国内ミステリー小説

樋口有介『風景を見る犬』が文庫化!沖縄を舞台に起こる2件の殺人と青春と

さて今回は、先日2016/9/21に文庫本が発売された樋口有介さんの『風景を見る犬』のあらすじや感想などをご紹介させていただきます。

樋口有介さんといえば「柚木草平シリーズ」という軽めなハードボイルドシリーズが有名なのですが、今回ご紹介させて頂く『風景を見る犬』はシリーズものではないのでご安心くださいませ♪

今作『風景を見る犬』は、沖縄ならではの雰囲気を堪能できる素晴らしき青春ミステリーとなっております。

どうぞ参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ

樋口有介『風景を見る犬』

今作の主人公および語り手は、沖縄の裏町に住む高校生・香太郎。

スナックを経営する母の元で、のんびり平穏に暮らしていた。

そして高校三年の夏休み。香太郎は昌敬さんの経営する食堂「アミーゴ」でアルバイトをすることになった。

さあこれからまたいつもの夏休みが始まる・・

と思いきや、立て続けに起きた2件の殺人事件が、平穏と思えた夏休みを特別なものに変えた。

那覇市大道の栄町にある売春宿の息子・香太郎は、高校最後の夏休みに近所のゲストハウスでバイトをする。悠々自適なマスター、個性的な美女たちに囲まれ、それなりに充実した毎日を過ごしていた。

沖縄の雰囲気を堪能して!

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わたくし沖縄って数回しか行ったことないんですけど、大好きなんですよ沖縄。

独特のゆったりした雰囲気とか、沖縄ならではの食べ物とか。旅行で行くと毎回「あと一ヶ月くらい居たい!」って思うんです。

もう全て放り出して沖縄行きたい!みたいな気分になることもたまにあったり。

で、この作品は、私みたいな観光客が知ることのできない「裏の沖縄」の感じがリアルに描かれているんですよね。

私のイメージとしては綺麗な海とか青空とか、とにかく沖縄って開放感のある華やかな感じ。

でも『風景を見る犬』の沖縄はどことなく地味で、でもこういう沖縄もいいなって思えちゃう不思議な日常が描かれているんです。

ただ純粋に、沖縄に住んでいる人目線の物語ってだけでめちゃくちゃ面白いんですよ。

ほんとこの世界観が好きです(●´∀`●)

青春小説として素晴らしい

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はい。

殺人事件は起きるし、それを解決していくわけだからミステリー小説というジャンルなんですけど、もうこれは青春小説です。

主人公の香太郎をはじめ、美少女が数人登場するのですが皆さんのキャラクターがとても魅力的なのが特徴です。

男子高校生の主人公の周りに数人の美少女、っていうとよくある恋愛ラブコメみたいになっちゃいそうですが、この作品はそんな感じがしないというか実に爽やかで。

主人公の香太郎が「お前本当に高校生か?」ってくらい大人びてて、でもそんな彼の行動や思考、他の登場人物とのやりとりがこの作品をより面白くしているのです。

だから殺人が起きるのに、良い意味でミステリー小説を読んだ気がしないんですよ。純粋に面白い小説を読んだなあ!って気分にさせてくれるんです。

不思議なんですが、これが樋口さんの作品の醍醐味ですね(*´ェ`*)

沖縄の空気と料理を楽しんで

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沖縄独特の、まったりした中で起きる殺人事件というのはなかなか新鮮なものです。おどろおどろしさがなく、周りの人たちもマイペースで。

私自身たくさんミステリー小説を読んできましたが、沖縄を舞台にした作品ってあまりないのでとても良い読書ができたと思えました。

また作品内に沖縄の料理がちょいちょい登場するのですが、どれも美味しそうでお腹を刺激してきます。注意してください。

特に沖縄が好きな方や、沖縄に行きたいなーなんて思っている方、危険です。

沖縄に行きたすぎてしょうがなくなります。

私も読んだ後にすぐネットで沖縄の旅行料金調べちゃいましたもん。

やっぱり少しお高いですね・・・( ;∀;)

おわりに

というわけで今回は樋口有介さんの『風景を見る犬』を簡単にご紹介させていただきました。

沖縄を舞台にして小説ってあまり読んだことがないなあ、という方にはぜひ読んでみていただきたい作品です。

まずは本屋さんとかで最初の数ページをサラッとで良いので読んでみると良いかもしれません。そこで「この雰囲気好きだな」とビビッとくればもう買いです。

小説って最初の数ページで自分に合うか合わないか直感でわかったりしませんか?

どうぞ参考にしていただければ幸いです!(●>ω<)っ

ああ、沖縄行きたい・・・( o´ェ`o)

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anpo39
年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)
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POSTED COMMENT

  1. Kingfish より:

    実は「海泡」読んで以来、樋口さんとは没交渉なんです。
    父島に行った直後に読んで、あの素晴らしい島で事件なんてヒドイ!!ってのが理由です。まぁ勝手な言い分ですね。
    作者に含むところは無く、沖縄も空港を経由しただけなんで、久しぶりに読んでみようと思います。

    • anpo39 より:

      あらら・・そうだったのですか(>ω<) 確か父島の素晴らしさを堪能した後だと嫌ですね 笑。私もそのタイミングだったらヒドイ!ってなっていたかもしれないです。 それにしても父島良いですねえ。私も行ってみたいなあ(´ω`●)

  2. hitomi より:

    今更ながらのコメントを失礼します。
    たった今、これ読み終えました!
    私も沖縄大好きなんですよ!!
    これは、すごくのんびりゆったりさが、伝わってきますね。
    沖縄が舞台ってだけで、独特のテンポですよね。
    主人公の生活ぶりや、環境も!
    東京だったら、もっと殺伐としたサスペンスになるのかも知れないけど。
    本当に沖縄の時間の流れや、雰囲気が全面に出てきてましたよね。
    ひさびさ沖縄行きたくなりました(笑)

    • anpo39 より:

      おおー!それは非常に嬉しいです!沖縄ってなんであんなに良いんですかね。
      沖縄の雰囲気がバンバン伝わってきて、私的にとってもツボなんですわ。
      共感していただけて大変嬉しいです!
      まさに「沖縄」という特殊な舞台でのミステリだから余計に良いんですよね。あの殺人が起きてるのにどこかのんびりた情景がたまりません!
      あー読んでいただけて本当に嬉しいです!
      私も常にめっちゃ沖縄行きたい!って思ってます笑(*´∀`)

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