国内ミステリー小説

読む順番は?倉知淳さんの「猫丸先輩シリーズ」で上質なほのぼのミステリを堪能しよう

今回は倉知 淳(くらち じゅん)さんの「猫丸先輩シリーズ」をご紹介させていただきます。

倉知 淳さんといえば『星降り山荘の殺人』という作品が有名で、知っている方も多いのではないでしょうか。

雪の山荘を舞台とした本格ミステリで「やられた!」感を思いっきり味わえる名作ですので、未読な方はぜひ読んでみてくださいな(●´ω`)ノ

 

 

で、今回ご紹介させて頂く「猫丸先輩シリーズ」はその名の通り猫丸先輩を探偵役としたミステリーシリーズです。

下の名前はわからず、小柄で童顔。しかも年齢不詳という謎に満ちた猫丸先輩ですが、読んでいると愛着が湧いてしまう非常に愛らしいキャラなんですよ。

特に「絶対にこの順番に読んで!」とかはないのですが、もしまだ未読であれば第一弾から読むことをオススメしますよ〜。

どうぞ参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

1.『日曜の夜は出たくない』

倉知淳さんのデビュー作であり、猫丸先輩シリーズ1作目となる短編集。

様々なタイプのトリックが楽しめ、ユーモアあり捻りありと申し分ない作品で純粋に完成度の高いミステリ短編集という感じです。

構成もお見事で、最後でしっかり驚きをあたえてくれます。ぜひ仕掛けにびっくりしてください。

短編だからといって読み飛ばさずに、しっかり順番に読んでいきましょう(ノ∀`●)

今日も今日とて披露宴帰りに謎解きを始めた猫丸先輩。新聞記事につられて現地へ赴くこともあれば、あちらの海では船頭修業。絶妙のアドリブで舞台の急場を凌ぎ、こちらでは在野の研究家然とする。

2.『過ぎ行く風はみどり色』

猫丸先輩シリーズ第2弾にて初長編。

衝撃度だけみれば『星降り山荘の殺人』にはやや劣るもののミステリー小説としての完成度は非常に高く、この『過ぎ行く風はみどり色』の方が面白いという方も多いです。

ゾクゾクするようなおどろおどろしい雰囲気でありながら、猫丸先輩のキャラクターのおかげで楽しく読めますね。伏線も仕掛けもバッチリ。

国内ミステリ小説を読む上でもぜひ読んでおきたい作品です。

亡き妻に謝罪したい―引退した不動産業者・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのは霊媒だった。インチキを暴こうとする超常現象の研究者までが方城家を訪れ騒然とする中、密室状況下で兵馬が撲殺される。

3.『幻獣遁走曲 ‐猫丸先輩のアルバイト探偵ノート‐』

猫丸先輩のアルバイト先で遭遇した事件の数々を描いた短編集。

猫丸先輩って大学を出た後も定職に就かないで、いろんなアルバイトしながらのらりくらりと生きているんですが、そんな自由な猫丸先輩も良いなーと思えちゃうんですよねえ。

人の死なない日常の謎ミステリーで、どの話も心がほっこりする読後感なのが良いです。

ミステリとしてそして猫丸先輩の物語として純粋に楽しく、ますます猫丸先輩が好きになることでしょう。

ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。

4.『夜届く 猫丸先輩の推測』

6編からなる短編集。

タイトルに「推測」とあるように推理して真実が明らかになるのではなく、あくまで猫丸先輩の「推測」という形で終わる珍しいミステリ。

この推理ではなく「推測」という形で終わらせる構成が想像以上に面白いのです。

あくまで推測に過ぎないのに、猫丸先輩が言えばそれは真実に思えてしまうから凄い。

『家火災、至急連絡されたし。』夜な夜な届く不審な電報、花見の場所取りをする新入社員を次々襲う誘惑と試練、行方知れずの迷い猫…。

5.『猫丸先輩の空論』

密室のテント内で割れたスイカ、事故現場に集まるタクシー、ベランダに置かれるペットボトル。

どれも大きな事件ではないのに、なぜかとっても気になってしまう謎を収めた短編集です。

今作もタイトルに「空論」とあるように、「真実はわからないけど、こういう風に考えられるよね」というスタイル。

四作目『猫丸先輩の推測』と同じような感じですが、このタイプだからこそ面白さが味わえます(●ゝェ・)ノ

不可解な「本格」的状況を神出鬼没の童顔探偵・猫丸先輩がすらりと解決。その推理はますます冴えわたる!?

6.『月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)』

待ちに待った、なんと15年ぶりの新作です。

「ねこちゃんパズル」、「恐怖の一枚」、「ついてるきみへ」、「海の勇者」、そして表題作の「月下美人を待つ庭で」の計5篇が収録されています。

少し不思議で、しかしこんなことが身近に起きているかもしれないと思わせてくれる、ミステリでありながらほっこりさせてくれる物語ばかりの短編集。

サブタイトルが「猫丸先輩の妄言」である通り、本作では猫丸先輩が「俺ならこうする」「俺はこう思う」といった風に推理を進めていきます。

切れ味のいい猫丸先輩の推理はもちろんですが、他人に遠慮しないずけずけとした弁舌もさらに磨きがかかっています。

1作品読み終わるころには、すっかり猫丸先輩の虜になっていることでしょう。

そして、どうにも理屈の通らない謎も、彼の饒舌にかかれば、ああだこうだと話すうちにあっという間に解き明かされていくから不思議だ。さて、名探偵猫丸先輩の推理は如何に。十五年ぶりのシリーズ最新作!

おわりに

というわけで今回は倉知 淳さんの「猫丸先輩シリーズ」をご紹介させていただきました。

日常の謎系が多いので、気軽にミステリを楽しいみたい!という時にぴったりでございます。

トリックにおいても申し分ないですからね。ミステリ小説がお好きであれぜひ読んでいただけたらと思います。

それでは最後までありがとうございました。良い読書ライフを!(つ*´∀`)つ

ABOUT ME
anpo39
年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)
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