久坂部羊さんのおすすめ小説5作品を読んで医療小説にハマっちゃおう!

というわけで「面白い医療小説」といえばこの方、久坂部羊(くさかべよう)さんのおすすめ小説をご紹介です。

久坂部羊さんの小説の何が面白いって、医療の世界の「リアル」さなんですよね。

なんでこんなに臨場感あふれる書き方ができるの?医師なの?っていうくらいリアルな世界観なんですが、なんと本当に久坂部さんご自身が医師なのですよ。まあビックリ。

だからこそストーリーにも説得力もあり、細かな部分まで丁寧に描かれているのでグンと作品の出来事がリアルに感じられるんです。

しかもそれだけでなく「読みやすい」っていうのが嬉しいところ。

医療をテーマとした小説ってなんか難しそうだな、と思っていた私がスラスラ読めちゃったんですから。

「医療小説って難しそうだなあ」という方は、ぜひこの機会に挑戦してみていただけたらと思います(○´w`)ノ

 

目次

1.『廃用身』

テーマは「介護」。

「廃用身」とは麻痺で動かなくなってしまい回復見込みもない手足のこと。その手足を切り取ることによって介護を楽にする「Aケア」をという医療を軸にした物語です。

何がすごいって、その現実感ですよ。

知らないで読んだらノンフィクションだと思ってしまうでしょう。というか違うと分かっていても、読んでいるうちに「これってやっぱり現実のこと?」とわからなくなってしまいます。

それくらい設定に違和感がなく、ストーリーに現実味があるのです。読み出したら最後、グッと物語に引き込まれてしまいます。

もちろん今のところは「Aケア」のようなシステムはないけれど、近い未来ほんとに実現するんではないかという恐怖が……。

廃用身とは、脳梗塞などの麻痺で動かず回復しない手足をいう。神戸で老人医療にあたる医師漆原は、心身の不自由な患者の画期的療法を思いつく。それは廃用身の切断だった。

2.『無痛』

これは良い医療サスペンス。

一家殺害事件の現場には犯人の遺留品が多く残されていた。その状況から察するに、犯人には人格障害の疑いが。

しかし刑事・早瀬は、刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」に疑問をもつ。

そして、外見だけでその症状だけでなくその人物が犯罪をするかしないかまで分かってしまう医師・為頼はひょんなキッカケで事件に巻き込まれていく。

いやあ、徹夜で一気読みしてしまいました。グロいシーンが多いんですけど、それでも物語に入り込んでしまって。

ドラマ版もとても面白かったのでぜひ見てみてください(●>ω<)っ

そうそう。幻冬舎文庫さんの「心を運ぶ名作100。」という夏フェアにも選ばれていましたね。この機会にぜひ。

神戸の住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの靴跡他、遺留品は多かったが、警察は犯人像を絞れない。

3.『悪医』

末期ガンに侵されながらもなんとか生きようとする患者と、その患者に「治療の余地がない」と告げた医師の葛藤を描いた物語。

テーマもストーリーも重いです。そして考えさせられます。もし自分が医師に「治療の余地がない」なんて言われたら。まさに死刑宣告です。

しかしそれを告げる医師の想いもよくわかってしまうのです。

良い医者とは、悪い医者とは何なのでしょうか。

治療法がない―患者に死ねというのか!?再発したがん患者と、万策尽きた医師。「悪い医者」とは?と問いかけ運命のラストが待つ。悪の深さを描く著者の傑作。

4.『神の手』

メインとなるのは「安楽死」問題。

末期ガンによって激痛に苦しむ青年に対し、せめてもの救いとして「安楽死」を選んだ外科医・白川。

しかし、青年の母親はそれを殺人と見なし告発する。

事態は大きくなり、マスコミや警察、さらに政治まで絡んできて大変なことに。

もちろん白川は好きで「安楽死」を選んだわけではありません。それが激痛に苦しむ青年を救う唯一の方法と考えたのです。なのに、なぜ。

読み応えは凄まじいです。そして非常に考えさせられ、ミステリ小説として実に読まされる作品です。

21歳の末期がん患者・古林章太郎の激痛を取り除くため外科医の白川は最後の手段として安楽死を選んだ。だが章太郎の母・康代はそれを告発した。

5.『嗤う名医』

医療の世界を舞台とした6編からなる短編集。

ミステリーというより、ちょっとブラックな短編集としてとても面白いです。

久坂部さん自身が医師ということもあり、どの話ももしかしたら本当にあるんじゃないか、と思わせる絶妙なリアルさが楽しめます。

久坂部さんの作品は基本読みやすいものばかりですが、その中でも特に読みやすいですね。今回ご紹介した他の作品と比べて「重くない」ですし。お気軽にどうぞ(●ノ゚∀゚)ノ

脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。

おわりに

というわけで、久坂部羊さんのおすすめ小説をご紹介させていただきました。

医療小説は読みにくそう、と敬遠している方にもぜひこの機会に読んでいただけたらと思います。本当に読みやすいですので。

それでいて濃厚&面白いんですからねえ。ふっふっふ。

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

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