幻冬舎文庫「心を運ぶ名作100。」から特におすすめしたい12作品を選んでみた

幻冬舎文庫さんより「心を運ぶ名作100。」という夏の文庫フェアが開催中です。

新刊の話題作から、この夏に読んでほしい名作まで、100作品以上をラインナップされたそうです!

こういうの、テンション上がりますね(*´∀`*)

 

・幻冬舎文庫「心を運ぶ名作100」公式ホームページ

http://www.gentosha.co.jp/gentoshabunko/

 

どれも面白いものばかりですが、今回はそんな「心を運ぶ名作100」から特におすすめ!っていう作品を選びました。

ミステリ、青春小説が多めです。参考にしていただければ幸いです。

 

目次

1.『階段途中のビッグ・ノイズ』

青春バンド小説の決定版です。

廃部に追い込まれた軽音楽部を復活させるため、文化祭でドカンとやろうぜ!っていうベタベタに王道なストーリー。

青春、友情、爽快、熱血、全部入り。結局こういう王道が良いのですよ。

夏にピッタリだし、アツイし、今回の「心を運ぶ名作100。」でも一番企画にピッタリな作品だと思ってます。

若いっていいね(ノω`*)

軽音楽部の廃部を取り消せ!優柔不断が玉にキズの神山啓人は、猪突猛進型幽霊部員の九十九伸太郎に引きずられて行動を開始する。目指すは文化祭での一発ドカン!!のはずが…。

2.『背の眼』

道尾秀介さんによるホラーサスペンス。真備シリーズの一作目です。

京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」のような世界観。それでいてかなり読みやすく、個人的にとても好きなタイプの作品。

ホラーと言ってもちょうど良い感じの怖さでサクサク読めるし、続きが気になるストーリー展開の連続で楽しく読めます。下巻は特に一気読み。

シリーズ第2弾の『骸の爪 (幻冬舎文庫)』も「心を運ぶ名作100。」に選ばれていますね。これは続けて読まなければ。

児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。

3.『彼女がその名を知らない鳥たち』

ユリゴコロ (双葉文庫)』でおなじみの沼田まほかるさんによるイヤミス。

登場人物がみんなイヤな人ばかりで、嫌悪感が溢れる表現のオンパレード。読んでいて決して気持ちのよい作品ではありません(褒めてます)。

読んでいる間は常に不快感に包まれるでしょう。なのに!ストーリーが面白すぎてグイグイ読まされてしまう!

結末も衝撃的ですし、とにかく印象に残る作品。重い。とにかく重い。

昔の男を忘れられない十和子と人生をあきらめた中年男・陣治。淋しさから二人は一緒に暮らし始めるが、ある出来事をきっかけに、十和子は陣治が昔の男を殺したのではないかと疑い始める。

4.『みんな邪魔』

真梨幸子さんらしいイヤミス。ただただイヤ。

少女漫画『青い瞳のジャンヌ』を愛するファンクラブ〈青い六人会〉を中心とした、”痛すぎる”女性ばかりが集まった物語です。

真梨さんファンにはたまらない、だけどそうじゃない人には不快極まりない一作。

ドロドロ。気持ち悪い。でも、騙された。

少女漫画『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する“青い六人会”。噂話と妄想を楽しむ中年女性たちだったが、あるメンバーの失踪を機に正体を露にし始める。飛び交う嘘、姑息な罠、そして起こった惨殺事件―。

5.『往復書簡』

告白 (双葉文庫)』などで有名な湊かなえさんの連作短編ミステリ。

まさかのイヤミスの女王3連発。夏の文庫フェアとは。

と、言っても今作はイヤミス感はありません。完全にイヤミスだと思って読み始めたので、まさかの着地に驚きました。

タイトルの通り「手紙のやり取り」だけで進められていく構成が面白く、少しづつ明らかになっていく真実にグッと引き込まれます。

過去の「事件」の真相が、手紙のやりとりで明かされる。感動と驚きに満ちた、書簡形式の連作ミステリ。

6.『鹿男あをによし』

鴨川ホルモー (角川文庫)』『偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫)』などで同じみの万城目学さんの作品。

万城目さんの作品の中でもトップクラスの名作です。

設定はファンタジーですがすんなり入り込むことができる。これが万城目ワールドというやつです。

笑いありドキドキありのとにかく読んでいて楽しい小説。

『鴨川ホルモー』を楽しめた方はぜひ本作を。万城目学さんの作品をまだ読んだことがない方にも、最初の一冊としてオススメです。

そしてこれを読んだら奈良に旅行に行きましょう。というか絶対行きたくなります。

大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。ほんの気休めのはずだった。

7.『悪党たちは千里を走る』

貫井徳郎さんによるコミカルでユーモアな誘拐ミステリ。

貫井さんといえば『慟哭 (創元推理文庫)』や『愚行録』や『乱反射』などのズッシリした作品のイメージだったので、初めて読んだ時はなかなかの衝撃でした。

いつもの貫井さんらしさが全くない!楽しく読める!って意味では「異色作」と呼べるのかもしれません。

登場人物のキャラもよく、軽い気持ちで読んでいただけます。

そういえば、ムロツヨシさん主演でドラマもやっていました。ムロツヨシさん、良いですよね。

「真面目に生きても無駄だ」。しょぼい騙しを繰り返し、糊口を凌ぐ詐欺師コンビの高杉と園部。仕事先で知り合った美人同業者と手を組み、豪邸の飼い犬を誘拐しようと企てる。

8.『無痛』

刑法第39条「心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する」をテーマとした、久坂部羊さんならではの医療ミステリ。

神戸で起きた一家四人殺害事件。あまりに酷い現場状況から、犯人に人格障害の疑いがかかる。

重いテーマですし文庫で600ページ超えの長編ですが読みやすく、強烈な始まりでグイっと引き込まれてそのまま一気読みしてしまうでしょう。

確かに痛いのは嫌かもしれないけれど、痛みを感じないほうがよっぽど恐ろしい。

神戸の住宅地での一家四人殺害事件。惨たらしい現場から犯人の人格障害の疑いは濃厚だった。凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの靴跡他、遺留品は多かったが、警察は犯人像を絞れない。

9.『絶望ノート』

思わず「ヤラレタ!!」と言ってしまいたくなるミステリがお好きなら必読でしょう。

いじめを受けていた中学2年の照音は、その苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記に書き残していた。すると、照音をいじめていた人物が次々に不審な死を遂げていき……。

中盤あたりから一気に加速していき、終盤は「えー!えー!」の連続。

私自身、あまりの騙されっぷりに笑ってしまいました。違和感は感じていたんですけどね(負け惜しみ)。

中2の太刀川照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。彼はある日、頭部大の石を見つけ、それを「神」とし、自らの血を捧げ、いじめグループの中心人物・是永の死を祈る。結果、是永は忽然と死んだ。

10.『暗いところで待ち合わせ』

乙一さんの名作の一つ。

盲目のミチルは独りひっそりと暮らいていた。そんなミチルの家に、殺人容疑で追われているアキヒロが逃げ込んできた。

ミチルに気づかれないように、身をひそめながら同棲をはじめるアキヒロだったが……。

心理描写がお上手すぎて緊張感MAX。伏線の回収も見事ですし、終盤のストーリー展開もさすがの一言。これぞ乙一さんです。

表紙は完全にホラーですが、実はホラーじゃないんです。まさかの感動系の物語だったり。

初めて読んだ時は想像以上の面白さで興奮したなあ。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。

11.『阪急電車』

有川浩さんといえばコレ!という方も多いのではないのでしょうか。

阪急電車という一つの舞台の上で、人々の想いがつながりあっていく連作短編集。

まず、これ以上ないってくらい読みやすい。そしてわかりやすく、テンポも良い。で、心がホクホクするほど暖かい物語。最高じゃあないですか。

バラバラだと思ったお話が実は少し繋がっていました、みたいな小説が好きな人にはたまらないヤツです。ええ、かくいう私もこのパターンの物語が大好きでして。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。

12.『下北サンデーズ』

下北沢の雰囲気ってなんでこんなに良いのだろう!

というわけで、下北沢を舞台に弱小劇団が繰り広げる青春物語です。

キャラ良し、テンポ良し、読後感良し。「舞台」の知識が全くないからこそ、私にとっては描かれている世界がとても新鮮で、劇団というものの面白さがビンビン伝わってきました。

やっぱり石田衣良さんは青春小説がお上手すぎる。他にも『4TEEN』や『池袋ウエストゲートパーク』などの代表作がありますが、その中でもかなり好きな作品です。

ドラマ版もよく見てたなあ。

弱小劇団「下北サンデーズ」の門を叩いた里中ゆいか。壮絶に貧乏で情熱的かつ変態的な世界に圧倒されつつも、次第に女優としての才能を開花させていく。

おわりに

結果として、「ミステリー小説」と「青春小説」ばかりになりました。完全に好みが出てしまっています。

でも面白いことは確かなので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

もちろん他の作品も面白いものばかりですので、この機会に「心を運ぶ名作100。」の中から次に読む本を選んで見てはいかがでしょうか!( ゚∀゚)

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

コメント

コメント一覧 (4件)

  • はじめまして!このブログ、いつも楽しく読ませていただいています。
    夏というと、私はフィリップ・リーヴの「移動都市」シリーズをよく読み返します。ストレートな冒険活劇で、まるでジブリの映画を観ているようなワクワク感なんですよね。しかも実写化の予定あり。
    超お勧めなので、もし未読であればぜひ読んでみてください!

    • もたろうさんこんにちは!
      いつも見ていただいているようで、本当にありがとうございます(ノω`*)
      移動都市!!!
      いいですねえ。いいですねえ。と言いつつもまだ2作目の『掠奪都市の黄金』までしか読んでいないんです。いつか読もうと思いつつ今に至ります……。
      って実写化するんですか!!それは知りませんでした。これは完全にシリーズ全部読む機会ですね。
      素晴らしい情報をありがとうございます。シリーズ全部読んで実写も見ます!!(* >ω<)

  • どうもhitomiです。
    いいですね!私も大好きな作品、名作がいっぱい!
    「背の眼」は言うまでもなく(笑)
    「みんな邪魔」「絶望ノート」騙されましたね。
    みんな邪魔は、もうほんとイライラ不快感極まりないけど読んでしまう、みたいな。
    気持ち悪いことこの上なしですよね(笑)
    「下北サンデーズ」はドラマが先でした。
    毎回、泣いてしまってました(笑)
    「無痛」、読んでない作品でしたので気になります。そして、読むんだけどね、、きっと。

    • hitomiさんこんにちは〜(‘∀’o)
      ほんと「心を運ぶ名作100。」というだけあって名作揃いですよね。本屋さんで発見した時「ああ!全部読みたい!」ってなりました。衝動を抑えるのに大変でしたよ。。
      『みんな邪魔』『絶望ノート』の騙しにはまんまとやられました。『みんな邪魔』の「気分が悪いのに読んでしまう感」はなんなんでしょうね 笑。真梨幸子さんの凄さがよくわかります。
      『下北サンデーズ』のドラマ良いですよね!毎回楽しみに見ていました。再放送やらないかなあ。
      『無痛』ぜひ。テーマは重いですけど、読みやすいですd(゚∀+゚)

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