アーナルデュル・インドリダソンの『エーレンデュル警部シリーズ』をご紹介するよ!
という事なのですが、この『エーレンデュル警部シリーズ』は決して読んでいて楽しいシリーズではありません。
現在翻訳されている『湿地』『緑衣の女』『声』。
いずれも暗くて、ジメジメしていて、陰鬱で、息苦しい感じ。
どう考えても気持ちのよい作品ではないのに、その面白さでグングン読み進めてしまう魅力のあるシリーズなんです。
しかもとっても読みやすい。
読みやすく、かつ面白い北欧ミステリが読んでみたい、という方にピッタリ。北欧ミステリ入門としてうってつけです。
ぜひご参考にしていただければ幸いです(●>ω<)ノ゙
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1.『湿地』
「エーレンデュル警部シリーズ」の3作目。翻訳版的には1作目。
というわけで本来は3作目なのですが、違和感もほとんどないので問題なく楽しめます。
物語は、湿地に佇むアパートから老人の遺体が発見されることから始まります。
一見計画性のない突発的な犯行だと思われたのですが、現場に残された謎のメモによって事件が大きく動き始める。
さて、今作はタイトル『湿地』の名の通りあまりにもジメジメしています。
不快で息苦しくなるような、なんとも居心地の悪い雰囲気が終始漂います。
しかしそのジメジメした雰囲気こそが今作の魅力の一つ。思いっきりジメジメを堪能しましょう。
残されたメモの意味は?殺された老人の知られざる過去とは?なぜ老人は殺された?そして、犯人は誰か?
謎が謎を呼ぶストーリー展開、読みやすさも相まってグングン読み進められます。
雨のシトシト降る夜に読むと雰囲気がすごく出ますよ(●゚∀゚)ノ
レイキャヴィクの湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。
だが、残されたメッセージが事件の様相を変えた。
2.『緑衣の女』
翻訳版2作目。
子供が骨をしゃぶっている、という衝撃的な展開で物語は始まります。この時点でグッと話に引き込まれてしまう。
いったい誰の骨なのか?そして発見される白骨死体。事件の陰に見え隠れする「緑衣の女」の正体とは。
『湿地』のジメジメとはまた別の、重く暗くねっとりした気分の悪さ。
読み進めるのが辛くなるほどの暴力描写があったりするのに、なぜか読む手は止まらず一気読みさせられてしまう魅力がこの作品にはあるのです。
決して読んでいて楽しい作品ではないですが、『湿地』を面白いと感じた方はぜひ読んでいただきたいです。
住宅建設地で発見された、人間の肋骨の一部。事件にしろ、事故にしろ、どう見ても最近埋められたものではない。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近にはイギリス軍やアメリカ軍のバラックもあったらしい。
3.『声』
有名ホテルのドアマンが地下で殺されていた。しかもサンタクロースの格好で。
この男に何が起こったのか。そしてその男の過去とは。
ご想像通り、今作もまたズッシリと胸にのしかかるような重たさがあります。当然読み応えは抜群。
相変わらず重たいテーマなのにスルスル読めてしまうこのシリーズ。
現在この記事を書いている時点では『湿地』『緑衣の女』『声』の3作品しか翻訳されていません。
ですが原作ではまだまだシリーズが続いているので、これからどんどん翻訳していただけることに期待です(´艸`*)
クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下室で、一人の男が殺された。ホテルのドアマンだという地味で孤独な男は、サンタクロースの扮装のままめった刺しにされていた。
おわりに
このシリーズは謎解きやトリックに驚愕するというより、人ひとりの人生や家族の抱える問題と闇にすごく魅せられるんですよね。
なんかもう、ただのミステリー小説ではないというか。
北欧ミステリに興味をお持ちの方は、ぜひ一度読んでみていただけたら嬉しいです。
他にも『ショーベリ警視シリーズ』や『エーランド島四部作』というオススメの北欧ミステリシリーズがありますので、ぜひ参考にしてみてください。


それでは最後までありがとうございました。
良い読書ライフを!(●>ω<)ノ゙
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