現代英国ミステリの女王。ミネット・ウォルターズのおすすめミステリーはこちら!

ミネット・ウォルターズさんの作品で私が初めて読んだのは『遮断地区』だったのですが、見事な人間描写と物語の巧さに惹かれて一発でハマってしまいました。

で、よくよく調べてみたら「現代英国ミステリの女王」なんて言われているではないですか。もう「ミステリの女王」なんて言われたら、その方の作品を読んでみたくなるに決まっているでしょう。

そんなわけでミネット・ウォルターズさんの作品を片っ端から読んだので、その中で「これは面白いなあ!」と思えた作品をご紹介させていただきますね〜(ノ●´∀)ノ

 

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目次

1.『氷の家』

好きな作品を見つけると、まずその作家さんのデビュー作を読んでみたくなるのは私だけではないはず。

この『氷の家』はウォルターズさんのデビュー作でありながら、非常に高いクオリティを誇った名作です。

出版してたちまち人気になり、ジョン・クリーシー・ダガー賞(新人作家のミステリ小説賞)を受賞した素晴らしい作品。

当主が失踪した館の氷室で、食い荒らされた身元不明の死体が発見されるんです。はたしてこの死体は誰なの……?っていう展開。

この「氷室で発見された、食い荒らされた身元不明の死体」っていうワードだけでワクワクだ止まりません!

純粋にミステリーとして面白いし、二転三転してグイグイ読ませるストーリーもさすがです。

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。冷蔵庫の出現にともない保冷庫としての役目を終えていたそこで、不意に死骸が発見される。胴体は何ものかに食い荒らされた、無惨な死骸。

2.『悪魔の羽根』

とある女性殺害事件について、イギリス人のマッケンジーに疑いを持っていた記者コニー。しかし数年後、コニーはバグダッドで監禁されてしまいました。

でもコニーは三日後に解放されるんです。無傷で。さらに彼女は監禁中に何があったかを一切話そうとせず、田舎に逃げてしまうんです。

監禁中に一体何があったのか?

という謎でまず引き込まれますよね。でもメインとなるのは謎だけでなく「人間の心理」の怖さ。

派手さはないものの序盤からピリピリした緊張感が漂い、複雑な心理描写も相まって読み応えは抜群。心理サスペンスものとして素直に面白いです。

ただズッシリと重い読後感なので、気軽にサクッと!というわけにはいきません。

2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。元少年兵3人が起訴されるが、記者コニーはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。

3.『養鶏場の殺人/火口箱』

『養鶏場の殺人』『火口箱』の二編が収められた中編集。

一組の男女の悲劇を描いた『養鶏場の殺人』は、なんと実際にあった事件を元にして書いた作品だといいます。もうそれだけでドキドキですよ。本当にあった出来事だって思うと余計に怖い。

普通のノンフィクション小説か……って読んでいるとやられます。

『火口箱』の方はミステリとしてシンプルに楽しめる作品。中編ということでコンパクトに収まっており、テンポも良いしわかりやすいし、真相にも驚かされた。

読みやすさでは『養鶏場の殺人』、ミステリとして読むなら『火口箱』といった感じ。

ウォルターズ作品の中でも比較的読みやすいので「ウォルターズ入門」にもぴったりな一冊です。

国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害事件を通して、小さなコミュニティーにおける偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを描く「火口箱」を収録。

4『遮断地区』

私がミネット・ウォルターズさんの作品を読むようになったきっかけの作品です。

一言でいえば「濃厚な社会派サスペンス」。

貧困層が暮らす団地に引っ越してきた老人と息子。しかし彼らは、小児性愛者だと疑われていたんですね。で、少女失踪事件が発覚したことをきっかけに彼らに対するデモが起こり、暴動へ。

少女失踪事件がデモへ繋がり、デモから暴動へと事が大きくなるまでの過程の描写が実に面白いんです。というか、人間描写が怖すぎです。

決して楽しいお話ではないのですが、集団心理の怖さにどんどん引き込まれてしまうんですよねえ。ミステリー小説というか、一つの社会派小説として素晴らしい。

バシンデール団地に越してきた老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へ発展する。

5.『女彫刻家』

母と妹をバラバラに刻んで、それをまた並べ直して人間の形にする。という大変猟奇的な事をした容疑で服役している女性オリーブ。

で、ライターのロズがノンフィクション作品を書くためにオリーブに取材をしていきます。でも面会しているうちに違和感がロズを襲うのです。

「オリーブは本当に犯人なのか?」、と。

序盤からあれよあれよと引き込まれますし、ウォルターズさんらしい人間描写の巧さも光ります。間違いなく彼女の傑作の一つでしょう。

まあそれ以前に、私がサイコキラーものが好きっていうのもあるんですけどね。どこか『羊たちの沈黙』にも似た雰囲気があって非常に好み(゚∀゚*)

おわりに

「現代英国ミステリの女王」と呼ばれるだけあって面白い作品が多かったです。ま、当たり前ですよね。

特に読む順番とかはないので、気になった作品から読んでみてくださいな!

それでは、良い読書ライフを!

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

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