降田天『彼女はもどらない』-このミス大賞史上トップクラスの衝撃が待ち受けるイヤミス降臨

なんだかんだで気になっちゃうこのミス大賞シリーズ。

正直、自分的には当たり外れのあるシリーズなんですが、今回の『彼女はもどらない』はかなり当たりのほうでした。

率直に面白いし、騙されました。

どうやら著者の降田 天(ふるた てん)さんは二人組の作家さんのようで。

エラリー・クイーンといい岡嶋二人といい、二人組の作家というのはそれだけで魅力がありますねえ(*´ω`)

 

降田天『彼女はもどらない』

 

雑誌編集社に勤める綾野楓(あやのかえで)は、あるミスをしてしまった事により、専属していた雑誌の編集から外されてしまう。

そんなある日、楓は「ソラパパ」というユーザーが運営しているブログの存在を知った。

安価な材料で娘のコスプレ衣装を作る過程や、完成後の写真をのせているようだ。

ブログには「ソラパパ」の良い父親ぶりを称えているコメントが多く寄せられていて、かなりの人気ブログであることが伺える。

しかし、楓は「ソラパパ」が良い父親だとは思えなかった。

娘のためにと言いながら、自己顕示欲を満たしているだけではないのか。

そう思えて仕方がなかった楓は「ソラパパ」のブログにコメントを送った。

 

「貴方は本当に娘を愛していますか。」と。

 

それが悲劇の始まりだった。

一方、ソラパパでは

次に「ソラパパ」こと棚島のターン。

棚島の妻・深雪は5年前事故にあい、今も病院で意識不明の状態だった。

それでも実家に娘を預け、仕事をこなし、休日には愛する娘のためにコスプレ衣装を作り、ブログにアップする。

そんなとき、一件のコメントがブログに届いた。

 

「貴方は本当に娘を愛していますか。」

 

疲れていたせいもあった。カッとしてしまった。

無視すれば良かったものの、つい返信をしてしまった。

それがかえって相手の怒りを高ぶらせてしまったようで、次々に批判的なコメントがくるようになってしまう。

やがてそれはエスカレートしていき……。

 

という、楓と棚島の視点が交互に描かれていくパターンです。

このパターンは面白いヤツや!

帯に偽りなしの衝撃

現代社会のSNSをテーマにしたミステリ。最近増えてきましたね。

読むたびに「SNSこっわ!」って思うんですけど今回もまた同じく「SNSこっわ!」でしたね。

良くも悪くも、現代だからこそ楽しめるミステリでしょう。

SNS絡みのミステリーって言えば大体トリックわかっちゃって、「まあアレをやってくるんだろうなあ」と警戒していたんですよ。

そしたらね、

 

予想の斜め上でした。

 

ウッホホーイ!( ゚∀゚)ってグルグル目が回るラストの展開。

警戒してたのに……ミステリ結構読んでるはずなのに……。やられた……。

帯に『女王はかえらない』を超える衝撃!

と書いてありましたが、確かに超えてますね。

全体的に見て、ミステリとしての完成度も今作の方が高かったです。

ミスリードのさせ方もうまいし、伏線の忍ばせ方も上手。回収もしっかりしてる。

特に心理描写の表現は見事で、登場人物が味わっているだろうネチネチした嫌な気持ちが伝わってくる。

しかも後味が悪い!!

良い意味でイヤミスとしてとても面白いという事なんですけど、それにしても後味がよろしくない。

やはり女性作家さんはイヤミスを書くのがお上手なんだなあ。

おわりに

今回の『彼女はもどらない』は、単行本の『匿名交叉』を改題し、加筆修正した上で文庫化したものです。

前作の『女王はかえらない 』とタイトルの雰囲気が似ていますが、シリーズものではなく全くの別作品なのでご安心を。

・イヤミスが好き!

・とにかく騙されたい!

という方にオススメです。

そして降田天さんの今後の活躍にも期待です。

最初にも述べましたが、二人組の作家というのはそれだけで魅力的に思えちゃうんですよね。

クイーンの影響かなあ。

このミス大賞シリーズ

このミス大賞隠し玉『愚者のスプーンは曲がる』が見事に面白い超能力モノでした
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6 Comments

hitomi

hitomiでーす! 
ってか!ちょっと!
わぁ‼️偶然!
今日まさに買ってきました!
なんか、目にとまって(笑)
買えよ~ってメッセージだったんですかね(笑)
まだ読んでないですが、いやミスなんですね。
いやー、楽しみ

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anpo39 anpo39

えー!!
そんな偶然あるんですね!!
テレパシー的なものが届いたのでしょうか笑。これはもはや神の導きですな……。
完全に読む運命にあったということですね。
楽しんでください!イヤミスですけど!笑

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hitomi

今読み終わりました。
私も騙された(笑)後味悪!
なんとなく、警戒しさたりはしてたけど、そうほんと、斜め上でした(笑)
やっぱりこのミスいいですよね。当たりです!
なので、前作の「女王はかえらない」も買ってきました。
今から読みまーす!!

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anpo39 anpo39

はやい!
hitomiさんならきっと騙されてくれるだろうと思ってました(失礼)!笑
私も警戒していたんですがダメでしたー。さすがですよね。
おお、二連発!楽しんでくださーい(´∀`*)

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近藤隆行

最近ミステリにはまりこみ、
面白い作品は無いかと検索し
貴ブログ様を拝見致しました。

非常に上手い紹介ですね、記事がすごく面白いものばかり。

私のオススメを記載させて頂きたく存じます。

山本文緒 「恋愛中毒」
プリキュアを見ていたら、エヴァンゲリオンになっていたでござる状態作品。

クレア・ノース「ハリー・オーガスト、15回目の人生」
進化した、武装したどらえもん作品。

スティーブン・キング「112263」
時をかける中年。

興味がございましたら、検索してみてください。

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anpo39 anpo39

近藤隆行さんこんばんは!
嬉しいお言葉をありがとうございます。何よりの励みになります。本当に嬉しいです。
ぜひ参考になれば幸いです。
「ハリー・オーガスト、15回目の人生」
スティーブン・キング「112263」
は読んだことありますが、面白いご紹介ですね笑。
「恋愛中毒」はまだ読んだことがないので、
「プリキュアを見ていたら、エヴァンゲリオンになっていたでござる状態」がとても気になります。ぜひ読んで見ます!ありがとうございます(´∀`*)

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