真梨幸子『イヤミス短篇集』で気軽にサクッとドキドキを!感想あらすじ

先日2016/11/15に真梨幸子(まりゆきこ)さんの『イヤミス短篇集』が発売となりました。今回はそのあらすじや感想などを。

真梨幸子さんといえば名作『殺人鬼フジ子の衝動』を始め、『女ともだち』や『深く深く、砂に埋めて』などのイヤーな後味の残る「イヤミス」が有名ですね。

で、今回発売となった『イヤミス短篇集』はやはり真梨幸子さんらしい作品でした!

しかも真梨さんの初めての短編集ですからね。読みたくなってしまうというものです。

そしてこのド直球のタイトル。誰が見ても「イヤミスの短編集だな」ってすぐにわかりますからね。この潔さ好きです。

ではでは、どうぞ参考にしていただければ幸いです(* >ω<)=3

目次

真梨幸子『イヤミス短篇集』

今作はタイトル通り「イヤミス」ばかりが収められた短編集です。

収録作品は

1.「一九九九年の同窓会」
2.「いつまでも、仲良く。」
3.「シークレットロマンス」
4.「初恋」
5.「小田原市ランタン町の惨劇」
6.「ネイルアート」

の6編。

[aside type=”normal”]このうち、
1.「一九九九年の同窓会」
2.「いつまでも、仲良く。」
5.「小田原市ランタン町の惨劇」
は2012年に発売された『プライベートフィクション』に収録されていたものと同じお話です。[/aside]

今回はその中で特に印象に残った3編をサクッとご紹介です(●´∀`)ノ

1.「1999年の同窓会」

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1999年、あの「ノストラダムスの大予言」によって人類が滅亡するなどと世間を騒がせていた時、僕に一本の電話がかかってきた。

最初は誰かわからなかったが、どうやら小学校のクラスメイトにして僕の初恋の相手、レイナちゃんらしい!

彼女曰く、「1999年に人類が滅亡する前に会おう」と約束したというのだ。

そんな事は忘れていたが、一気にテンションが上がってしまった僕はレイナちゃんの言う事を信じてしまう。しかし・・・。


まず、懐かしい!!と思いました。「ノストラダムスの大予言」なんてあったなー!と。

そしてこの話の中に、コカ・コーラ社の清涼飲料水・ファンタシリーズの「ゴールデンアップル」が存在したか、してなかったかの争いが出てくるのですが、これが興味深かった。

調べてみたら当時本当に、「ゴールデンアップルは存在した!確かに飲んだ!」派と「いや、そんなものはなかった!」派の討論が繰り広げられていたんですね。面白い。

「ノストラダムスの大予言」は知っていたけど、ゴールデンアップルの争いは知らなかったなー。飲んでみたい(o´▽`)

3.「初恋」

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大学時代のサークル仲間と久しぶりに集まった居酒屋。そこで見つけた一冊の交流ノート。

何気なく読んでいた三浦琢磨は、そこにあったまさかの書き込みに驚愕してしまう。

遠藤淳・・・なんでお前が・・。

そして16年前に起きたあの事件が、琢磨の口から語られていく。


一冊のノートから過去に遡って語られていくあの事件。好きなパターンです。

収録されている6つのお話の中でもイヤミス度は高めでした。

話の展開も好きですし、何よりドキドキ感も強かったですね。そのラストは・・・(゚Д゚ )

6.ネイルアート

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当時、フリーライターという職業についていた主人公。

ある月、大手電機メーカーから自社が運営する「MaMaガーデン」という育児サイトの管理人をしてほしい、との依頼を受ける。

いわゆるネット掲示板というもので、常に育児についての激しい攻防がユーザー同士で行われている有様だった。いわば常に炎上状態。

始めはやりたくなかったが、多額の報酬に目がくらみ仕事を受ける主人公。しかし、彼女が見たものは・・・。


はい。個人的にはこの物語が一番怖かったですね。ネットって怖いな、と改めて。

普段言えないようなこともネットだと言えちゃったりしますからね。人格変わっちゃたりとか。そもそもどんな人が書いているかわからないし。

ネット掲示板の管理人という立場ならではの怖さ、という普段味わえない状況での恐怖が良かったです(*`∀´*)

完成度の高い短編ばかり!

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さすが真梨幸子さん!という感じで、収録されている6編とも完成度は高かったです。

短い物語の中にもドキドキがみっちり詰まっていて読み応えもありましたね〜。やはりイヤミスは疲れる!笑

とはいえ、思っていたよりイヤーな感じは控えめな印象でしたね。イヤミスはイヤミスなんですけど、結構あっさりしていたというか。

真梨さんの他の作品はもちろん、他の作家さんの数あるエグいイヤミスを読んでい為に、イヤミスに対して耐性がついてしまったと思われます 笑。

でも純粋に短編集として楽しかったから何の問題もありませんけどね(ノ∀`*)

ストーリー★★★
読みやすさ★★★★★
イヤミス度★★★
ドキドキ度★★★★
おすすめ度★★★★

おわりに

というわけで、今回は真梨幸子さんの『イヤミス短篇集』を簡単にですがご紹介させていただきました。

めっちゃ読みやすいし、気軽にいくつものドキドキを楽しめるっていうのはやっぱり良いですね(*´ェ`*)

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 真梨幸子の作品が大好きな母の誕生日が近づいているので、この作品の存在を知れて良かったです!
    プレゼントとして買いたいと思います。

    • じゃくおさあああん!(* >ω<) お母さんへの誕生日プレゼント・・!素晴らしいです、お役に立ててよかったです! お気に召していただけると良いのですが・・なぜか私が緊張しております 笑。

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