【2021年版/海外編】このミステリーがすごい!ベスト10紹介【このミス】

さて、2021年版このミステリーがすごい!ベスト10の海外編です。

今回はどんな作品がランクインしたのでしょうか!

早速見ていきましょう!

 

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目次

1位.アンソニー・ホロヴィッツ『その裁きは死』

納得の一位!

一人の弁護士が殺害された。

現場には「182」という謎の数字が記されており、さらに被害者は殺害される前に奇妙な言葉を残していた。

そんな不可解な事件を題材にした、ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズの2作目です。

事件そのものもとても魅力的で、序盤からグッと物語に入り込まさせる展開が続き、特に最後の数十ページは時間を忘れて夢中になってしまいます。

文章構造も特徴的で、登場人物の目線で読者は事件のことを知っていくわけですが、その掴んだ情報などを基にしっかり推理していくと、いずれ犯人へと導かれるというような構造になっています。

つまり、読者に対してこれでもかと「フェア」であるということ。

なのに犯人を当てられない……!

だが、それがいい!

そうそう、こういう王道の本格ミステリが読みたかったんだよ!

しかもこのシリーズは全部で10冊を予定しているようなので、2冊目である本書はシリーズ内ではまだまだ序盤。

こんな面白いシリーズがあと8作品も楽しめるなんて!ああ!生きる希望だ!ありがとう!

2位.ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』

湿地で起きた殺人事件の疑いをかけられた、「湿地の少女」。

6歳の時に家族から見捨てられた少女は、字の読み書きを教えてくれたとある少年に恋心を抱く。

しかしその恋の相手のである少年は、大学進学のため少女のもとから離れていった。

そんな少女ととある事件が織り成す物語です。

馴染みのない時代背景なので一瞬読みにくいかと思いましたが、そういった知識のない私でも満足のいく素晴らしい物語でした。

題材としているテーマには、貧困や孤独、差別といったとてもポジティブな解釈はできないものが多く使われていますが、しっかりと読者を世界に引きこむ内容で一気読みさせられてしいます。

一人の青年の不可解な死のハウダニットミステリであり、緊張感溢れる法廷ミステリであり、孤独な少女の成長記録でもある。そしてラストは……言葉にならない。

3位.イーアン・ペアーズ『指差す標識の事例』

とある事件について複数人の視点で語られている、という一風変わった演出が評判なこの一冊。

「語り手によってここまで変わるか」と思わせるほどのものです。

しかし「歴史的な知識が豊富に使われているので、難しい印象があった」というのも事実。

また、その内容の複雑さから、物語の中の様々な細かい出来事を忘れないよう、一気に読み進めた方が良いでしょう。なんて言われなくても一気読みしてしまう面白さなので問題ないと思いますが。

1つの事件に対して4人の手記が語っている特徴については、「同じことについて語っているはずなのに、筆者が違うと文章の印象が大きく変わって見える」というのがこの作品のポイント。

ミステリ小説としてもそうですが、医学的な発展についての面白さを感じることもできる濃厚な作品でした。

上巻下巻に分かれている作品であるため中々の長編となりますが、読破して全ての内容を理解した時には、素晴らしい達成感と満足感に浸れることでしょう。

4位.周 浩暉 『死亡通知書 暗黒者』

殺人鬼が、法で裁くことのできない犯罪者を殺害する、という形で罰していく内容の中国ミステリ。

綿密な作りこまれた殺人トリックも魅力的で、今後の展開を想像したくなるシリーズものです。

物語が進めば進むほど登場人物すべてが怪しく見えてしまうような演出もあり、「正義」の意味を考えさせられるような内容となっています

世間の読者の方々の中には、「自分の考えの上を行く展開に驚いた、登場人物の攻防にはハラハラした」と、ミステリーとしては最高の誉め言葉もありました。

登場人物が繰り広げる攻防を楽しんでいる最中にも様々な謎が重なり、ページをめくる手が止まらなくなることでしょう。

自分に合わないと判断したら読むのを辞めてしまうという読者も、長作であるこの一冊は気に読み終えてしまったとの声も多いです。

5位.ギヨーム・ミュッソ『パリのアパルトマン』

次々と謎が出てきて壮大な物語を繰り広げる、フランスミステリ。

人嫌いという特徴を持つ劇作家と自殺未遂後である元刑事が、亡くなった画家の幻の絵を探すことになった。

しかし絵を探すということは序章に過ぎず、その後に様々な展開が繰り広げられる、この一冊。

劇作家と元刑事の2人の人間模様など、事件とは少々違った部分でも変化を持たせており、最後まで楽しめるものとなっています。

とある事件の捜査について2人は徐々に協力をしあうようになっていき、時には個性がぶつかり合うことも。

そして段々と事件の深い真相が明らかになると、それにつれ恐怖もこみ上げてくるのです。

真相が明かされれば本来心が休まるはずであるが、真相と反比例するように恐怖が押し寄せてくるでしょう。

6位.エリオット・チェイズ『天使は黒い翼をもつ』

主人公として登場する男。

その男はホテルで知り合ったとある女を、思案していた計画の中に引き入れることにした。

そしてその女と共に旅に出るという物語。

運命の女に出会った一人の男の、計画や準備、強盗、逃亡を描いている犯罪小説となります。

まさに破滅と愛憎を描いた物語。

中には「少し予想通りの展開だった」という読者もいれば、「筋書通りにはいかなかった」という読者もいるようです。

本当に同じ一冊への評価かと思うほど対称的な評判ですが、それだけ読み手によって印象が変わる物語なのです。

しかし読者の中にはこのようなノワール系は中々読まないといった読者もおり、そのような読者は、解説を読むまではどのように楽しむかわからなかったとのこと。

とはいえこの方は、この一冊の結末について、印象深いと評価しているので、決して悪い印象を持っているわけでは無いのでしょう。

そういったことを踏まえれば、ノワール初心者の方々でも読んで損はない作品です。

ちなみに、私はノワール小説を読むのは久しぶりでしたが、十分楽しめました!

7位.ヨルン・リーエル・ホルスト『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』

派手さは感じないという意見も多いこの一冊ですが、ひたむきに事件を追いかける刑事が特徴でもあります。

その主人公である刑事・ヴィスティングとその娘のリーネが、24年前の失踪事件と誘拐事件を追跡するという物語です。

鼻につく部分も感じられる、刑事のスティレル。

そのスティレルとは敵対してしまいそうな関係についても、緊張感をしっかりと感じられるような描かれ方がされています。

そういった人間関係を描くことへの評判も高く、それが理由の一つとなり同じ作家の作品を読みたくなったという読者も多いでしょう。

物語の中で妻を失った夫を被害者の家族として接するも、どこか疑いの目を持つといった複雑なものも描かれており、どこか刑事コロンボを彷彿とさせますね。

次作が出たらまた読んでみたいと思ったので、今後の活躍にも期待したいです。

8位.アルネ・ダール『時計仕掛けの歪んだ罠』

犯罪サスペンスとして、スウェーデンで売り上げ1位を獲得した作品。

3つの少女失踪事件が17か月の間の起きるという内容のもので、3つの事件の対象となった少女は3人とも15歳だった。

警察犯罪捜査課のべリエルは、この3つの事件について同一人物の犯行であると主張した。

しかしその意見は上司に跳ね返された。

というのも、べリエルがしていた主張には、べリエルしか知らない根拠があったからだ。

果たしてその根拠とはどんなものなんか、その先に見えた事実とは。

読者の中には、「いかにもモヤモヤ感を残して本編が終わった」という声もあるため、続編にも期待できる作品となっています。

型破りな設定は魅力的で、「ミステリーとして切れ味も鋭く、非常に読み応えのある作品」だと私は思いました。

内容として決着がついていない部分が多いという声もあるため、次作が待ち遠しいです。

9位.ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』

舞台は冷戦下のアメリカ。

タイピストとしてCIAに雇われているイリーナだが、実はスパイとしての才能が期待されており、その期待が鼻を咲かせ、特殊作戦の一員として抜擢される。

そしてその作戦というのは、反体制的であるとされ共産圏で禁書とされている小説をソ連国民の手に渡し、言論統制などの追害が行われているソ連の現状を知らせるということだった。

ある一冊の小説で世界を変える、という斬新なストーリーが繰り広げられます。

そして英語版には同じようなテーマを扱った著書が先行されていますが、そちらはノンフィクションだといいます。

こちらの作品はフィクションであるため、まるで映画のようなイキイキとした動きが魅力的。

読み応え抜群で「ここ最近読んだ中で一番面白かった」という褒め言葉も多くあります。

9位.アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム『三分間の空隙』

舞台はコロンビア。

お金目当てで子供でさえ殺し屋になりたがってしまうようなすさんだ社会に、麻薬取締局に雇われているとある男が潜入した。

アメリカに麻薬犯罪の情報を提供するということが任務であった。

しかしとある事件により事態は急展開を迎えていく。

拷問やゲリラなどといったものも作中に取り入れられており、「実際のゲリラもこのようなものなのだろうか」と残酷な内容に心を打たれました。

そしてこの作品は上下巻の2冊の構成となっていて、下巻での主人公がどのようにして生き延びるのか、という続きを気にさせる展開も良かったです。

単純に「面白かった」の一言。

この作品を生んだのはスウェーデンの作家のアンデシュ・ルースルンド氏。

ジャーナリストとしての活動を経験していて、ベリエ・ヘルストレムの共作である『制裁』で推理作家デビューを果たしています。

この『制裁』という小説もめちゃくちゃ面白いので、ぜひチェックしてみてください!

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参考にしていただけたら嬉しいです。それでは良い読書ライフを(* >ω<)=3

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (4件)

  • 特に1番気になっていて次にまず買いに行こうと思っているのが『あの本は…』です 前評判も半端じゃないですよね

    って事はどうでもいいんです おかえりなさいanpoさん 必ず再開される日が来ると思いずっとブックマークしておりました(▰╹◡╹▰)

    ぼくも相変わらずミステリー漬けの日々です またこのブログで楽しませてもらいたいと思います(*Ü*)

    • こはるさん!コメントありがとうございます!
      そう言っていただけて本当に本当に嬉しいです( ;∀;)
      これからまたよろしくお願いいたします!

  • 初めまして。今年このサイトを知り、出会えた本がたくさんあったので復活とても嬉しいです!これからも楽しみにしています。

    • ぬんさんはじめまして!
      嬉しいコメントありがとうございます!
      そう言っていただけて良かったです。
      これからよろしくお願いいたします〜(*’▽’*)

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