今回は、三津田信三(みつだしんぞう)さんのホラー小説『のぞきめ』のあらすじや感想などをご紹介させていただきます。
三津田さんといえば名作ミステリ『厭魅の如き憑くもの』で始まる「刀城言耶シリーズ」が有名ですね。
ほんとに面白いミステリシリーズですので未読であればぜひ読んでみてくださいな!
で、今回おすすめさせていただく『のぞきめ』はシリーズものではありませんが、個人的にも好きな作品ですのでお気に召していただければ幸いです(●>ω<)っ

三津田信三『のぞきめ』
今作は大きく分けて、
1.「覗き屋敷の怪」
2.「終い屋敷の凶」
の二つの章から構成されています。
1.「覗き屋敷の怪」

大学生・利倉成留(とくらしげる)は夏休みを利用して、とある山奥にある別荘地〈Kリゾート〉でアルバイトを始めます。
そんなアルバイトに集まったのは成留を含め、阿井里彩子、岩登和世、城戸勇太郎の合計4人。偶然にも全員が大学生だった。
目的のバイト先に着くや否や感じる、なんとも言えぬ不穏な雰囲気。
優しそうな管理人からは、巡礼者もたまに来る「名知らずの滝」という場所があるが、巡礼者の相手はしないように。また、地図にない道は決して入らないように、などと釘を刺されます。
その言い方にも違和感があり気にはなったものの、あまりの忙しさで毎日ぐったり。
しかし、8月が過ぎバイトが急に暇になった4人は、好奇心ゆえに禁じられた廃村へと入り込んでしまう・・・。
という感じのザ・日本のホラーです。
もうこの話だけで十分に面白いし怖いです。
2.「終い屋敷の凶」
あらすじを書きたいところですが、ネタバレになってしまうので申し訳ございませんが書く事は出来ません。
お話としては、「覗き屋敷の怪」で大学生4人が入り込んでしまった廃村の過去についてとその真実です。
一体この廃村で何があったのか?というのを追っていく感じですね。なので別の話のように見えて、実は二つの話はつながりがあるんです。
一章「覗き屋敷の怪」は完全なホラー小説だったのに対し、この二章「終い屋敷の凶」はミステリーが混じってくるので余計にページをめくる手が止まりません。
民俗学者・四十澤が昭和初期に残したノートから、そこは“弔い村”の異名をもち“のぞきめ”という憑き物の伝承が残る、呪われた村だったことが明らかとなる。作家の「僕」が知った2つの怪異譚。その衝撃の関連と真相とは!?
リアルすぎる戦慄ホラーミステリ!

まず初めて読んだ時に思ったのが、「これって実話じゃないよね?」という疑問です。
もちろんフィクション(小説)のつもりで読んでいたんですけど、この作品を書く事になった理由が書いてある「序章」とか読んでしまうと、まるで作り話だとは思えなくなってしまうんですよね。
リアルすぎるんですもん。
だから途中から小説である事を忘れて完全にノンフィクションとして読んでいました。
「これは実際にあった事なんだ!」としか思えなくなってきて、だから余計に怖くなってしまって。
しかもですね、序章に
よって読者であるあなたに、ここで断っておきたい。もし万に一つ本書を読んでいる最終にーー、
普段は感じないような視線を、頻繁に覚えるようになった。
誰かに見られている気がして辺りを見回すが、周りには誰もいない。
ありえない場所から何かに覗かれている、そんな気がして仕方がない。こういう感覚に囚われた場合は、一旦そこで本書を閉じることをお勧めしたい。ほとんどが単なる気のせいだろうが、念のためである。
「のぞきめ」P.39 序章より引用
なんて書いてあるんですよ。
こういうのやめてもらえませんかね!
こういうの書かれると、本当に誰かに見られているような気がしてきちゃうんですよ!
実際、ホントに見られている気がして読書を中断しましたからね・・・。
また「刀城言耶シリーズ」ほどではないですが、ほのかにミステリー要素を取り入れているのがポイント。
このおかげで、怖いけど最後が気になってどんどん読み進めてしまいます(*´Д`)
序章と終章が重要!

先ほど大きく分けて二つと言いましたが、詳しく言うと
・序章
1.「覗き屋敷の怪」
2.「終い屋敷の凶」
・終章
という構成なんです。
序章では、この二つの物語を書くことになった背景が綴られており、
終章では、物語を書き終えた「僕」が、物語の中で浮かび上がってきた謎について考察していく、という感じです。
この序章と終章があることによって、余計にこの作品のリアルさが増すんですよ。
もう完全に実話です。だからこそ面白いんですけどね。
なので、読み飛ばさずにじっくり読んでください。重要なのは二つの物語だけではないのです!
というわけで、今回は三津田信三さんのホラー小説『のぞきめ』を簡単にご紹介させていただきました。
ホラー小説がお好きな方は、是非とも読んでみてくださいね(●´▽`)
ただ、読んでいる最中や読み終わった後に、誰かに見られているような気がしても責任は負えませんのでご了承ください・・。
こんにちは。大変なんです…この作品の中の出来事もまるで自分自身が体験したみたいなんです…涙
野辺送りも闇や火の熱まで感じたような…うわぁぁぁ!
このブログのおかげで初三津田作品だったのですが、めちゃくちゃ面白かった〜!この世界観すごい好きです(怖いけど)
林檎さんこんばんは!
う、うわぁぁぁ!ほ、ほんとですかあ!それは恐ろしいです……。
いや正直、三津田作品はこういう現象が本当に起こってしまうんですよねえ……。
これだから三津田さんは困るんですよ、いや、めちゃ面白いんですけどね
ぜひ他の三津田作品も……何が起きても責任はとれませんが……(*´ω`)