『ミステリー・オーバードーズ』- 嫌悪感?快楽?どちらとも選択出来ない世界が描かれている物語

食べることや何かを身体に取り込む事を主眼としている5作品からなるミステリー。

前作では、「少女を殺す100の方法」という何やら物騒と言いますか、恐怖に打ちひしがれてしまうようなタイトルの小説を書いている白石智之さん。

猟奇的な印象を持ち合わせているようにも思いますが、慣れていない人には中々受け入れられないのではないでしょうか。

特にグロいと思うのは「フナムシ食い王決定戦」なるもの。

まずフナムシを食うのがあり得ない、そしてそのチャンピオンを決めるのもあり得ない、さらにはフナムシを入れたバケツの中に致死量を超える毒が仕込んであったらしい。

それもあり得ない。何の為に?誰が?どうして?と考えるようになってしまいました。

司会者の肉汁すすむというのも名前的にあり得ない・・・。

なんでもあり得ないと考えてしまうくらい奇想天外な設定が物語にちりばめられています。

他、「グルメ探偵」、「ちびまんとジャンボ」などが収録されています。

『ミステリー・オーバードーズ』-【グロいの一言に尽きる】

過去読んできました小説の中でグロイ表現での真骨頂だと私が思うのは、大石 圭さんの『湘南人肉医』がまっさきに浮かびました。

簡単に説明をしますと、肉をたらふく食べたい為に、人を殺すことを厭わない整形外科の話なのですが、その肉は豚肉でも鶏肉でも牛肉でもなければ、人肉なのです。

描写であまりにも人肉を美味しく食べているので、それが人肉である事を忘れてしまう位、本当に人肉が美味しいのではないかという錯覚を産むくらいの展開のオンパレードです。

その作品とうりふたつのように思ってしまうくらいの作品群です。

本作品のタイトルはそこまでではありませんが、物語の表現でおなか一杯になってしまうし、食事の前後で、読む事をオススメしません。

個人的には読者の気持に余裕がある時に読む事をオススメします。

グロイ表現はあながち嫌悪感に満ちていますが、慣れてしまえば何のことはありません。

このようなグロイ表現だからこそ、逆にすがすがしいですし、グロイ作品を読めればどんなジャンルの小説でもイケるような耐性が身に付きますし。

寿司職人が人をバーナーで焼く??

「グルメ探偵が消えた」という作品から一部を紹介したいと思います。

この作品は冒頭にしょうかいしました「フナムシ食い王決定戦」と比較しますとそこまでグロさはないかと思いますが。

文章の一部を紹介します。

「寿司職人が手持ちのガスバーナーでネタを炙るのを見たことがあるだろう。

中略。犯人は手持ちのバーナーで全身をくまなく焼いた」

という表現があります。

私はここになぜか違和感を感じつつも、淡々とその話をする登場人物に寒気を覚えてしまいました。

このような表現でグロイと思ってしまう私はまだまだ序の口なのでしょうかね。

白井ワールド全開のグロミステリーを楽しむならぜひ

感想では触れていませんが、嘔吐系の描写もあります。

つきましては本当に嫌悪感を感じてしまう可能性があります。

タイトルにありますオーバードーズという言葉ですが、「過量服薬」のことでして、処方された薬を指示された量以上に服薬してしまう事を言います。

つまりは、白井智之さんのミステリーの過剰服薬を致死量以上に接種してしまっています。

本作品を読みますと、もうミステリーやグロイ表現は、少しの間は不要と思ってしまうでしょう。

正直申し上げて、ミステリーのオーバードーズ状態である事は否めません。

小説において私はわりかし非日常とミステリーを好む方なのですが、ここでは載せませんがグロイ表現や記述等で、かなりおなか一杯状態です。

白井智之さんはグロ表現がとても素晴らしいとよく耳にします。

つまり淘汰される事無くやっていけるのはそれだけ需要がある訳で、小説を購入する読者を満足させられるだけのストーリーや描写、そしてあっと驚く結末を準備出来るからでしょう。

白井智之さんの作品を読みたくないなら読む必要はないと思いますが、グロイ描写と物語のストーリーをまとめる事が出来、結末を準備出来る以上、多くの読者から支持されるのは数少ない小説家でしょう。

対価を払って一冊の本を読む以上、予想を超える充足感を得る事が出来る数少ない作品であると思います。

他の白井作品を読んでいて、白井ワールドが好きな方はぜひ読んでみてください。

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