城平京『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』読み終わると満腹感を楽しめる、人気異色ミステリー第2弾!

アニメ化やコミカライズもされている、城平先生の人気作品『虚構推理』。

この『岩永琴子の出現』はシリーズ2作目にして短編集となっています。

前作『虚構推理』では長編物語であり、虚構と現実が入れ替わるという変わった攻防戦を楽しむ新感覚ストーリーでしたが、短編ではまた一味違った作品として楽しめるようになっていると大好評です。

この記事では、大人気作品の続編のあらすじや口コミ、おすすめポイントを余すことなくご紹介いたします!

城平 京『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』のあらすじ

2作目では1作目と違い、11歳から怪異たちの知恵の神になるという契約を交わしている主人公である岩永琴子が、妖怪たちの依頼を受け、それに応えて事件を解決する短編集となっています。

収録作品はこちら。

「ヌシの大蛇は聞いていた」
「うなぎ屋の幸運日」
「電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを」
「ギロチン三四郎」
「幻の自販機」

それぞれ簡単にあらすじを紹介いたします。

ヌシの大蛇は聞いていた

依頼主は大蛇。この大蛇が頭が良いところがポイントとなる話。
大蛇は自分の棲む沼に他殺死体を捨てられた。犯人はすでに逮捕されているのだが、この犯人が放ったひとことが、大蛇は気になって仕方がない。
そのため琴子は大蛇を納得させるために次々と推理を披露するのだが、大蛇は果たして納得できるのか。

犯人がわかっているうえで納得してもらうために琴子と大蛇の推理勝負になっています。

どうして琴子が虚構を語るのかもわかる面白い作品で、1作目とはガラリと印象が変わります。

うなぎ屋の幸運日

琴子が探偵役ではなくメッセンジャー役となっている珍しいストーリー展開。
梶尾という人に亡くなった妻の幽霊が伝えたい、それを琴子が伝えるというもの。
琴子は幽霊や妖怪の類の依頼を受け、メッセンジャーとなるのだが、梶尾からのお祓いの依頼は断っているのが印象的なストーリー。
どうして琴子がうなぎ屋にいたのかは、本編を読んでいかにも琴子らしい、くすっと笑っていただきたい作品。

人間ではなく幽霊や妖怪の依頼をしっかりと全うする琴子の在り方を再認識できる異色のストーリーです。

電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを

琴子の元に妖怪たちが依頼にやってきた。妖怪たち曰く、海辺の町で人形が暴れまわっているとのこと。
しかもその人形は厄介なことに、電撃を放って近づくものを攻撃する。これでは妖怪たちも手が出せず困り果てているというのだ。
厄介な事件だが、依頼を受け早速動き出した琴子。しかしこの事件には、とある老人の恨みが絡んでいるようで・・・。

少しバトルマンガのような展開になっています。
マンガでも発売されていますが、かなり動きのある展開で、小説で読んでいていもミステリーにあるまじき動きをする内容となっていますが、それはそれで面白い内容となっています。
しかしミステリーとしては多少ぶっ飛んだ設定かもしれませんが、それはこの作品ならではという感じがします。

ギロチン三四郎

琴子と九郎が立ち向かう怪異はギロチン!あの処刑道具のギロチンだ。しかし、肝心の琴子はずっと睡眠中というイレギュラーな状況になっていた。琴子の代わりに立ち上がったのは九郎!
しかもその内容はギロチンを所有していた老人の謎の行動を、ギロチン自身についている神から相談されるという突飛なものだった。九郎は果たして事件解決に挑むことが出来るのか。

発生した殺人事件より妖怪たちの怪異を優先する琴子がぶれないストーリーです。日本特有の物に神様が宿るというのを表現しているように感じます。
今回は九郎が大活躍していますので九郎ファンにはたまらない作品となっています。

幻の自販機

この作品は1話と少し似ている展開です。
真相に納得しない人物に虚構の推理を真実であると納得させるのかという話。
登場するのは化け狸とうどん!どこか可愛らしいのに、一歩間違えれば完璧なアリバイ工作に使えてしまいそうな危なげすらあるストーリー。

読み終えた後、この自販機に遭遇してみたくなる、現実の中で出会いたくなる話となっています。

城平 京『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』口コミ【読者の感想】

それではこの本を実際に読んだ方の口コミや感想をご紹介いたします。

読者A

短編集なので、スッと読めるのも良いのですが、すべての話で琴子と九朗の関係がブレていないところも面白かったです。
お互いに、どこか相手のことを理解しきれていないところがあって、それなのになぜかうまくいっているところが、不思議でありほほえましくもありました。
「幻の自販機」で九朗が真っ先に琴子の好きなところを、自分を曲げない姿勢といったときには、思わず笑ってしまいました。
真実は、決して真実にはあらずという言葉が、この作品の1話「ヌシの大蛇は聞いていた」でわかります。
いくら琴子が真相も話しても納得しない大蛇。ですが、琴子の虚構には納得をしました。
結局、納得できなければ、真実といえども虚構になるのだということに、とても感慨深いものを感じました。

読者B

読者C

短編のなかでも、ちょっと笑ってしまったのが、「うなぎ屋の幸運日」です。
黙っていれば、おしとやかでまさに深窓の令嬢という風情の琴子が、うなぎ屋にいた理由が、なんとも琴子らしくて思わず笑ってしまいました。
ですが、彼女がさりげなく言った夫婦和合という言葉は、もしかすると梶尾に向けてのものなのかと考えてしまいました。
派手さはないですが、この作品の良いところを、ギュッと凝縮したような作品です。

琴子と九郎の恋愛模様とお腹いっぱいの短編が面白い!

前作よりも短編ならではのスピーディーさを存分に楽しめる作品となっています。

『虚構なのに推理合戦をする』という異色の内容がハラハラドキドキする展開を生み出し、何度も「そうくるか!」「今度はこのアイディアでくるか!」と思わず唸ることでしょう。

また、琴子のぶれないキャラクターやそれに振り回される九郎の掛け合いがかなり面白くなっており、二人の普段の様子や恋愛模様も進んでいくのが楽しくなっています。

ただのミステリだけではなく、その背景や普段のどこか人間離れしているのに普通の恋愛小説のような部分もあり、どの方向から読んでも楽しめる作品と言えますね。

こちらの短編は一部コミックとしても発売されており、特に短編で起承転結もはっきりしており、動きもあるので絵で見るのも大変面白い作品です。

1作目でハマった方もこれからこの作品を読む方も楽しめますので、是非この不思議なミステリーワールドに迷い込んでみてください。

2 COMMENTS

ShoTime

虚構推理の2作目、良い意味で「らしい」短編集になっていました。
1作目もそうでしたが、真実を知っていながらも、相手を虚構を使って納得させるところが面白いですね。
この虚構がアンチミステリとして推理小説の可能性を広げてもいるような気もします。
事実ではなく虚構なので、推理の自由度が増しているのかなと感じますね。
人間ではなく妖怪たちを優先するスタンスもgood。
あと妖怪たちの無邪気さも可愛らしくて良い感じです。

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anpo39

ShoTimeさんこんばんは〜(*’▽’*)
読まれましたか!
おっしゃる通り、この虚構がアンチミステリとして推理小説の可能性を広げていると思います!
妖怪たち、可愛らしくて良いですよね〜
心がほんわかします(*゚∀゚*)

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