先日発売になりました木下半太さんの『極限トランク』、やっと順番が回ってきました。
木下半太といえば『悪魔のエレベーター』などの「悪魔シリーズ」が有名ですね。
個人的にはシリーズ外の『鈴木ごっこ』がすごく好みです。
さらに帯には「極限」シリーズ開幕!なんて書いてありますからね。
「悪魔シリーズ」好きとしては見逃せませんよ!(≧ε≦o)
『極限トランク』あらすじ
今作の主人公は耳原敏夫(みのはらとしお)。
大手広告代理店で働く42歳で、読者モデルをしている同い年の妻と15歳になる娘がいる。
さて物語は、耳原敏夫が「走行中の車のトランクに女の死体と一緒に閉じ込められている」という過酷な状況から始まります。
この状況になる前、耳原は女と一緒にホテルにいたのですが急に”奴ら”が入ってきて鈍器で殴られ気絶。
目が覚めたらトランクの中、というわけです。
当然ながら、なぜこんな状況になったかがさっぱりわかりません。
さて、舞台は変わってトランクに閉じ込められる前。
耳原はとあるスポーツバーで海老沢という男と出会います。
彼は「他人の人生をコーディネートしている」というちょっと変わった男で、後日営業を受けた耳原は海老沢のコーディネートを受けることに。
海老沢に連れられて名古屋に行き、エビフライやハンバーガーを食べる耳原。
しかし海老沢は「これはお試しだから」などと言って途中で帰ってしまう。
名古屋に残された耳原は、日頃の鬱憤を晴らすようにバーに行きクラブに行き、そこでとある女と出会います。
というように、
序盤では「トランクの中」と「トランクに閉じ込められる前の出来事」
が交互に展開されていきます。
この構成によって序盤からグッと引き込まれてしまうわけです。
なんでトランクに閉じ込められてしまったの?
このあと耳原はどうなるの?
が気になってしょうがなくなるんです。
もう最後まで一気読みですよ(´ω`)ノ
トランクの中だけで起こる二転三転する展開!

まず舞台が「トランクの中だけ」っていうのが面白いですよね。
最初っから最後までトランクの中だけなんですよ。
そんな限られた舞台でこんなに面白いストーリーになるのは素晴らしいです。
岡嶋二人さんの『そして扉が閉ざされた (講談社文庫)』みたいな、終始密室の中だけで繰り広げられるミステリって好きなんですよねえ(*´v`)
さてさて物語は中盤。
ここからはもっと読む手が止まりません。ストーリーが大きく進展するのです。
トランクに閉じ込められたままの耳原は、過酷な状況ながらに頭を働かせ推理をしていきます。
内容は当然言えないのですが、
中盤から終盤まで「まさかそんな展開?!」というのが何回もあります。
この二転三転、さらには四転五転くらいしちゃうストーリー展開は楽しいに決まっていますよね(*´∀`*
ちなみに、めちゃくちゃ読みやすいので二時間くらいでサクッと読めてしまいます。
楽しみなシリーズが一つ増えたよ!

帯に「脅威のどんでん返し!」とあるのですが、
大どんでん返しがドーン!とあるのではなく、小さめのどんでん返しが幾つもあって長い間楽しめる感じでしたね。
このパターンはまったく飽きないですし、読む手も最後まで止まらなくさせてくれるので大好きです。
さて、この『極限トランク』の帯に「極限シリーズ開幕!」とあるのですが、これは新しいシリーズがスタートしたということでいいんですかね?
シリーズとして第二弾が出るということでよろしいんですよね?
そういうことなら非常に楽しみです!(≧ε≦o