その他小説– category –
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小池真理子『異形のものたち』この世ならざるものに出会う怪談集。
タイトルの通り、失われていく美しい風景の中で確かに存在した異形のものたちを描く短編集です。 母の遺品整理のために実家に戻った邦彦が、遺言に導かれて不思議な出会いを果たす「面」。 亡くなった友人がかつて住んでいた森の中の家に訪れた主人公。友... -
澤村伊智『ぜんしゅの跫』比嘉姉妹シリーズ!非日常のゾクゾクを感じられる素晴らしい短編集
澤村先生の比嘉姉妹シリーズをご存知でしょうか。 比嘉姉妹とは、比嘉真琴、琴子という二人の巫女姉妹と、真琴の彼氏野崎などが登場するホラーシリーズです。 全5作発売されており、一作目である『ぼぎわんが、来る』は漫画化をしたことで話題となり、さら... -
澤村伊智『うるはしみにくし あなたのともだち』-同級生の顔が次々に崩れていく呪いをかけたのは……。
物語の舞台は都立四ツ角高校という学校。 30年ほど前に飛び降り自殺した少女の幽霊が今でも学校をさまよっているという噂が、生徒たちの間で囁かれていました。 その幽霊に選ばれた生徒はその呪いによってクラスメイトの顔を醜くできると言われています。... -
『図書室の怪 (四編の奇怪な物語)』-怪奇小説を研究しつくした著者が贈る英国ゴーストストーリー短編集
ジャック・トレガーデンは旧友の依頼で図書館の蔵書の改訂をすることになります。 数年ぶりに再会した旧友は見違えるようにやつれ果てており、ジャックはその理由を聞き出します。 友人は亡くなった妻が亡霊の影に悩まされていたことを明かします。友人は... -
Kindle Unlimitedおすすめ小説まとめ!無料で読み放題【随時更新】
さて、今回はKindle Unlimitedで読み放題のおすすめ小説をご紹介させていただきます。 Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)は、Amazonが提供する、月額課金制の本読み放題サービスです。 月額980円で、対象の本がいつでもどこでも読み放題になりま... -
伊坂幸太郎『逆ソクラテス』-世界をひっくり返す、読んで気持ちいい伊坂ワールド短編集!
タイトルから感じられる難しさとは裏腹に、読んだ人が口をそろえて「読みやすい」「読書を趣味としていない自分でも気付けば読み終えていた」と言わせてしまう珠玉の短編集、それが伊坂幸太郎の『逆ソクラテス』。 そんな魅力的な本書をご紹介して... -
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』-時代をまたいで疾走する極上のエンターテインメント!
『シーソーモンスター』は「螺旋プロジェクト」と言われる企画で生まれた作品。 この一冊に「シーソーモンスター」と「スピンモンスター」の2編が収められています。両方200ページくらいの小説です。 どちらも会えば対立してしまうという「海族と山族」を... -
『噛みあわない会話と、ある過去について』-胸の底がゾクリとざわつく、鏡の裏表ですれ違うたった一つの思い出話
可愛い表紙に騙される、そういうのは今まで何度かあったんですが、今回はかなり大幅に騙されました。 いや、ほんとに。 で、本作は4編の短編からなる短編集。 そんな事実も手伝って、なんだか表紙可愛いし短編集だから気軽にお昼の読書にでも……なんて思っ... -
第57回メフィスト賞受賞作『人間に向いてない』が面白すぎて徹夜で一気読みしました
数年前から、人間がある日突然に異形の姿へと変貌してしまうという病が発生し始めた。 この病は『異形性変異症候群(ミュータント・シンドローム)』と名付けられた。 不思議なことに、この病は誰にでも発症するわけでなく、若者の中でも引きこもり... -
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』-愛おしい!こんなに可愛いロボットが他に存在するだろうか
AIの開発が進み、家庭でもアンドロイドが使われるようになった近未来。 イギリスに住むベンは妻のエイミーとともに、死んだ両親が残してくれた家で生活をしていた。 ベンは獣医師を目指していたが、両親が亡くなったことで家に引きこもるようになり... -
渡辺優『ラメルノエリキサ』-復讐に生きる少女・小峰りなの華麗なる青春ハードボイルド。
宮部みゆきさんが絶賛したという、小説すばる新人賞受賞作『ラメルノエリキサ』。 これはタイトル買いですよね。 単行本のときから気になっていたんですが、この度ついに文庫化しました。 「ラメルノエリキサ」という言葉の真相を明かしていく青春... -
辻村深月『青空と逃げる』-一本の電話に平穏な日常を奪われた、母と息子の再生の物語。
正直まだ『かがみの孤城』の余韻に浸っていたんですが、早くも辻村深月さんの新刊が発売となりました。 2015年5月から2016年5月にかけて、読売新聞に掲載されていた小説の単行本化。 読まないという選択肢はありません。 家族の、母と子の物語です。 表紙... -
藤まる『時給三〇〇円の死神』が切なすぎて痛すぎて苦しくて、涙さえ出なかった。
ジャケ買いならぬ「タイトル買い」をよくしてるんですけど、ある日ビビビッ!と感じた作品がありまして。 それが藤まるさんの『時給三〇〇円の死神』という作品なんですけど。 これはいい作品の匂いがする!と思って読んでみたら、これが想像以上に胸を苦... -
道尾秀介『透明カメレオン』-「声だけ」魅力的なラジオパーソナリティが世界を救う物語
ああ、そうだ、これが道尾秀介さんだ。 と、読み終わったあとしばらく余韻に浸ってしまった。 本書『透明カメレオン』は、道尾さんの作家生活10周年を記念して、あらゆる情熱を注ぎ込んで書いた作品。 単行本で読んでいましたが、先日文庫化したのをキッカ... -
『きまぐれな夜食カフェ』-マカン・マランシリーズは悩める人に突き刺さる最高のお料理小説です
待望のマカン・マランシリーズ第3弾、古内一絵さんの『きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび』が発売しました。 美味しそうな料理が出てきて心が温まる系の小説は好きで、他にも結構読んでいますが、私の中では『東京すみっこごはん (光文社文庫)... -
最近の新刊『ホワイトラビット』『騙し絵の牙』『忌物堂鬼談』感想まとめ
9月中に読んだ面白かった新刊の中で、 伊坂幸太郎さんの『ホワイトラビット』 塩田武士さんの『騙し絵の牙』 三津田信三さんの『忌物堂鬼談』 の記事を書けずに放置してしまっていたので、一気にまとめて書いちゃおうと思います(*´∀`*) 【伊坂幸太... -
『文学効能事典』-インフルエンザにかかったら『アクロイド殺害事件』を読む理由とは
この本は、体や心の具合が悪いと感じた時に開いて、その対処法を知るために参考にしてほしいーーといっても、いわゆる健康本や医学解説書とは違う。 P.15「はじめに」より 本書を一言でいえば、あなたの抱える「病」や「悩み」にピッタリの小説をオ... -
芦沢央『バック・ステージ』-晴れやかな舞台の裏には、それぞれの知られざる物語があった
芦沢央さんの最新刊が登場です。 芦沢さんといえば『許されようとは思いません』『罪の余白 (角川文庫)』『悪いものが、来ませんように (角川文庫)』など、いわゆる後味悪い系の、重い雰囲気の作品が特徴、とわたしの中では思っていました。 それが今回、... -
久坂部羊さんのおすすめ小説5作品を読んで医療小説にハマっちゃおう!
というわけで「面白い医療小説」といえばこの方、久坂部羊(くさかべよう)さんのおすすめ小説をご紹介です。 久坂部羊さんの小説の何が面白いって、医療の世界の「リアル」さなんですよね。 なんでこんなに臨場感あふれる書き方ができるの?医師なの?っ... -
幻冬舎文庫「心を運ぶ名作100。」から特におすすめしたい12作品を選んでみた
幻冬舎文庫さんより「心を運ぶ名作100。」という夏の文庫フェアが開催中です。 新刊の話題作から、この夏に読んでほしい名作まで、100作品以上をラインナップされたそうです! こういうの、テンション上がりますね(*´∀`*) ・幻冬舎文庫「心を運ぶ名...