『浜村渚(はまむらなぎさ)の計算ノート』とは、小説家・青柳碧人(あおやぎあいと)さんによる数学ミステリシリーズ。
数学に関して天才的な頭脳を持つ中学生の女の子が、警察と共に「数学の力」でテロ事件を解決していくお話です。
「数学の力」でテロ事件を解決?どういうこと?って感じですが、まずは読んでみてください。
ズバリ、数学の面白さが詰まった小説なんです。
これを読めばきっと数学が苦手な人も「数学楽しい!」って思っちゃうのです。
浜村渚の計算ノートのあらすじ
作品の舞台となるのは、政府によって義務教育から数学が削除されてしまった世界。
この政府の行動に対し「黒い三角定規」という集団が反発します。
彼らは「義務教育における数学の地位を向上させる」ことを要求し、様々なテロ行為を行っていきます。
このテロ行為が数学を利用した高度なものばかりで、警視庁の「黒い三角定規・特別対策本部」は頭を悩ませていました。
しかし、そこにとんでもない少女が現れ、物語は動きはじめます。
天才数学少女・浜村渚!
艶のあるショートカットの前髪を自然に分け、右側の方にピンク色のヘアピンをつけている。顔の輪郭はシャープというより丸く、トロンとした二重まぶたに、不安げな長いまつげ。
背は低く、顔立ちも体つきもまだ子どもっぽいが、あと何年かすれば間違いなく世の男どもを虜にするであろう、美少女の卵だったのだ。
第1巻『浜村渚の計算ノート』6Pより引用
浜村渚が「黒い三角定規・特別対策本部」に現れたとき、誰もが目を疑いました。
こんな中学生の少女が救世主だと?
しかし彼らはすぐに認めることになります。浜村渚の天才的な数学の能力を。
というわけで今作は、中学生の「浜村渚」が主人公&探偵役となり、「黒い三角定規」が繰り出す難問をバンバン解決していく物語というわけです。
そして対策本部の一人である武藤龍之介(むとう りゅうのすけ)の視点で物語が語られていきます。
まあこの浜村渚ちゃんが魅力的というか愛らしいというか(*´∀`*)
数学が苦手でもとても楽しめる!
私の場合、数学は得意でも苦手でもなく「普通」といった感じで、特に数学に興味があるわけでもありませんでした。
しかしこの作品を読むと「数学ってオモシローイ!!!(●゚∀゚)」ってなるんです。ほんとに。
というのも「黒い三角定規」が行うのは、全て数学に絡めたテロ行為なんです。
「この数学の問題が解けなければ大変な事になっちゃうぜ!ヒャッハー」みたいな。
で、その問題も面白いのだけど、それを浜村渚ちゃんが解いていく過程もめちゃめちゃ面白いんです。
正直わたしには難しすぎて訳分かりませんよ。問題を見てもチンプンカンプンです。
そんな問題を浜村渚ちゃんはサクサク解いていくわけですが、ちゃんと警視庁の人たちに「ここはこうなって、だからこうなってこうなるんです」みたいに丁寧に説明してくれるから超優しい。
その説明も面白くて、数学ってすごい!!ってなるんですよ。
しかも素晴らしく読みやすい
数学ミステリーって難しそうなイメージがありますけど、このシリーズはとんでもなく読みやすいです。
中高生向けに書かれたのかなってくらい読みやすい文章なのに、大人の私が読んでも十分に楽しめる内容。
「カルダノの公式」や「フィボナッチ数列」など、数学に触れていない人には知らない言葉も出てきますが、それもわかりやすく説明してくれています。
というのも警視庁の人間は数学初心者ばかりなので、「浜村渚ちゃんが警視庁の人たち説明にする=読者に説明する」みたいな感じなっているんですね。
非常にありがたいですヾ(゚∀゚ゞ)
読む順番は?
このシリーズは必ず順番に読みましょう。
以下が順番です。
②『浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト (講談社文庫)』
③『浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)』
④『浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理 (講談社文庫)』
⑤『浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗って (講談社文庫)』
⑥『浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上 (講談社文庫)』
⑦『浜村渚の計算ノート 6さつめ パピルスよ、永遠に (講談社文庫)』
⑧『浜村渚の計算ノート 7さつめ 悪魔とポタージュスープ (講談社文庫)』
タイトルに数字がふってあるのでわかりやすいですね(●゚ⅴ゚)
数学に興味がない人にこそ
もともと数学が好き!という方はもちろんですが、数学に興味が全くないという方にこそ読んでいただきたいです。
そのほうがより「数学って超面白いじゃん!」ってなると思います。私がそうでしたから。
というか「数学って面白い」っていうより、「あの難しい数学をこんなに面白いと思わせてくれるこの作品がすごい」って事ですね。
とにかく数学の豆知識が盛りだくさんで、「へー!」とか「ほー!」とか言いながら読んでいました。
この作品を小学校のころに読んでいたら、もっと数学を好きになっていたはず。つまり数学の勉強をたくさんするようになり、テストの点数もアップしていたということになる……!くそう!
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