祝・映画化!沼田まほかる『ユリゴコロ』はイヤミスの枠を超えた衝撃ミステリー。

沼田まほかるさんの『ユリゴコロ』の映画化が決定したようですね!公開は2017年9月を予定しているとのことです。

というわけで、今回は沼田まほかるさんの『ユリゴコロ』のあらすじや感想についてご紹介させていただきます。

沼田まほかるさんは「イヤミスの旗手」とも呼ばれる作家さんで、他にも『猫鳴り』や『彼女がその名を知らない鳥たち』などの名作を書かれております。

そんな沼田まほかるさんの作品の中で、最も有名かつ人気なのががこの『ユリゴコロ』。

今作は「イヤミス」として有名なのですが、個人的には「純粋にミステリー小説としてとても面白い作品」だと強く思いますのでここでおすすめさせていただきますね。

参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

目次

沼田まほかる『ユリゴコロ』

 

物語は、主人公・亮介が癌に侵された父の見舞いに実家にやってくるところから始まります。

しかし家にやってきたものの父が居ないので、家の中をウロウロ探し始める亮介。

そして最後に入った父の書斎で「ユリゴコロ」と題された4冊のノートを見つけます。

好奇心に惹かれ、「1」と書かれたノートを読んでみた亮介は思わず驚愕してしまう!

なんとそこには、殺人に魅了された人物による生々しい告白文が綴られていたのです。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか―。

「ユリゴコロ」を書いたのは一体誰なのか?

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「ユリゴコロ」には、ある人物が殺人に取り憑かれてしまい、それまでに行った殺人の数々が綴られていました。

私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通とちがうのでしょうか?

『ユリゴコロ』 P.20より引用

という衝撃的な一文から始まる「ユリゴコロ」。

書いた人物は殺人に罪悪感を感じず、ただ殺したいから殺すだけとも言っています。

 

ここで真っ先に思い浮かぶのは、「これは一体誰が書いたものか?」ということです。

このノートが父の部屋から見つかるということは、亮介の身近な人物の可能性が高い。

父なのか?

交通事故で亡くなった母なのか?

亮介の知らない人物なのか?

いや、それ以前にノートに書かれていることは事実なのか?ただの小説ではないのか?

と、どんどん浮かび上がってくる疑問の数々。

もうこの魅力的な謎と設定によって、序盤からガッツリ作品の世界へ引きずりこまれてしまいます(∀`●)

さらに亮介にはもう一つの大きな謎が

亮介を悩ませるのはノートだけではありません。

実はこのノートを発見する以前に、恋人の千絵が謎の失踪をしていたのです。

千絵に何があったのか?なぜ自分の前から消えたのか?という疑問に悩まされいるところに、父に癌の宣告。さらには母の交通事故死。

で、謎のノートの発見に至るわけです。

最悪ですね(。ノД`)

 

というわけで、「ノートは誰が書いたのか?」「千絵はなぜ失踪したのか?」という大きな二つの謎をメインに物語は進んでいきます。

もう真実が気になりすぎて一気読みですよ。

鈍感で良かった!!

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で、この物語は最後に衝撃的な展開を迎えます。

初めて読んだ時は、私も心底びっくりして「おおお!見事です!」という感じでした。これは良い「まさかの真実」だと思いましたもん。

なのですが、その後いろいろ調べていると、「ミステリを読みなれている方ならすぐわかる」とか「ほとんどの読者は真実に気がついてしまいますね」などの意見が結構あるんですよね。

 

いやいや、わたし全く気がつかなかったんですけど。

 

でもだからこそ思いっきり衝撃を受けられたわけで。

ホントたまに真実に気が付いてしまう作品があるのですが、そんな時は「なんで気が付いてしまったんだ!」と凄くガッカリします。

わたし的にもミステリー小説は、最後に「まさかの真実」で衝撃を受けたり「やられた!」と言わされてしまうようなところが大好きなんですよ。

なので今回改めて鈍感で良かったーと感じました 笑。

やはり鈍感な人の方がミステリー小説を楽しめるのではないか、とか思ったりしましたね(*´∀`*)

おわりに

というわけで今回は、沼田まほかるさんの『ユリゴコロ』を簡単にご紹介させていただきました。

沼田まほかるさんの作品の中でも屈指の名作だと強く思いますので、ぜひ一度お手にとっていただければと思います。

ちなみに今作は「イヤミス」としても有名なのですが、私は読後なぜかイヤな気持ちにはなりませんでした。

確かに冷静になって考えてみると「イヤミス」かもしれないんですけど、そういうイヤな気持ちにさせないようなラストになっているんですよね。

ミステリとして面白いのは当然として、他の方がこの作品を読んでどのような読後感を抱くか?というのも気になるところです(*゚∀゚)

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (7件)

  • 私、これ読んでないんですがめちゃめちゃ気になるじゃないですか~!!
    明日にでも買いに行ってしまいそうです(笑)
    そしてまた、まだ手をつけてない本がどんどんたまって行くという、、、

    • hitomiさん!
      ふっふっふ。気になっちゃいますでしょ〜(*゚ω゚)
      もうどんどん積読しちゃってくださいな笑。私も常に大量の積読に埋もれています……。

  • 今更ですが…『ユリゴコロ』、先ほどようやく読み終えました!
    普段、仕事の休憩時間にしか本を読む時間がなく、なかなか進まないのですが、こちらはラストが気になって家で一気に読んでしまいました。
    私も、全くイヤミスとは感じませんでした。
    しかも真相に気付くことなく騙されることが出来て、気持ち良く驚くことが出来ました(*´ω`*)笑
    いや~、面白かった!!
    こんな時ラストの驚きに出会えるのが楽しいから、読書はやめられませんね。

    • pomさんこんにちは(´∀`●)
      おお!読まれたのですね!
      ほんとにこの先品は一気読みしちゃう魅力がありますよね。しかもイヤミスと言われているのに、イヤミス感がなくて。
      私も完全に真相に気がつかなくて、ええええ!ってなりました。こういう展開大好きです(*´∀`)
      そうなんですよー。こんな作品に出会うためにたくさん読書してると言っても過言ではないですね 笑。
      またこのような驚きを味わえる作品があったらどんどんご紹介していきますねー♩

  • anpo39さん、こんばんは!
    お元気にされてますでしょうか?^^
    私も遅ればせながら『ユリゴコロ』読ませていただきました。
    そして映画も見させていただきました。
    いつもの、原作読む→作品見るのパターンです。
    私も「まさかの真実」に気付けなかった人の1人です。
    確かに手練れの人にとっては気付けるレベルの仕掛けかもしれないですけど、読んで「えっ!そうだったの?」って気付かされるほうが楽しいですよね。
    そういう点で自分は鈍感で良かったなとつくづく思います(笑)

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