大澤めぐみ先生をご存知ですか?
大澤先生は今話題のミステリ作家です。
どれも可愛い女の子やポップな背景が印象的な、まるでライトノベルのような雰囲気で統一されています。
もちろん10代や20代の若い層向けの内容ではあるのですが、内容はしっかりと作りこまれており、伏線回収もばっちり!
そんな大澤先生の特徴は、SFやファンタジーチックであったり、非日常であったり、主人公たちがどこかぶっ飛んでいるという面白い設定です。
現実的な血なまぐさい事件というよりも、なかなか面白い他にはない設定だな!とどこかわくわくするストーリーが魅力的です。
今回ご紹介する『彼女は死んでも治らない』はそんな大澤先生らしいどこか不思議でポップなミステリです。
特異体質を持った本人だけでなく、主人公もどこか狂気があるのですが、それでもなんとなく可愛いと思えてしまい、ミステリ初心者でも駆け抜けられるようなストーリー展開。
では、その内容と口コミをじっくりとご紹介いたします。
大澤先生の世界観にどっぷりと浸かりましょう!
大澤 めぐみ『彼女は死んでも治らない』のあらすじ
沙紀ちゃんはいつも殺されがちな最高にかわいい女の子。
殺されがちというのはどういうことなのか。実は沙紀ちゃんは死んでも生き返ることができるという「殺されやすい体質」を持っているのだ。
彼女は何度も殺されたのだとしても、主人公がしっかりと正しい推理をし、犯人を指摘することで蘇生する。
主人公である神野羊子は、尋常じゃないレベルで沙紀ちゃんのことが大好きである。
だから、何度も沙紀ちゃんが殺されてしまっても、そのたびに凶悪な犯人をなんどでも見つけ出してやる!と、四六時中息巻いているのだ。
ところが高校に入学早々、校内でまたしても沙紀ちゃんの死体を発見。それも首なし死体・・・。
そんな無残になってしまった彼女の命を救うため、推理力を駆使して羊子は一生懸命謎を解き明かす!
その他にもさまざまなシチュエーションで事件が巻き起こる。羊子はそのたびに沙紀ちゃんの為に邁進していく。
しかし、こんな沙紀ちゃんと羊子のストーリーだが、だんだんと読み進める程に感じる違和感とそれが解明した時のどうしようもない哀しさはどうしてなのだろうか・・・。
とにかく全ての伏線と違和感がまとまったときの爽快感が最高!
思わず「そうだったのか!」「なるほど!もう一度読み直してみよう」となる事請け合いです。
今までにないどこかファンタジーやSFのような新感覚ミステリは、新しい刺激となって読者に襲い掛かってくるはず。
はちゃめちゃなのに面白いと話題の作品を是非楽しんでみてください。
大澤 めぐみ『彼女は死んでも治らない』の口コミ【読者の感想】
それでは実際にこの本を読んだ方の感想や口コミをご紹介いたします。
[jin-iconbox06]『ミステリとコミカルがうまく融合している感じである。
通常であればシリアスになりかねない局面(殺人事件)であっても、作品の”設定”によってうまく中和されているので、軽めな感じで読み進めることができた。こういうミステリもありなのだなと思った』[/jin-iconbox06]
[jin-iconbox06]『彼女が死んでも生き返るっていうのにびっくりしました。
わたしたちも死んで、生き返ってくれればいいなぁってわたしは思いました。世の中はそううまくはいかないですけど。そうなったら、嬉しいです。誰かに会いたいと思っています』[/jin-iconbox06]
[jin-iconbox06]『彼女のことを尋常になく愛する人。そんななか凶悪な犯人に殺されかけることが何回も…どんな手段を使ってでも犯人を絶対に捕まえてやる!と言うこの思いをもって得意とする推理を張り巡らせて対決する!この感動が何回読んでもたまりません。
愛する彼女を救うためにこれからの試練に打ち勝ち最後にどう言う結末になるのかハラハラドキドキのミステリ作品となっています!』[/jin-iconbox06]
[jin-iconbox06]『出だしから首なし死体が逆さに吊るされている場面に出くわすという衝撃的な設定でつい引き込まれてしまいました。
一見するとミステリ作品のように感じますが、読み終わってみると青春を描いた小説であることが分かります。意外性に富んで良い作品だと思いました』[/jin-iconbox06]
ただただ可愛い主人公の友人(しかも何度殺されても復活する特殊能力付き)とその友人を愛しすぎる主人公の、ある意味似た者同士の変態二人組が巻き起こすドタバタミステリに見えるのですが、その本質と物悲しさ、そして真実のギャップにはびっくり。
殺されるシーンは通常辛い、怖いものであるにもかかわらず、沙紀ちゃんの特殊能力のおかげで緩和されているので、少々悲しい結末が苦手な人でも入りやすかったという意見が多かったです。
活字なんて苦手、でもわくわくしたい気もするライト層におすすめ
本作が一番刺さる読者はずばり「ライト層」です。
もちろんがっつりミステリを読む方でもちょっとした伏線回収や謎解きはありますのでしっかりと楽しめますが、ファンタジーやSFが好きで、たまに気に入ったミステリを読む方におすすめです。
ライトノベル調の展開に、トンデモ設定。
可愛いパッケージにぶっ飛んだ登場人物たちが白黒の文字にポップな色を付けてくれているように感じます。
だからこそ、原宿系の可愛いお店を覗いているような手軽さを感じつつ、気付けばすらすらっと読み終わってしまうのです。
また、この本はミステリ・SF・ファンタジー以外にも学園モノ、女子同士の固い友情やそれを越した愛(少し狂気じみていますが)等様々なカテゴライズに引っかかり、どの層にも少しずつ好まれる要素が詰め込まれています。
小難しい表現はなく、誰でも入り込みやすいのです。
緻密に作りすぎたミステリの場合、少しの違和感で「駄作」に見えてしまうでしょう。
しかし、あまりにも入り口がぶっ飛んでいるストーリー展開の為、良い意味で緻密さを感じさせないのです。
いうなれば、緻密に作った物語を「ゆっくりめぐる人形がメインのアトラクション」とすると、この本は「轟音と疾走感を感じるのに、色味がポップなジェットコースターに乗っている」感覚に近いのです。
周りの景色はゆっくり見る暇はない、でも終わった時に面白かった!が先に来るあの感じです。
ぜひこの疾走感をお楽しみください!
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