『ファインダーズ・キーパーズ』- 人間ドキュメンタリー要素もある人気ミステリシリーズ第2弾!

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ホラーで有名だったスティーヴン・キングが手掛けた初のミステリシリーズの2作目です。

1作目『ミスター・メルセデス』に続き、こちらもドラマ化しており、日本でもAmazonで配信されています。

ただしこの本は『ミスター・メルセデス』の内容ありきで一部進むので、まず1作品目を読むことをおすすめします。

今作もキングの文才と展開の面白さが光る素晴らしい作品としてかなり良い口コミが集まっています。

犯人についての人間性や細かい描写までしっかり丁寧に書き込まれており、どうしてこのような犯罪に手を染めたのか、どのように人は転落していくのかがわかりやすく描かれていることから当事者になったような気持ちになり、どんどん作品のさらに先を見たくなってしまう展開はキングファンだけでなく、ミステリファンの探求心をしっかりとくすぐってきます。

1作品目よりもはるかにパワーアップした『ファインダーズ・キーパーズ』の魅力を少しでもお伝えできるようにしっかりあらすじと口コミをご紹介致します。

目次

スティーヴン キング『ファインダーズ・キーパーズ』のあらすじ

前作で語られる『メルセデス・キラー事件』で被害にあったソウバーズの息子である少年ピート。

彼は木の下に埋められたトランクを発見する。そのトランクの中には見たこともないような大金と、有名な作家が世に出していない、つまり未発表の作品だった。

いくら『メルセデス・キラー事件』が解決し、犯人が捕まったのだとしても、その遺族の中には大黒柱を失った者もいる。

ピートもそのうちの一人で生活が困窮していた。充分な補償を得られていなかったのだ。

ピートは決して良くない事だと頭ではわかっていた。しかし、貧乏生活を送っている家族を救うため、ピートはそのお金を使う決心をする。

しかし、地中に埋められていた作品の作家を殺し、原稿を盗んだ強盗であるモリスが、数十年ぶりに出所してきたところから物語は歯車をさらに狂わせていく。

しかもピートが原稿を売りに出すために近づいた古書屋さんの店主は、なんとモリスの元仲間だったのだ!

少年ピートと極悪犯モリスはどうつながってしまうのか、そしてこの困窮した少年をホッブズは救うことが出来るのか。恐ろしい大人の手から少年を守ることが出来るのかハラハラが止まらない!

1作品目の犯行の裏にはこのようなヒューマンドラマがあったのかと思うと、胸につまされる者がある作品です。

キングの描く少年の様子や成長していく心の変化が細かく丁寧に書かれていることによって、後半からの疾走感の助走になってパワーを与えているように感じられます。

スティーヴン キング『ファインダーズ・キーパーズ』の口コミ【読者の感想】

それでは実際にこちらを読んだ方の口コミをご紹介いたします。

 

『1作目の『ミスター・メルセデス』から一気読みしました。
本当に読む手が止まらないのはキングの才能だと思います。途中で止まることが出来ません!そのため、長期休みにまとめ読みをすることをおすすめします!
ストーリー自体は短編でもないのに一度エンジンをふかしたらそのまま突っ切っちゃうくらい面白かったです』

 

『1巻でただの引退した元警察官だったホッジズが私立探偵になってからのスタートでさらにわくわく感が増しました。
上下巻があるが、上巻は犯罪手記のような感じでホッジズはほとんど出てこない。しかし、下巻からのスピード感と怒涛の展開が癖になりますよ』

 

『犯人の描写がかなり詳しく、どこか心つかまれるのが素晴らしい。さすがキングだと思った。
普通より優れた人間だったはずの人が、どうしたら黒い世界に転落していくのかという、人間の半生のようなものを丁寧に描き切っていて、それがあるからこそ解決までの流れもつかみやすかった。犯人側の気持ちをここまで深堀してくれていると、感情移入もしやすいし面白い』

 

『1作目の衝撃が残ったままこの作品を読んだのだが、個人的にはこちらの方が好みだった。1作目の面白さを超えていくところがすごいと感心してしまった。
上巻では事件のつながりやあらましを、下巻ではその解決までを描いている感じ。普通なら上巻で中だるみしそうなのだが、全くそんなことはなく、そのままのスピードで下巻まで行けてしまう不思議な傑作だと思う。次作も絶対読もうと誓った』

 

1作目を超えたという意見まで飛び出しました。普通であれば何か事件が合って、それを主人公やそれを取り巻く仲間たちが解決していくのですが、上巻ではホッジズほとんど登場しません。

それでも上巻を読み切ってしまえるのはキングの文才あってのことだと感じます。

キングの描く「子供」がリアルで心を打つ作品

この作品はもちろんミステリなのですが、ドキュメンタリーを見ているような気持ちにもなります。

というのも、当り前のことなのですが、犯罪が起きて誰かが死亡している以上、遺族は存在します。そして、亡くなった人の立場にもよりますが、生活が大きく変わり困窮してしまう人もいるのです。

しかし、私たちはそんなことをあまり気にせず、無機質に流れてくるニュースを見て「強盗だって怖いね」「妻が夫を刺したんだって、長年の恨みかしら」と噂して終わってしまいます。

『ファインダーズ・キーパーズ』に出てくるピートはまさに大人たちの極悪非道な事件に巻き込まれてしまっただけの少年です。

しかし、何が良くて何が悪いのかを子供なりにしっかり考えながら家族を助けようとする姿にはどこか感動を覚えます。

リアリティのある人間模様が犯罪と解決と上手く絡み合う事によって作品により深みを出しているのです。

さらに、ホラー作品でも子供たちはよく出てきますが、キングの描く子供たちは私たちが実際に体験した「大人ってかっこいい」と憧れる純粋な子供たちが多い印象を受けます。

すれてしまった子供たちではなく、等身大であるが故に懐かしさと失ってしまったものを思い出させてくれますよ。

ミステリでもあり冒険でもあり、そして人間ドキュメンタリーにも感じられる人気作品の第二弾を是非お読みください!

 

シリーズ一作目はこちら

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この記事を書いた人

年間300冊くらい読書する人です。主に小説全般、特にミステリー小説が大大大好きです。 ipadでイラストも書いています。ツイッター、Instagramフォローしてくれたら嬉しいです(*≧д≦)

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