国内ミステリー小説– category –
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北森鴻『螢坂 香菜里屋シリーズ3』- 何度でも味わいたい、極上の連作短編ミステリー
日本に戻ってきたカメラマン・有坂祐二は若き日の面影を探して街をさまよう。 そんな彼が偶然辿り着いたのは路地裏にたたずむビアバー《香菜里屋》であった。 有坂はかつて別れた恋人・奈津美の名を《香菜里屋》で耳にする。 ビアバー《香菜里屋》は元恋人... -
北森鴻『桜宵 香菜里屋シリーズ2』- ビアバーで繰り広げられる連作短編ミステリーの金字塔
東京三軒茶屋の裏路地にあるビアバー《香菜里屋》。 隠れ家のようなそのお店では、マスターである工藤がいつもお客たちを笑顔で迎えてくれていた。 ―ある日警察官である神崎守衛は妻の遺品の中から1通の手紙を見つける。 その内容は三軒茶屋のビアバー《... -
恩田陸『薔薇のなかの蛇』- 英国の館で起きる怪事件を描く、理瀬シリーズ17年ぶりの最新長編!
イギリスに留学中のリセ・ミズノはとあるパーティーに招かれる。 それは薔薇をかたどった“ブラックローズハウス”と呼ばれる館で催されるものであり、そこには貴族であるレミントン一家が住んでいた。 リセはパーティーに招いてくれた友人・アリスやその家... -
市川憂人『ボーンヤードは語らない』 本格ミステリの名手が放つマリア&漣シリーズ第4弾!
本作は市川憂人さんの大人気ミステリシリーズの最新作で、『ジェリーフィッシュは凍らない』『ブルーローズは眠らない』『グラスバードは還らない』に続く第4弾です。 1話目「ボーンヤードは語らない」はU国A州の空軍基地にある飛行機を収容する施設「飛... -
『黒牢城』- 米澤穂信が挑む、戦国×ミステリの新王道。
時は天正6年(1578年)、本能寺の変の4年前。 大阪北部に聳える巨城、有岡城を黒田官兵衛が訪れます。 織田に叛旗を翻した城主、荒木村重に、謀反を撤回するよう説得しに行ったのです。 けれども、村重は官兵衛をとらえ、土牢に幽閉してしまいます。 信長... -
『琥珀の夏』- 圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月さん待望の新作!
弁護士である近藤法子がある施設を尋ねるところからこの物語は幕を開けます。 そこはかつて自分も一時を過ごしたことのある「ミライの学校」。 カルト教団として批判の的になったその施設である日、少女の白骨遺体が発見される。 そのニュースを見た法子は... -
西澤保彦『パズラー 謎と論理のエンタテインメント』- 謎と論理にとことんこだわったミステリ短編集
サラリーマン生活を経て、やっとの思いで小説家になれた日能克久。 高校の同窓会に出席するにあたり、幹事から衝撃の事実を聞くこととなる。 なんと交通事故で亡くなったと思っていたクラスメイト・梅木万理子が生きていたというのだ。 どうしてそんな勘違... -
加藤元浩『奇科学島の記憶』- 不老不死人間が実在したとしか思えぬ事件の真相とは?
主人公の刑事七夕菊乃、警察官深海安公のコンビは、奇化学島にバカンスのため訪れていました。 奇妙化学島では不老不死の研究がおこなわれていたという伝説があります。 そしてこの島で連続殺人事件が起こりました。 事件の謎を追うと、被害者が一度生き返... -
下村敦史『白医』- 命の尊厳に切り込む傑作医療ミステリー!
ホスピスで起きた3件の連続不審死事件。 末期がん患者に安楽死を行ったとして、医師である神崎秀輝は裁判にかけられていた。 証人席からは亡くなった末期がん患者の妻・多香子の悲痛な声が響くが、神崎の口からは依然として何も語られず、他2件の不審死に... -
『雷神』- 道尾ミステリーの真骨頂!善意と悪意が複雑に絡み合い新たな悲劇が始まる衝撃作
物語の至るところに様々な伏線が張り巡らされ、終章で全てが繋がり衝撃の大どんでん返しが待ち受ける、凝った作りの本作。 良くある共働き家族の平穏な日常が突然終わりを迎え、15年の月日が流れたある日。 主人公のもとに掛かってきたある一本の脅迫電話... -
深緑野分『この本を盗む者は』新たなジャンルを確立!ミステリとファンタジーが融合した名作
深緑野分先生は、かつて書店のパート店員だったところから専業作家に転向した作家です。 作家として専業で活動してからすぐに、短編「オーブランの少女」で東京創元社主催の第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に輝き、作家デビューを果たします。 そんな深緑... -
『スイッチ 悪意の実験』- 第63回メフィスト賞受賞!圧巻の実験ミステリ
「日当一万円」。 アルバイトと称したある実験に6名の大学関係者が参加させられるところから始まる今作。 主人公である大学の文学部に通う女の子が語り手となって物語は進行していきます。 アルバイトの内容は「純粋な悪」の存在を証明する実験というもの... -
『ミステリー・オーバードーズ』- 嫌悪感?快楽?どちらとも選択出来ない世界が描かれている物語
食べることや何かを身体に取り込む事を主眼としている5作品からなるミステリー。 前作では、「少女を殺す100の方法」という何やら物騒と言いますか、恐怖に打ちひしがれてしまうようなタイトルの小説を書いている白石智之さん。 猟奇的な印象を持ち合わせ... -
『スカイツリーの花嫁花婿』- ラブコメミステリの決定版!各章で人々がリンクしていき全員が主人公となる群像劇
8人の個性的な登場人物が各章で主人公となり、そしてリンクしていくという、凝った作りの本作。 物語は「カーテンコール 結婚式当日」と題された、挙式直前のシーンから始まる。 この章の主人公は花嫁で、別室にいる花婿のことを考えながら、ウエディング... -
柚月裕子『月下のサクラ』- 組織に巣くう不条理な倫理。 刑事・森口泉が闇に挑む!
東京で3年間OL生活を経たのち、故郷、米崎県に戻って県警の広報課で一般職として働いていた森口泉。 ある事件を追及する中で理不尽な現実に直面し、刑事になって自分の信念を貫こうと決意するまでが前作『朽ちないサクラ』でした。 それから5年。 揺るぎな... -
芦沢央『神の悪手』- 将棋に憑りつかれた者たちの数奇な物語
芦沢央さんによる、将棋をベースとしたミステリ短編集です。 奨励会。 それは日本将棋連盟のプロ棋士養成機関。 26歳までに将棋のプロになる事ができなければ、強制的に退会。 望んで退会する者は誰一人いない。誰しも、退会しない為にも、日々苛烈な競... -
綾辻行人『暗闇の囁き』が新装改訂版で登場!美しい兄弟のそばで起きる連続殺人の秘密とは
東京から4時間ほどの山地、烏裂野(うさきの)。 かつて別荘地として開発する計画が持ち上がったものの、突如計画が中止となった歴史がある、どこか不気味な場所です。 東京の名門大学に在籍する大学生・悠木拓也は、大学院を受験するための勉強に集中できる... -
松嶋智左『匣の人』- 元女性白バイ隊員が描く、緻密な交番ミステリー!
これはある交番で勤務している2人の警察官を中心とする物語です。 1人目が巡査部長である貴衣子。彼女は元々刑事課に所属していたのですが、とあることがきっかけで交番勤務に自ら異動していました。 性格は真面目で正義感が強く、仕事熱心です。そこが原... -
『六人の嘘つきな大学生』-心理戦とどんでん返しが素晴らしい新感覚ミステリ
人気テレビ番組「王様のブランチ」でも紹介された浅倉先生の話題作、「六人の嘘つきな大学生」。 今までになかったタイプのミステリと心理戦をうまく書き出し、ページをめくる手が止まらなかったと非常に話題になっています。 よくあるミステリだと人が殺... -
有栖川有栖『朱色の研究』-美しく秀逸なストーリーに魅せられる本格ミステリ!
過去の体験から夕日のようなオレンジ色に恐怖するゼミ生の貴島朱美。 そんなゼミの教え子から臨床犯罪学者である火村英生は2年前の未解決殺人事件を再調査してほしいと依頼される。 火村は友人である推理作家の有栖川有栖とともに事件の調査を開始すること...