その他小説– category –
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『ペッパーズ・ゴースト』- エンタメ小説の真骨頂!センスが光る極上の人間群像劇
飛沫感染すると相手の翌日の未来が見えるという、何とも現代においてタイムリーな能力を持つ主人公・檀先生。 そんな檀先生は、〈猫ゴロシ〉の視聴者・支援者に過激な復讐をする奇妙な二人組、「ネコジゴハンター」の様子を描いた不思議な自作小説を女子生... -
佐藤究『テスカトリポカ』- 臓器売買と宗教が絡み合う究極の問題作
メキシコの麻薬密売人、バルミロ・カサソラは、抗争の果てに国を追われジャカルタで日本人の臓器ブローカー・タナカと出会う。 バルミロは神の手を持つもののお尋ね者である心臓外科医のタナカと日本に密入国し、臓器ビジネスを手がけることにした―。 一方... -
最高に面白い文庫本小説おすすめ100選
さて、今回ご紹介させていただくのは、最高に面白くてオススメの文庫本(小説)です。 ミステリー、ホラー、ファンタジー、青春モノなど、ジャンルは問わず、とにかく「これは面白い!」「読んで良かった!」と思った名作小説をどどーんとご紹介していきま... -
『ぬばたまの黒女』- ホラーミステリーの決定版!二転三転する怪異に挑む、罪と償いの謎解き物語
「罪」や「許し」をテーマに、生まれ故郷の村に里帰りした主人公が過去の惨劇に端を発する怪奇現象に巻き込まれるという、王道ホラーでありミステリー作品としてのこだわりも感じられる凝った作りの本作。 作者の大ヒットデビュー作『ナキメサマ』シリーズ... -
阿泉来堂『ナキメサマ』 – 北海道のある村に伝わる恐ろしい儀式の正体とは?
尚人には未だに忘れられない初恋の相手・小夜子がいた。 ある日突然その高校時代の初恋相手・小夜子のルームメイトだという女性が訪ねてくる。 なんでも小夜子が帰郷してから連絡が途絶えてしまったので、一緒に探してほしいと言うのだ。 強引に連れ出され... -
芦花公園『異端の祝祭』- カルト教団の不気味な背景に迫る新感覚ホラー
就職浪人生である島本笑美は失敗続きの毎日に疲れていた。 失敗の原因は自分でもよく分かっている、それは彼女の普通の人とは異なるとある点が原因だった。 ―そう、彼女には生きている人間とそうでないものとの区別がつかないのだ。 そんな不幸な体質の少... -
芦花公園『ほねがらみ』- 怪談収集家の元に寄せられた怖い話が実は……。
大学病院に勤める医者である「私」の趣味は怪談の収集。 手元に集まるものは意味不明で不気味な知人のメールや民俗学者の手記、インタビューのテープ起こしまで様々であった。 そんな奇妙な話に登場するのは呪われた村や手足のない体、白蛇の伝説など特別... -
『でえれえ、やっちもねえ』時代ホラーの決定版!20年の時を経て蘇る恐ろしい4つの物語
江戸、 明治、 大正、 昭和…4つの時代を舞台に、 おぞましい怪異と人間の業が交錯する恐怖の短編ホラー作品が詰まった、凝った作りの本作。 20年前に発売し日本ホラー小説大賞を受賞した平成時代の傑作ホラー小説『ぼっけえ、 きょうてえ』の正統後継作と... -
『スイッチ 悪意の実験』- 第63回メフィスト賞受賞!圧巻の実験ミステリ
「日当一万円」。 アルバイトと称したある実験に6名の大学関係者が参加させられるところから始まる今作。 主人公である大学の文学部に通う女の子が語り手となって物語は進行していきます。 アルバイトの内容は「純粋な悪」の存在を証明する実験というもの... -
『アウトサイダー』スティーヴン・キング、圧倒的恐怖の最新作
アメリカジョージア州にある片田舎のフリントシティで事件は起こります。 11歳の少年、フランク・ピーターソンの死体が発見されるのです。 警察官の主人公、ラルフ・アンダーソンは現場に残されていた指紋や周囲の目撃情報、防犯カメラの映像から犯人を特... -
『世界が終わるわけではなく』- 野心的で遊び心に満ちた、奇妙な味わいの作品集。
みなさんは本を選ぶ際、表紙もひとつの要素となるのではないでしょうか。 本作の表紙に目線をうつしますと、同じソファひとりの女性と同じ背丈の猫がいます。 その猫が足を組んでアイスクリーム容器に手をつっこんで食べているではありませんか。 その姿は... -
『昨日星を探した言い訳』-倫理とは?正義とは?自分が思う「正しさ」に忠実な男女の青春ストーリー
25歳の坂口孝文は、学生時代に同級生の茅森良子を裏切ったことを悔やんでいました。 当時の過ちを謝り、罪を償いたいと考えていた坂口は、思い切って茅森に手紙を出します。 彼が悔いていたのは、高校2年生の時の出来事。 14歳の時、中高一貫の共学校であ... -
『彼女がエスパーだったころ』-『わたし』が綴る、科学と宗教が融合したルポルタージュ調・SF連作短編集
ノンフィクションとルポルタージュの違いはご存知でしょうか。 辞書でひきますと、ノンフィクションとは史実や記録に基づいた文章や映像などの創作作品であり、ルポルタージュとは新聞や雑誌、放送などにおける現地からの報告のことです。 それを踏まえて... -
宮内悠介『超動く家にて』-最高に頭良い人が最高にふざけた物語
最近は忙しい人も増えてきて「5分後に意外な結末」シリーズなどに一定の人気があります。 2013年12月にシリーズ第1巻が刊行されてから、2021年3月時点でシリーズ累計発行部数は330万部を売り上げているそうです。 ショートショート小説、また短編小説には... -
『ミスト 短編傑作選』映画『ミスト』の原作小説収録!ゾクゾクが襲い掛かるキングらしい短編集
ホラーの天才と呼ばれるキング。 彼の作品はいくつも映像化されていますが、この『ミスト 短編傑作選』の中に収録されている『霧』も『ミスト』という名前で映画化がされています。 この映画が公開されたときのレビューは「救いがない」「良くも悪くも一貫... -
『闇のシャイニング リリヤの恐怖図書館』キングに捧げる恐怖と戦慄の傑作アンソロジー
スティーヴン・キング氏が学生時代に執筆した、マニアにとっては非常に貴重な「青いエアコンプレッサー」。 日本では長く翻訳されることのなかった、インターネット上での男女のやり取りをリアルに描く「ネット」。 ホロコーストについて描いた小説が大ヒ... -
『夏の雷鳴 わるい夢たちのバザールII』恐怖の帝王キングの最新短編集その2
知的障害のある選手がメジャーリーグのチームに入団しました。 彼は優秀で、観客からもどんどん人気になっていきます。しかしその裏には不吉な影が漂っていました。(「鉄壁ビリー」) 父が死んで、主人公の少年と母親は保険金で優雅な暮らしを楽しんでい... -
『マイル81 わるい夢たちのバザールI』恐怖の帝王キングの最新短編集その1
主人公が車を走らせていると、薄汚いワゴン車が停車しているのを見かけます。 事故かもしれない、怪我人がいるかもしれないとその車に近づいた主人公はその瞬間、激痛に襲われます。初期のスティーヴン・キングらしさを満喫できる「マイル81」。 ハラスは... -
『なんでもない一日シャーリイ・ジャクスン短編集』不可思議でおそろしい23の短編。
人間の不気味な心理を描く小説家として有名なシャーリイ・ジャクスン氏の死後に発見された原稿から選ばれた、23篇の短編と5篇のエッセイからなる短編集です。 「なんでもない日にピーナツを持って」では行き過ぎた正義感を描きます。 「悪の可能性」では良... -
『死んだら飛べる』恐怖のフライトへようこそ!飛行機をテーマにした傑作アンソロジー
スティーヴン・キング、ジョー・ヒルなど人気作家の作品を含む17編が収録されています。 いずれも飛行機や空を飛ぶことを題材としており、空を飛ぶ大きな鉄の塊が果たして本当に安全なのか?と思わず飛行機に乗るのが怖くなってしまうこと間違いなしです。...