今回は服部まゆみさんの『この闇と光』のあらすじや感想などを。
「ページ数が少なくて面白い長編ミステリ」というのは数多く存在しますが、今回ご紹介させて頂く『この闇と光』はその中でもトップクラスの作品です。
文庫本のページ数にして約300ページという短さながら、その面白さは保証させていただきます。
正直言いますとできる限り内容を知らないで読んでいただきたいのですが、やっぱりおすすめしたいのでサクッとご紹介しちゃいますね。
どうぞご参考にしていただければ幸いです(●>ω<)っ
服部まゆみ『この闇と光』
今作の主人公は、まだ幼い盲目の「レイア姫」。
レイア姫は森に佇む屋敷で王である「父」と暮らしています。
父はとても優しく、目の見えないレイアのために「ラプンツェル」「デミアン」「赤頭巾」「白雪姫」などの文学や音楽を読み聞かせたりしてくれます。
また可愛いドレスやクマのぬいぐるみを買ってきてくれたりと、とても愛され大切に育てられていました。
唯一の難点は、レイアの使用人「ダフネ」。
ダフネはレイアの面倒を見てくれるものの、「死にたいの?」「殺してやる!」などの暴言をいつもレイアに浴びせる怖い人。
王である父は忙しく、いつもレイアと一緒というわけにはいきません。レイアが一人でいる時は、ダフネに何かされるんではないかと読んでいるこっちもビクビクしてしまうほど。
しかしそんなダフネに怯えながらも、優しい父の愛に包まれながらレイアは少しづつ成長していきました。
しかしある日、
突如として、
世界はガラリと変貌を遂げます。
森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。
世界の崩壊をその目に。
中世ヨーロッパの世界観と美しい文章、読んでいて思わずウットリしてしまうようなゴシックミステリー『この闇と光』。
文庫本の帯にも
すべての世界が崩れゆく快感!!
見事な大どんでん返しでミステリファンを熱狂させた幻の傑作。『この闇と光』帯より引用
なんて書いてありますからね。
こんな風に書いてあるとつい構えてしまうというか、どうなるか予想してしまったりするんですよね。
まあ私自身騙される方が好きなのですが、ある程度「こうなるのかな?」なんて軽い予想をしたりしてたんですよ。
もし予想が当たっちゃったらどうしよう?なんて思いながら。
でもね。
そんな心配は全く入りませんでした。
「どんでん返しがある」とわかっているとそれだけでネタバレ、という意見。とてもわかります。
しかし「どんでん返しのある作品が読みたい」という方に対して「この作品はどんでん返しがあるよ」ということを言わずにどうやってオススメしたらいいのか。正直非常に難しいです。
なので私はこの作品を「どんでん返しがあります!」と宣言してオススメします。
なぜなら「どんでん返しがある」とわかっていてもこれは予想できないからです(多分)。
また一点のどんでん返しだけでなく、数々の伏線を丁寧に回収していく様も見事ですし、美しい世界観を持つ一つの物語として十分に楽しめる作品だからです。
たとえどんでん返しがあるとわかっていたところで、この作品の面白さはそれに左右されるものではないでしょう。
おわりに
というわけで、今回は服部まゆみさんの『この闇と光』を簡単にご紹介させていただきました。
どんでん返しが好き!世界がガラリと変わるようなミステリが好き!という方は読んでおいて間違いない作品でしょう。
ページ数も約300ページほどと短めで、とても読みやすい作品となっておりますのでぜひお時間のある時に読んでいただければと思います。
それでは、良い読書ライフを!(*´ω`)ノ゙
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コメント
コメント一覧 (2件)
今晩ゎ♪
こちらで紹介されているのを見て、すごくそそられました!速攻GET!素敵なファンタジーの世界に誘われる作品でした~(* ´ ▽ ` *)
でもどこかで「どぅ、どんでん返されるん?」といった頭も僅かに働きながら(笑)
最後の章、てか最後の4、5ページあたりですが、個人的にはスッキリハッキリ結論が示されてないような気がして、この先続きがあるとしたらどうなるのかな…って想像させられちゃいました(*゚∀゚)=3
素敵な作品でした~ありがとうございました
☆のりたん☆さん、コメントいただきありがとうございます!そして、読んでいただき、とても嬉しいです。
『この闇と光』の、ファンタジーでちょっぴりダークな世界観は、本当に魅力的ですよね。
私も、物語の続きがどうなるのか、想像を掻き立てられるような終わり方が結構好きです。
こちらこそ、参考にしていただき本当にありがとうございました(*´ω`)