城平京先生といえば『虚構推理』シリーズ、と言っても過言ではない代表作、その第一弾が『虚構推理』(改題前は『虚構推理 鋼人七瀬』)です。
この作品で城平先生は第12回本格ミステリ大賞受賞も受賞しました。
現在は2015年からこの作品は講談社コミックス月刊マガジンで連載されており、ブレインズ・ベース制作によるアニメ化もされています。
ちなみに余談ですがアニメ化されたときの主人公は、かの鬼滅の刃で有名な竈門禰豆子(かまどねずこ)役の鬼頭明里さんが声優を務めていました。
それではそんな人気シリーズの第一作のあらすじや口コミをご紹介いたします。
城平 京『虚構推理』のあらすじ
真倉坂市という地方都市で、巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説がある。
その伝説の名は、『鋼人七瀬』。悲運のアイドルの亡霊と呼ばれていた。
都市伝説と同じように自分自身も怪異的な存在である主人公の岩永琴子。
11歳のときに怪異たちの知恵の神になるという契約を交わしており、それ以来、社会の秩序を守るため怪異に関するトラブルの解決に尽力している変わった経歴の女性で、岩永家という金持ちの家のお嬢様だ。
そんな琴子とタッグを組むのが、人魚とくだんと言われる妖怪の肉を食べたことにより、不死身の身体と「未来を自分の望むものに決定できる能力」を手に入れた大学院生の桜川九郎。
この二人が都市伝説という名の怪異に立ち向かう。
自身も怪異的な存在である琴子と九郎は、この謎に立ち向かえるのか!?
あらすじだけだとSFファンタジーのように見えるこの作品ですが、ミステリ大賞を受賞している本格的なミステリー。本当に傑作です。
終始ゾクゾクが止まらない、最上級のストーリーを是非お楽しみください。
城平 京『虚構推理』口コミ【読者の感想】
それでは実際にこの本を読んだ方の口コミや感想をご紹介いたします。
『人の想像力は創造力と繋がっている。そんなことを思わせくれるところが面白かったです。
琴子の虚構の推理は無茶苦茶なものがありますが、そこにはものすごく説得力も感じて、
いかに人が真実よりも虚構の話に弱いのかがわかりました。
現実世界のダークな部分ともリンクするような気がして、なんだか空想とは思えませんでした』
『城平 京『虚構推理』を読んで見て驚いたのがただのミステリー要素だけでなく
バトル要素も組み合わせた小説である点です。斬新な設定であり主人公が妖怪によって不思議な力を使えるという点もあり、推理の幅が広がっていて面白い作品でした』
『琴子が虚構の推理で謎を解明するところがこの作品の魅力ですが、琴子と九郎の恋愛もこの作品の見所です。
一見すると、琴子のやり方は強引で、九郎は彼女に振り回されているように見えるのですが、
琴子の想いは純粋で、その気持ちは九郎にも伝わったのだと思います。
だから、なんだかんだいっても九郎は琴子の側から離れないのだとわかり、そういったシーンに心がほっこりするのが良かったです』
『ミステリーなのに、妖怪などの会議のシーンがあったり、超常現象が起こる事が変わっていて面白いと思いました。
ロジックが説得力があって、なおかつ面白いので、どんどんストーリーに引き込まれる感じで読み応えがあります』
普通ならあり得ない展開のはずなのに、琴子と九郎という主人公たちが起こすとそれがすとんと落ちてしまう不思議な展開に感動する声が多発していました。
また、琴子と九郎が良いタッグを組んでいることと、ライトノベルのような雰囲気も持ち合わせていることから、ミステリ初心者でも楽しめる言う意見もありました(*’▽’*)
今までにない不思議さと物語として完璧なミステリ作品
あらすじを見てわかる通り、本当に日常生活とは離れた設定ばかりなのにも関わらず、ミステリ作品としてストンと落ちてしまうのでは城平先生の才能としか言いようがありません。
事件も怪奇現象のような内容なのに、解決する探偵と助手の立場である人間も複雑な事情を抱えているのがストーリーの中に深みを持たせています。
私としては、全然違う作品なのに、トトロや不思議の国のアリスのように感じました。
夢か本当かわからないような、現実の中にファンタジーが紛れているような、そんな作品にも感じる不思議な世界観なのです。
そんな世界に私は読み終わるころにはすっかりとりこになってしまいました。
さらに、このストーリーの肝でもあるのですが、ただの推理小説ではなく、タイトルの通り『虚構』なところが一味も二味も違うスパイスとしてうまく成り立っています。
虚構というのはつまりまがい物だったり嘘という意味ですよね。つまり、琴子たちに求められた推理は、『みんなが必ず納得出来る嘘推理が構築出来るか』という内容なのです。
都市伝説、あやかし、言葉を使ったロジックなどが好きで、ゾクゾクワクワクする冒険ミステリのような作品が読みたい人には是非おすすめする本となってます。
またこちらはコミカライズもされていますが、原作とコミックのストーリーの差はほとんどありません。
そのため、小説を読めない人でもストーリーやアニメで知っている人も多く大変人気になっていますので、是非この不思議なミステリに浸って染まってみてはいかがでしょうか。
コメント
コメント一覧 (2件)
こちらでおすすめされていた城平京さんの「名探偵に薔薇を」を読んで面白かったので、こちらも気になっていました。
アニメ化もされていたのでライトすぎないかなと少し心配になりつつも購入。
読んでみると序盤はキャラクターも振り回されながらも、終盤はミステリーとしてしっかり楽しめました。
やはりロジックや推理に力が入っているものは良いなと再認識できましたね。
琴子が次々と推理(虚構?)を披露する場面は 面白くて引き込まれました。
そして、人は真実でなくても面白いもの、納得できるものに流されていくというのはこの社会にも同じことが言えるのかなと感じました。
続編も機会があれば読んでみようと思います。
ShoTimeさんこんにちは〜(*’▽’*)
参考にしていただけたようで大変嬉しいです!
確かにライトなんですけど、終盤のミステリー感はすごく良いですよね。
私もロジックや推理に力が入っている作品は大好きなので、ShoTimeさんの気持ちがよくわかります!
ぜひぜひ続編も読んでいただけたらと思います!