さて今回は望月諒子(もちづきりょうこ)さんのおすすめ小説をご紹介させていただきます。
「望月諒子さんの作品をまだ読んだことがない方は、まずこれらの作品をおすすめするよ!」という感じです。
重厚なミステリ『腐葉土』を始め、美術ミステリ『大絵画展』などなど、私自身とても楽しめた作品ばかり!
どうぞご参考にしていただければ幸いです〜(*´∀`*)ノ
1.『腐葉土』
私が思う、望月さんの最高傑作。望月さんの作品の中で一番のオススメは?と聞かれたらこの作品を挙げます。
老人ホームに住む資産家老女殺害事件。この老女を殺した犯人は誰か?という話なんですが、関東大震災と東京大空襲という地獄を生き抜いたこの老女の生き様が凄まじすぎて言葉を失います。
ミステリー小説としてももちろん面白いのですが、物語そのものにのめり込んでしまうような作品ですね。
長く重たく濃厚な物語ですので、サクッと気軽にという感じにはいきません。ですがその分、読み応えと読後の満足感は格別です。時間をかけてじっくり読みましょう。そして味わいましょう、この重厚な物語を。
読み終わった後はぐったり(ノω`)
笹本弥生という資産家の老女が、高級老人ホームで殺害されているのが見つかった。いつもお金をせびっている孫の犯行なのか?そこに生き別れたもう一人の孫という男が名乗りでる。詐欺事件や弁護士の謎の事故死が、複雑に絡まりはじめ―。
2.『大絵画展』
バブル時代、ゴッホの「医師ガシェの肖像」が約百八十億円もの金額で競り落とされた。そしてバブル崩壊後、ある二人の男女に「医師ガシェの肖像」を盗み出して欲しいとの依頼が寄せられる。
一つの絵画を軸にした、騙し騙されの絵画ミステリー。
絵画ミステリといえば原田マハさんの『楽園のカンヴァス(新潮文庫)』も最高に面白いですが、それとは全く別タイプの面白さがあります。
ちょっと難解で「むむむ?」っていうところもあったりしますが、一気に読ませてしまうスピード感ある展開はさすが。コンゲームはやっぱり面白いですね。
綺麗に回収されていく伏線に加え、どんでん返しも見事。スッキリする読後感もたまりません(ノ∀`*)
ロンドンのオークションでゴッホ作「医師ガシェの肖像」を日本人が競り落とした。落札価格は約百八十億円。時は流れ、日本のバブルが弾け、借金で追いつめられた男女にある依頼が持ちかけられる。
3.『フェルメールの憂鬱』
名画を巡る、騙し騙され、コンゲーム。
上にご紹介した『大絵画展』の続編的作品です。と、言ってもストーリーの続きってわけではないのでいきなり読んでも楽しめます。
やや複雑な部分もあるため、間を空けず一気に読むことをおすすめします。まあ、わざわざ言わなくてもその面白さから一気読みしてしまうでしょう。
物語もそうですけど、絵画の薀蓄とかもすっごい楽しいですよ。『大絵画展』面白い!と思っていただけたなら次はぜひこの作品を。
フェルメール、ブリューゲル、レンブラント。名画をめぐる騙しあいが始まる。痛快でスリリングなコンゲーム。あの、ゴッホをめぐる話題作『大絵画展』の興奮を再び!!
4.『田崎教授の死を巡る桜子准教授の考察』
重く読み応えのある作品ばかりかと思いきや、こんなに読みやすいライトミステリーも書かれるのかとビックリ。
なのでこの作品を最初に読んで「望月諒子さんってこういう作品を書く人なんだあ」なんて思ってはいけませんよ。望月さんの中でもかなり珍しいタイプの作品ですからね。
大学准教授・桃沢桜子を主人公とした学園ミステリーですが、ミステリーというより単純にストーリーやキャラ、大学事情などの語りが面白いです。
同じ著者と思えないほど作風が異なり、気軽に楽しく読める作品となっています。もちろんライトなだけでなく面白さもバッチリ。
キャラクターが良いのでシリーズ化しそうだなあ、なんて思っていたらやっぱりしてくれました!第二弾『鱈目講師の恋と呪殺。桜子准教授の考察 桜子准教授の考察シリーズ (集英社文庫)』。
マンションも買った。車も買った。足らないものは男だけ。桃沢桜子42歳。立志館大学准教授。出世争いには巻き込まないで的な、食事は売れ残り弁当でOK的な合理主義な女。ある朝、田崎教授が大学の玄関ロビーで死んでいた。
おわりに
他にもデビュー作の『神の手 (集英社文庫)』や抜群のエンターテインメント小説『ソマリアの海賊』といった作品も面白いのですが、望月諒子さんの作品を読んだことがない!という方はこの4作品辺りが良いのではないかなーと思います!
どうぞ参考にしていただければ幸いです〜(●ノ´з`)ノ
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