鳥飼否宇『隠蔽人類』-またしてもトンデモ展開の連続で最後まで目が離せない!

 

「読者呆然、編集者唖然の破壊的トリック!」

この帯を見て、絶対に読むべきだと思っていたのが、鳥飼否宇さんの「隠蔽人類」。

日本人が見つけた新種の人類からスタートする急展開の物語は、日本人だからこそ目が離せない、とんでもないストーリーになっています!

やってくれましたね!鳥飼否宇さん!

 

まあ良くも悪くも普通じゃないし、完全に賛否分かれる作品でしょうが、好きなんだわー。このパターン好きなんだわー。

 

「隠蔽人類」のあらすじ

 

「隠蔽人類」は、人類学者たちがアマゾンへ調査に行ったところからスタートします。

そこで出会ったのは、学者たちの興味を引くキズキ族の人間たち。

彼らについて深く調べようと、血液を手に入れ調査してみると……なんと彼らは、ホモ・サピエンスではなく別の人種であることが分かります。

 

しかし調査団には不幸が訪れ、日本へ帰ることができたのは教授とホモ・サピエンスではない「隠蔽種」の女「ミラ」のみ。

「ミラ」を研究対象としている教授には隠された秘密があり、その周囲にはもっと大きな黒幕があり……。

ラストへ向けて次々と主人公を変えながら、隠蔽された人類の謎が解き明かされていく、物語です。

あれこれ語ってしまうと、ネタバレに触れてしまうポイントが多いため、あらすじはこの程度で。

ネタバレの意味は、読後大いに語り合いましょう!

「隠蔽人類」の見どころ

「隠蔽人類」の見どころは、日本や、日本人メインでストーリー展開されていく部分です。

最初はアマゾン、その後も他国の人間が関わってきますが、やはり日本人無くしては物語が成り立たないでしょう。

江戸時代や、そのもっと昔の日本へさかのぼったり、日本人の性格や考え方へ客観的に触れたりする部分などが満載で、ギクリとしてしまう場面もしばしば。

日本人は元から隠蔽体質だと知っていたけど……

 

特攻か。命を粗末にするところは日本人らしいな

 

といった言い回しが、現代に生きているはずなのに、なぜかグサっとくるのです。

日本という国が、これまで行ってきた良いことも、悪いことも含めて、日本人である以上日本という国が好きなんだな……と再認識する場面も多かったですね。

この辺りは、物語とはあまり関係ない部分なのですが、鳥飼否宇さんは、こういった読者の心境まで予測し、筆を運んだんだろうと思うと、「やられた~」という感想しか出ません。

「隠蔽人類」を読まれるときには、そんな鳥飼さんが描く、日本人像も楽しんでくださいね。

これぞ鳥飼否宇なトンデモストーリー。

この本、表紙が不気味ですし、結構バッタバッタ人が死んでしまったりするんですけど……なぜかすらすら読ませる不思議な魅力があります。

余計な描写を省き、人間性を高めてあるからかな?とも思いましたね。

 

あ、そうそう。この物語、登場人物がめちゃくちゃ多いんです!

あまりに人物が多いと、頭がこんがらがってしまいますが、どの人物も味のある性格をしているので、気楽に読み分けられた点も気に入りました。

あとですね、物語がどんな結末を迎えるのか、ミステリー好きさんは当然想像しながら読むと思うのですが、「隠蔽人類」のラストを当てられる人は、まずいないでしょう。

 

やべーです。

 

驚きのラストながら、思えば伏線が無くもなかったのか……と再読し、確認してしまいました。

SF系のショートショートが好きな人や、世にも奇妙な物語系が好きな人は、きっとハマりますね。

個人的には「隠蔽人類」を“映画で見たい”という気持ちがあります。思いっきり壮大なスケールで、個性派の役者さんを揃えて、是非実現してもらいたいです。

全体的に文字数が多くなく、字も大きめなので、「鳥飼否宇さんの作品をまだ読んだことがない!」という人が手に取るのにも、ちょうど良いと思います!(そしてブッ飛んでください)

言いたいけど言えないことばかりで辛い

この物語はですね~言えないことが多くてもどかしい!

主人公がちょいちょい変わってしまうため、誰か一人にスポットを当てるのも難しいですし……でも、最後まで読むうちに、必ずお気に入りの登場人物が見つけられると思います。

ちなみに、私は塩野崎准教授が好きでした!

他の方のレビューも高い一冊なので、流行りのミステリーは抑えておきたい、という方はまず手に取りましょう。

で、できれば周囲とシェアするのがおすすめです。

今の私がそうですが、読み終えた後にストーリーを知っている人と、「あそこがこうだったよね」「あの場面でびっくりしたよね」と語りたい欲求が高まります。

・予想を裏切られたい

・読んだことのない展開のストーリーに触れてみたい

それなら、「隠蔽人類」の世界へ飛び込んでみませんか?

誰が隠蔽種なのか。

隠蔽種は本当にいるのか。

隠蔽種という問題をどう扱うべきなのか。

頭の中が、様々な疑問がぐるぐるしながら、最初から最後までドキドキした気持ちで、ページを捲れるでしょう。

もしかしたら、この地球にも隠蔽された人間がいて、当たり前のように暮らしているのかも……なんてことまで考えてしまう「隠蔽人類」。

読後に訪れる衝撃、そして謎の満足感を体感してみてください。

 

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