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そして誰も・・市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』は必読のミステリでした

今回は先日2016/10/11に発売された新刊、第26回鮎川哲也賞受賞作である市川憂人さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』の感想やあらすじなどをご紹介させていただきます。

 

はい、まずこの帯をみてください。

 

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21世紀の『そして誰もいなくなった』登場!

 

 

わあああああ!

この帯を目にして、一体どうやって読まずに居られるでしょうか。

無理です。

これは読まざるをえません。

単行本なので2000円くらいしましたけど、文庫本まで待てません。

 

案の定めちゃくちゃ面白かったので、早速ご紹介させていただきましょう(ノ●´∪`)ノ

市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』

今作の舞台となるのは、特殊な技術を用いた小型飛行船「ジェリーフィッシュ」。

その技術開発メンバー6人が自らジェリーフィッシュに乗り込み、長距離飛行の最終試験を行っていました。

順調に進んでいると思われたその飛行中、

地表200メートルの空の下という完全なる閉鎖状況の中で、

一人のメンバーが死体で発見されます。

 

さらにそんな状況の中、自動航行システムが暴走。

制御の利かなくなったジェリーフィッシュは、岩壁に囲まれた雪山へと不時着し動かなくなってしまいました。

つまり、

小型飛行船ジェリーフィッシュは、彼らを乗せたまま完全な「雪の牢獄」へと変貌を遂げてしまったのです。

そして、次なる惨劇が・・・。

そして誰もいなくなった。

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アガサ・クリスティの作品の中に、『そして誰もいなくなった』という傑作があります。

ミステリー小説がお好きな方ならほぼ全員が読んでいるであろう歴史的名作で、「孤島」「館」「見立て殺人」などを盛り込んだ本格ミステリ好きには最高の一作です。

新本格ブームの火付け役、綾辻行人さんの『十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)』も、この『そして誰もいなくなった』を意識して書かれた作品として有名ですね。

私自身、クリスティの『そして誰もいなくなった』は本当の本当に大好きな作品なのです。

 

そして今回ご紹介の『ジェリーフィッシュは凍らない』は、帯にも書いてある通りその『そして誰もいなくなった』を思わせる素晴らしきミステリー小説でした!

こういうのを待ってたんですよおおお!(●>ω<)という感じです。

そして単にオマージュしたというだけでなく、その構成もお見事でした。

一方、地上では・・・

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今作では、「ジェリーフィッシュ内での出来事」の章と「ジェリーフィッシュでの惨劇が全て終わった後の刑事たちの捜査」の章が交互に展開されていく形式をとります。

ジェリーフィッシュでの血も凍るような惨劇。そしてその事件を追う刑事たちが次第に明らかにしていく真実。

この構成は最高ですね。まったく読む手を休ませてくれません。

また、事件を捜査するマリアと九条漣のキャラクターが良いのもポイント。

渋いオジさん刑事などではなく、どこか愛着のある彼女たちのキャラクターのおかげで、このような惨劇も楽しく読ませていただきました。これもかなり嬉しいところでしたね。

次々に浮かび上がる謎に読む手が止まらない!

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さて、話は戻りますが『そして誰もいなくなった』がどのようなお話かご存知でしょうか。

簡単に説明しますと、

「孤島に建つ館に集まった人々が次々に殺されていき、最終的に全員が死んで誰もいなくなってしまった」というお話です。

今作『ジェリーフィッシュは凍らない』は「21世紀の『そして誰もいなくなった』」と言われる通り、この特徴をしっかり引き継いでいます。

そうです。

御察しの通り、

雪に閉ざされ完全に孤立した「ジェリーフィッシュ」の中で、搭乗していた全6名が全員死体となって発見されるのです。

最高ですよね、このパターン。

そうなると

・犯人は死んだ6名の中にいたのか?

・それとも「ジェリーフィッシュ」の中に誰か潜んでいたのか?

・それとも外部からの侵入者か?

・だとしたら、この雪山の中をどうやって?

と様々な疑問が一気に浮かび上がってきて、それはもう最高にワクワクさせてくれます。

面白くないわけがありません。

そしてあのトリック、まさかの真相がお見事なのは言うまでもありません。最後まできっちり楽しませていただいたことにただただ感謝です。

おわりに

というわけで、今回は市川憂人さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』を簡単にご紹介させていただきました。

正直まだたくさん言いたいことがあるのですが、少しでもネタバレしないように我慢しております。これがミステリ小説をご紹介させて頂く上での辛いところです(´д`、)

「アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が好き」

「綾辻行人さんの『十角館の殺人』が好き」

「閉鎖空間での殺人、クローズドサークルものが好き」

という方はぜひ読んでみていただけたらと思います(●>ω<)っ

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anpo39
年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)
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POSTED COMMENT

  1. さくらっころん より:

    ようやく図書館の予約の順番が回って来て読めました!おすすめいただいたとおり、「そして誰もいなくなった」&「十角館の殺人」に衝撃を受けた私にとって、期待どおりのすごく面白い作品でした(>人<;)
    マリアのキャラクターが魅力的でしたね(o^^o)
    このブログを読まないと出会えなかった作品でした!ありがとうございました(*^^*)

    • anpo39 より:

      図書館ってやはり素晴らしい!
      私も「そして誰もいなくなった」&「十角館の殺人」はどストライクな作品なので、ジェリーフィッシュも完全にツボな作品でした。
      本当マリアのキャラクター良いですよねー。探偵役に魅力がある作品はやっぱり面白いです。
      そう言っていただけて大変嬉しいです!ブログをやっていて良かった…こちらこそありがとうございます……(ノω`*)

  2. 林檎 より:

    こちらの記事をきっかけに、この作品に出会う事ができました。
    魅力的な小型飛行船が存在する不思議な世界。
    雪山に不時着。次々に起こる殺人事件。もう最高。
    大好きな作品になりました。ありがとうございます。
    ジェリーフィッシュが本当に空に浮かんでいるのを見てみたいです^^

    • anpo39 より:

      林檎さんこんばんは!
      ほんんっっとその舞台設定最高ですよね。こういうのが読みたかったんだ!って心から叫んでしまいましたもん。もうツボばかり。私も大好きな作品です。
      そう言っていただけて大変嬉しいです。こちらこそありがとうございます。ブログをやっていたよかった……泣
      いつか、本当に飛んでくれないですかねえ。。(*´ω`)

  3. ヨウタイガ より:

    気になっていたこの作品、図書館で借りて読みました!2つの舞台が交互に進み、徐々に謎が深まり、そして解けていくのは圧巻でした。現実世界と少し違う世界というのがまた面白いで設定ですね。主人公2人はいいキャラクターと感じましたが、舞台が交互に進む関係もあってか、もう少し深い描写があるともっと好きになりそうです。続編は予約待ちなので、楽しみに待ちます。
    昨年、こちらのブログに影響を受けて、読んだ本を記録していたんですが、約1年で49冊読めました!個人的には中々の数を読めましたし、紹介いただいていた本はどれも面白かったです。別記事になっちゃいますが、個人的には屍人荘の殺人が一番だったかなー。
    今年、というには変な時期ですが、新たなスタートはジェリーフィッシュは凍らないで始まり、先程水族館の殺人を読了しました。これからもこちらの紹介を参考に読者ライフ楽しませていただきます!

  4. anpo39 より:

    おおっ!読まれましたか!
    良いですよね、この作品。本格好きにはたまりません。
    そうそう、この二つの舞台が絡み合っていく構成はほんと見事です!ぜひぜひ続編も楽しみにしていてください!よりこのシリーズが好きになるはずです(*´∀`*)

    おお!参考にしていただいて本当にありがとうございます!
    楽しんでいただけて良かったです。
    やっぱり『屍人荘の殺人』はちょっと別格ですよねー笑
    あれほどの作品には滅多に出会えません。続編はどうなるのか、いま最も気になる作品です。
    水族館!いいですねえ。近々ちょうど記事にしようとしていたところです。
    ぜひぜひ参考にしていただければ幸いです!これからもよろしくお願いいたします!

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