現在、日本のミステリー小説には数々の名探偵が存在します。
頭は良いけど個性的でクセがあり、その人物ならではの魅力のある方々ばかり。
そんな数多くいる日本の名探偵の中で《日本三大名探偵》と呼ばれる方達がいます。
それが
「明智小五郎(あけちこごろう)」
「金田一耕助(きんだいちこうすけ)」
「神津恭介(かみづきょうすけ)」
の三人です。
今回は、そんな日本三大名探偵たちの「初登場作品」をご紹介させていただければと思います(´∀`○)ノ
明智小五郎:江戸川乱歩『D坂の殺人事件』
かの名探偵・明智小五郎は江戸川乱歩『D坂の殺人事件』で初登場します。
その時の人物像はというと、
服装には無関心、ヨレた着物を着ていて痩せ型で、髪の毛はもじゃもじゃ、いつもニコニコ笑っており、テンションが上がると頭をぐしゃぐしゃ掻きむしります。
完全に変人ですね。
しかし、私の中の探偵というのはこのイメージが非常に強く、名探偵というものは少し変わった人物である、というのがお決まりになっているんですよね(*´ェ`*)
さて、この『D坂の殺人事件』ですが2016年3月に角川文庫さんより復刊されました。
これには表題作『D坂の殺人事件』を初めとした、江戸川乱歩選りすぐりの作品が収められた傑作集となっております。
その面白さはもちろんのこと、江戸川乱歩入門にもぴったりな作品となっておりますので、まだ乱歩作品を読んだことがない方はぜひ『D坂の殺人事件』からどうぞ(o´▽`o)
私は東京のD坂にある白梅軒という喫茶店で、明智小五郎という探偵小説好きの妙な男と話していた。すると向かいの古本屋の様子がおかしい。なんとその店の妻が首を絞められて死んでいたのだ。
金田一耕助:横溝正史『本陣殺人事件』
名探偵・金田一耕助は、横溝正史さんの『本陣殺人事件』で初登場します。
彼はボサボサ頭で、身長は163cmくらい、体重も52㎏ほどで、服装は着物に袴に帽子に下駄、というお姿。
明智小五郎と同じく、やはり名探偵というのはボサボサ頭がよく似合います。
私の名探偵のイメージが「ボサボサ頭の変人」というのは、完全に明智小五郎と金田一耕助のせいです。
さてこの『本陣殺人事件』は、実に横溝正史さんらしい陰鬱な雰囲気漂う本格古典ミステリ。
この事件に使われているトリックはミステリ界でも有名で、初見では誰もが衝撃を受けたであろう名トリックです。
『本陣殺人事件』は単に金田一耕助の初登場作品というだけでなく、横溝正史さんの傑作の一つでもあるので未読の方は是非一度。
ちなみに、角川文庫さんより発刊された文庫には、長編『本陣殺人事件』の他に短編「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」が収録。
どちらの短編も仕掛けやオチが非常に面白く、とても贅沢な一冊となっております(*´∀`

江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。
神津恭介:高木彬光『刺青殺人事件』
神津恭介(かみづ きょうすけ)の初登場作品は高木彬光さんの『刺青殺人事件』。
身長は170cm近く、キレイな顔立ち。6ヶ国語を話せピアノもとても上手い、というイケメンで優秀すぎる名探偵です。
明智小五郎や金田一耕助と全く似てませんね。
今でこそライトミステリーなどでイケメン名探偵は多く登場しますが、彼こそが元祖イケメン名探偵なのです。
ただ他の二人に比べて知名度が低いのが悲しい。
ミステリを読まない人でも「明智小五郎」と「金田一耕助」の名前くらいは聞いた事があるでしょうが、「神津恭介」の名前は知らない人がほとんどでしょう。
ただ作品自体は本当に面白いのでご安心を。
さて、この『刺青殺人事件』は、密室の風呂場で発見された胴体のない死体の謎に神津恭介が挑む本格ミステリです。
まあ挑むというか一方的なんですけどね。
物語の後半にいきなりサッと登場してズバッと事件を解決しちゃうんです。あらカッコイイ。そのテンポよくトリックが暴かれていく過程が面白くて。
この作品も他と同じく、単なる初登場作品というだけでなくミステリとして名作なのでぜひご覧あれ(✿´ ꒳ ` )

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。艶美な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。それは胴体のない密室殺人だった―。
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
どの作品も名探偵の「初登場作品」にして「名作」と呼ばれるものばかりです。
ミステリー小説がお好きであれば、ぜひ一度読んでみていただければと思います。
それでは、良い読書ライフを!(◍•ᴗ•◍)
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