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竹本健治『狐火の辻』-『涙香迷宮』の牧場智久登場!鬼才のサスペンス・ミステリー

IQ208という驚異の頭脳を持つ天才棋士、牧場智久が登場するシリーズの最新作です。

舞台は温泉が有名な神奈川県の湯川原。

この街では最近、交通事故の被害者が忽然と姿を消すという奇妙な事件が何件も起きていました。

被害者が消えたあとには誰かをつけまわす怪しい男の目撃情報も多数あります。

やがてこれらの一連の出来事は七年前に起きた交通事故によって亡くなった霊の仕業ではないかと噂されるようになっていきました。

主人公の警察官、楢津木たちはこの噂を聞きつけて事件の調査を進めます。

関連性があるように見えたそれぞれの事件は、かと思えばときにまったく無関係でもあり、捜査を進めれば進めるほど主人公たちを混乱させていきます。

牧場智久の助言を受けて楢津木たちはどう事件を解決するのでしょうか。

竹本健治『狐火の辻』

都市伝説が事件に絡む、ホラーミステリー小説です。

タクシーにまつわる怪談や都市伝説はたくさんありますが、今作にもタクシーにまつわるお話が登場します。

さまざまな都市伝説、怪談は読んでいるだけでも面白く、ホラーが好きな方なら楽しめるでしょう。

これらの都市伝説がどのようにして事件に結びついていくのかも必見です。

前半は次々に起きる事件とそれにまつわる怖い話が続き、後半に一気に謎が解決していきます。一つ一つの事件の謎が解き明かされていく展開は爽快です。

前半の都市伝説や怪談が本格的で、妖しい世界観にひきこまれていきます。

それぞれの小話に関するうんちくも多く、ホラー小説が好きなかた、都市伝説が好きな方でも十分に楽しめる内容になっています。

今作は牧場智久シリーズの長編。他の作品では主人公として、探偵役として活躍する智久ですが、今回の出番はかなり少なめ。

捜査が難航している楢津木たちに助言をするのみに留まります。

そのため、牧場智久シリーズの番外編、スピンオフ的な位置にあるとも言えます。

既に過去の作品に登場している人物たちについての詳しい説明はなく、いきなりそれぞれのキャラクターが登場し、会話を繰り広げていきます。

他のシリーズ作品を読んでいない方はこの世界観に入り込みにくいと感じるでしょう。

できればすでに発表されている「狂い咲く薔薇を君に 牧場智久の雑役」や「せつないいきもの 牧場智久の雑役」を読んでおくことをおすすめします。

これらの二作品はいずれも短編集ですので、長編ミステリーを読み慣れていない方でも読みやすいでしょう。

また、このシリーズに登場する人物たちはアニメや漫画のようなかなり個性的なキャラクターをしています。

これを楽しめるか、楽しめないかという点でも評価が分かれやすい作品です。

物語としては独立しているので他のシリーズを読んでいなくても楽しめますが、登場人物たちのキャラクターをより深く理解したいなら他のシリーズをチェックする必要があります。

ゲーム三部作も読んでみてね!

竹本健治氏は「匣の中の失楽」でデビューしたミステリー作家です。

幻想的な文章、ホラーやSF要素を散りばめた内容、メタミステリー、アンチミステリーが得意で、「ウロボロスシリーズ」では実在するミステリー作家たちが登場するといった異色を放つ小説を楽しめます。

今作『狐火の辻』は竹本氏の作品の中でもとくに人気のキャラクター、牧場智久が登場します。

牧場智久は『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』のゲーム三部作で活躍して依頼、さまざまな作品に登場しています。

囲碁の天才棋士でありIQ208という驚異の頭脳を持ち、他の人では考えつかないような方法で事件を解決に導きます。

初登場時は小学生でしたが、シリーズが進むにつれて成長していくのも特徴的です。

彼の恋人である武藤類子と一緒に事件を解決していく作品も4作品ほどありますので、ぜひいろいろチェックしてみてください。

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anpo39
年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)
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