長沢樹『消失グラデーション』のどんでん返しはぜひ味わうべきです!って話

長沢樹(ながさわいつき)さんの作品に「樋口真由“消失”シリーズ」っていうのがあるんですけど、これとっても好きなんですよ。

その中でもシリーズ第一弾の『消失グラデーション』は青春ミステリの傑作だと思うのです。いや、傑作に違いないのです。

だって、あの衝撃ですもん。このレベルの衝撃ってなかなか出会えないですからね。それだけでも希少です。

しかしまあこういう作品って賛否あるんですよね。ある意味仕方のないことですが……(詳しくは後ほど!)。

とまあ色々言いたいことはあるのですが、個人的には非常にオススメの作品です。まずはあらすじをちょっと見てくださいな(* >ω<)=3

 

『消失グラデーション』あらすじ

 

この作品、あらすじを説明しだすとものすごく長くなっちゃうので、超簡単にまとめますね。

①とある高校の男子バスケ部員・椎名康が、校舎の屋上から転落した女子バスケ部のエース・網川緑を発見します。

②で、慌てて落下場所に向かい、そこで血にまみれ倒れていた網川緑を目にします。

③と思ったら、後ろから何者かに襲われて気を失います。

④そして目が覚めたら、今そこで倒れていたはずの網川緑が消失していた、という感じです。

 

一見、椎名の見間違いか?とも思えますが、現場には血痕が残されており、誰かがそこに倒れていたことは確かです。そして網川緑は行方不明となります。

つまり椎名が見たのは夢でもなんでもなく、間違いなく網川緑が落下した現場だったのです。

では、なぜ網川緑が消えたのか。そしてどこに消えたのか。この謎が物語のメインとなります。

 

最初にあらすじが長くなる、と述べたのは、この事件が起きるまでが少々長いからです。事件が起きるのは130ページ以降です。

では、それまで何が書かれていたのか?というと、主に人物紹介と人間関係、主人公の置かれた環境などの描写です。

今作の中心人物である椎名康と樋口真由、そして消えた網川緑、その他のバスケ部の皆さんのギクシャクした青春の一ページが丁寧に綴られています。

本当に、事件が起きるまでは普通の青春小説を読んでいるようでした。

ミステリとしては「退屈」に思われるかもしれませんが、これは登場人物たちの関係性を深く知るために必要なので、読み飛ばさずにじっくり読みましょう。

気になる謎だらけの青春小説

さて、網川緑消失事件が起きた後は、ページをめくる手が一気に加速していきます。

学校を出入りする門には監視カメラが設置されていました。そこには、網川緑を運び出すような、不審な荷物を持った人物は映っていませんでした。

さらに、他の場所ではいろんな部活の生徒が活動していたので、もし大きな荷物を持った不審な人がいたら気がつかれてしまいます。警察が調べましたが、フェンスを乗り越えた後もありません。

つまり網川緑は、監視カメラと人の目からなる「密室状態の学校」から消えてしまったのです。

①網川緑はなぜ落下した?(自分から飛び降りた?誰かに突き落とされた?)

②落とされたとしたら「誰」に「どうやって」落とされた?

③どこに消えた?今どこにいるのか?

④「密室状態の学校」からどうやって消えた?

⑤そもそも、なぜ消える必要があったのか?

⑥網川緑は死んでいるのか?生きているのか?

という多くの謎が浮かんできます。これを全部解決していくわけです。最高です。

そして、あの衝撃である。

そして最後に待ち受けるのは、スーパーどんでん返しです。しかも連続してきます。やったあ!

読んでいて「うひゃー!きたー!」とか思いながらニヤけちゃうくらいの衝撃的展開です。

が、この作品は評価がかなり分かれるんですよ。

というのも、この衝撃を作るために無理矢理感が出てしまっている、とか、読者に対してフェアじゃない、とか、設定が都合よるぎる、とか、そういう意見が多いんですよね。

うん。わかります。わかります。

でも私思うんです。

 

それでいいじゃないの!って

 

確かに、ミステリとして細かい部分まで見ると気になる点はなくもないです。でもそれを考えた上でも、やはり「やられた!!」感が強いんですよこの作品は。どんでん返しが強烈なんですよ。

いわゆる「本格推理小説」ではなく「騙されるための小説」という感じです。

なので「細かいことは気にしないから、とにかく私は騙されたいんだ!」というどんでん返し中毒の方には最高だと思います。

ミステリがお好きであれば、いろんなレビューは見ないでとりあえず読んでみていただきたいですね。自分にとってコレがアリかナシか、確かめてみてほしいです(*´∀`*)

(読み手によって評価が全く分かれる、というのも読書の面白いところですよね!)

続編もあるよ!

で、シリーズ第一弾の『消失グラデーション』を読んで「面白いなあ!」とか「この登場人物いいなあ!」と思っていただけたなら、第二弾の『夏服パースペクティヴ』も楽しんでいただけるでしょう。

第二弾と言っても、時系列的に『消失グラデーション』の前の出来事のお話で、順番的にもどちらから読んでも楽しめる内容になっています。

でもやっぱり『消失グラデーション』から読むのがオススメです。間違いなく。

さらにシリーズ三作目の『冬空トランス (角川文庫)』もあります。これは短編集です。

 

とまあ長くなっちゃいましたが、何が言いたいのかというと『消失グラデーション』読んでみて!ってことです。

あの展開がアリにしろナシにしろ、ミステリがお好きならきっと楽しんでいただけると思っております。。。(* >ω<)

あ、あとこの作品はミステリだけでなく「青春小説」としての一面もあるので、その点も楽しみながら読んでいただけたらと思います。

8 Comments

30os

いつも楽しみに拝見してます。
あんまりコメントを入れすぎて気持ち悪がられたらどうしよう。。と思いつつ、居ても立っても居られませんでした!すみません笑
まさか『消失グラデーション』が取り上げられるとは!!!3年前ジャケ買いならぬ帯買いして読んで以来、あの衝撃は忘れられません(゚o゚;;
anpo39さんを勝手に読書の師と仰ぐ者としては、自分の好きな本が取り上げられてとても嬉しいです☆
これからもブログ楽しみにしています!

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anpo39 anpo39

30osさん!いえいえ、コメントしていただけて嬉しいですよ!笑
やっぱり『消失グラデーション』面白いですよね!!ほんとこの衝撃は数あるミステリ小説の中でもトップくらすの破壊力だと思います。30osさんも好きな作品のようで良かったです♪
読書の師なんて!大変光栄ですが恥ずかしいです笑。
こちらこそいつも見ていただきありがとうございます〜よろしくお願いします(*´∀`*)

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よしねを極める。

おっ、新しいどんでん返しミステリーが来ましたね!まってました!
私はまだ読んでないので今から本屋にgoです!
本当にいつも参考にさせていただいてます。ありがとうございます!これで週末の楽しみが1つ増えました。

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anpo39 anpo39

おお!早速読んでいただけるんですか!お気に召して頂ければ嬉しいです♪
いえいえ、こちらこそいつもありがとうございます(*´∀`*)

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hitomi

こんにちは。
私も、あまりコメントするのもどうかなあと思ってしまってた一人です(笑)
タイトルだけは知ってましたが、これはまた、面白そうな作品ですね。
青春ミステリなんて、ましてどんでん返しなんて!みたいな(笑)

最近、こちらのblogで紹介されててまだ読んでいなかった本たちを一気に買ったばかりですよぉ(笑)
また、読みたい欲に負けてこの作品も買ってしまいそうです。。(笑)
いや、買いますね、間違いなく(^o^;)

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anpo39 anpo39

hitomiさんこんばんはー!ってなんでですかあ!コメント大歓迎なんですけど!笑
そうそう、面白いんですよ。事件が起きるまではちょっと長めなんですけど、起きてからは一気にスピードが上がって、最後にドーンです。
あらそうなんですか!それは大変嬉しいです。。ありがとうございます(゚ノ∀`゚)
お気に召して頂ければ幸いです!ぜひ『消失グラデーション』も買っちゃってくださいな 笑。

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こーぎー

anpo39さん、こんにちは^^
『消失グラデーション』読ませていただきました。
確かにフェアじゃないって言われるだろうなーって感じました(笑)
まぁでも間違ったことは言ってないし、どう解釈するのかは読者次第ですからね。
やはり読書する際は寛容な心が大事ですよね^-^;
てか、主人公の樋口真由がああいう設定で、シリーズの他の作品に影響出ないんですかね?そこのところ上手いことやってるとは思いますけどちょっと気になりました。
あと、関係ないんですけど「背徳の死角」というワードが出てくるたびに折原一さんの『倒錯の死角』が頭をかすめました^-^;

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anpo39 anpo39

こーぎーさんこんばんは!
ですよねー笑
やっぱりこれは賛否出ちゃいますよね。
私は一応寛大な心で受け入れたつもりです(*´∀`*)
他のシリーズでは上手いことやってますよ、一応!笑
どんでん返しで言えば一作目ほどではないですが、青春ミステリシリーズとしては結構面白い仕上がりになっています。
『倒錯の死角』、脳裏に浮かぶ気持ちとてもよくわかりますよ笑

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