さて、今回は平山夢明(ひらやまゆめあき)さんの『ダイナー』という作品のあらすじや感想などを。
平山夢明さんといえば『独白するユニバーサル横メルカトル』や『メルキオールの惨劇』など、グロくてグロくて、さらにグロいホラー作品でおなじみなんですが、そんな平山さんの作品の中で特に好きなのがこの『ダイナー』。
最近再読したらまたハマってしまったので、ちょっと簡単にご紹介させてください(σ・∀・)σ
※「ダイナー」・・・主に北アメリカなどに存在する簡単なレストラン、簡易食堂のこと。

平山夢明『ダイナー』
今作の主人公は、地元の事務用品問屋に勤めている「オオバカナコ」という女性。
とある日。
彼女は突如としてまとまったお金が欲しくなり、携帯闇サイトのアルバイトに応募をしてしまう。
その仕事は「運転手」。軽いリスクはあるとのことだが、それだけでなんと30万円もらえるらしい。
詳細は不明だがとにかく待ち合わせ場所へ。そこに30分遅れでやってきたのは黒いジャケットを着た女、そしてカウボーイハットをかぶった変な男。
明らかに怪しい人達だし、仕事内容もよく分からない。
まあいい。
なんにせよ、夕方には30万を手にして自由の身になっているのだから!とオオバカナコはのんきに考える。
この後、地獄に突き落とされるとは知らずに。
自分が心臓麻痺を起こさないのも不思議だったし、ディーディーが発狂しなかったのも不思議だった。
彼女はカウボーイを食べさせられたのに・・・
『ダイナー』P.27より引用
地獄のダイナーへようこそ
あのバイトからとにかく大変な目にあったオオバカナコ。
なんとか命は助かったものの、彼女はプロの殺し屋たちが集まる会員制ダイナーのウェイトレスとして働くことになってしまう。
そこは殺し屋たちをくつろがせ、常に神経を尖がらせ、皿の置き方一つでも間違えれば消される場所・・・。
というように今作は、常に死と隣り合わせの、いつ殺されてもおかしくない地獄のような「ダイナー」で働くことになったオオバカナコの物語です。
まず何が面白いって、平穏な日常から一気に奈落へと落とされる序章のスリル。
ダイナーで働くことになるまで僅か30ページほどというテンポの良さで一気に引き込まれることでしょう。
普通こんな場所で働かされたら気が変になってもかしくないのに、オオバカナコがめっちゃタフなんですよね。そこがまた面白い。
「ここは殺し屋専用の定食屋だ。おまえの客はすべて人を殺している。おまえは人を殺した人間から注文を取り、人を殺した人間に料理を提供し、人を殺した人間にコーヒーを注ぎ、つまり人を殺した人間をくつろがせる。」
『ダイナー』 P.43より引用
ただグロいだけではない!
平山夢明さんといえばグロい作品が多いです。
この『ダイナー』ももちろんグロい描写は多々あるのですが、何よりストーリーが面白く、しかも楽しい。
よく
「一度読み始めたら止められない!究極のエンターテインメント作品!」
「ドキドキハラハラ!これぞノンストップジェットコースターストーリー!」
みたいなキャッチコピーあるでしょ?
それ、完全にこの『ダイナー』のことです。
ジェットコースターのようにスリルがあって、ドキドキして、楽しくて。
閉ざされた「ダイナー」でのありえないほど非日常な出来事が、普段平穏に暮らしてる自分の心を刺激するんです。怖いのに、いつ殺されるかもしれないのにワクワクするんです。
この「緊張感」と「面白さ」のマッチングが絶妙なんですよね(◎ゝ∀・)ノ
グロいのになぜ・・・!
普通、グロい小説を読めば食欲は減退しますよね。
だけど『ダイナー』を読むとお腹が空いてしかたがなくなるので注意です。グロいのに。
舞台がダイナーというだけあって様々な料理が登場するのですが、私の場合とにかくハンバーガーが食べたくなりました。
この表紙絵のような肉厚ジューシーなハンバーガーにかぶりつきたい衝動にかられます。
ダイナー読んだあとすぐにハンバーガー買いに行きましたからね。そこだけご注意ください(っ´∀`)っ
おわりに。
今回は平山夢明さんの『ダイナー』をご紹介させていただきました。
しかし今作の魅力はまだまだお伝えしきれないほど多くあります。ぜひぜひ読んでいただいて、あの異常な世界でのスリルと興奮を体感していただければと思います。
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最後までありがとうございました。良い読書ライフを!(●>ω<)ノ゙
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