。漫画のように読めちゃう、というか。
一巻一巻も面白いですが、全巻読むともっと面白いんです。ラストまで一気に読んじゃいましょう。全編リライトという事で旧版と比べると変わった箇所も多くありますが、もちろん旧版を読んでいなくても全然オーケーです。
取り壊すと必ず事故が起こると噂されている木造の旧校舎。高校1年生の麻衣はひょんなことから、調査に訪れた「渋谷サイキックリサーチ/SPR」所長・ナルの手伝いをするはめに。彼女を待っていたのは数々の謎の現象だった。
さて。
ランキングをつけておいて申し訳ないのですが、
一位が二つあります。
なので二位がありません。
すごーーーーーく悩んだんですけど、決められませんでした。お許しください。
1.『月の影 影の海』
日本が誇る、ファンタジー小説の名作。「十二国記シリーズ」の一作目です。
女子高生・陽子の前にケイキと名乗る男が突然現れて、あれよあれよと異世界に連れ去られてしまう。
そしたら剣を渡されて、見た事のない化け物と戦う事になってしまい……、という王道ファンタジー。
王道、なんですけど、どちらかというとホラー寄りなんですよね。そこがまたいい。ハラハラドキドキしながら一気に読まされてしまう。
それでいて、女子高生・中嶋陽子の成長物語でもあるんです。追い詰められ、人に裏切られる中で本当の自分を見つけていく、みたいな。本当に大切な事をたくさん学ぶ事ができます。
とりあえず、『月の影 影の海』の上下巻を読んで見てくださいな。シリーズを全部読みたくなってしまいますから。
とーっても読みやすいので、ファンタジー小説をあまり読んだ事がない方にもバッチリおすすめできちゃいます。「ファンタジー小説の入門書」と言ってもいいかもしれません。
私自身、初めて読んだとき「なんでもっと早く読んでいなかったんだ!」って思いましたもん。
「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。
1.『屍鬼(しき)』
とても簡単に説明しますと、
周囲から隔離された閉鎖的で小さな村に、人間の血を喰らう屍鬼(吸血鬼みたいなヤツ)がひっそりやって来て、村が大変なことになっていく、って話です。
なぜこの作品が一位かというと、ただタイプだからです。好きなんです。このようなホラーが。
なにせスティーヴン・キングの名作『呪われた町(集英社文庫)』のオマージュとして書かれた作品ですからね、キング好きにはたまりません(で、この『屍鬼』に影響を受けているのが『SIREN』というメチャ怖ゲーム。私はこのゲームの世界観とか設定が大好きすぎる)。
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まず文庫にして全五巻というボリュームが良いじゃないですか。どれだけの間この不気味な世界に浸れるのか、って考えるだけでワクワクですよ。そのぶん設定と世界観の構築とか凄まじいですし。
確かに大変かもしれないんですけど、読み終わった後の「すごい作品を読んだな」という気持ちと、「これだけ重厚な物語を読ませていただきありがとうございます」という気持ちに包まれるんです。
ただ注意なのが、一巻なんですよ。
一巻はただでさえじっくり物語が進むのに、登場人物が一気にドーンと出てきて整理するのが大変なんです。
というわけで多くの方が一巻で挫折し、「つまらなかった」という評価がついてしまいがちなんですよね。
でも諦めないで!
二巻に入るとだんだん物語が動いてきてワクワクしてきます。
三巻に入る頃になると、もうページをめくる手は止まりません。「明日仕事なんだよ、勘弁してください。早く寝かせてください。」ってなります。覚悟しましょう。
人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。山深い集落で発見された三体の腐乱死体。周りには無数の肉片が、まるで獣が蹂躪したかのように散乱していた―。
おわりに
というわけで、私的な小野不由美さんのおすすめ小説ランキングでした( ゚∀゚)
本当に面白いのでぜひ読んでみてね。特に一位の二つは必読級ですよ!
参考にしていただければ嬉しいです〜。
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コメント
コメント一覧 (2件)
夜寝る前子供に読み聞かせる本が恐そうな夫婦第一位ですね!
しかし本当に屍鬼は、一巻が退屈で二巻以降が傑作だという評判が溢れてますよね。
もう逆に恐い物見たさで読みたくなってきました(笑)
ほんとそうですね!どんな本を読み聞かせるのか見てみたいです笑
そうそう、ほんとそうなんですよ。私が最初一巻読んだ時も「んん、期待しているのと違うかなあ」って不安に思いましたもん。でも二巻に突入すると……。
ぜひ恐い物見たさで挑戦してみてください!((´∀`*)