国内ミステリー小説– category –
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下村敦史『法の雨』-判事が下した判決が、裁判官、検察官、弁護士、被害者、加害者それぞれの正義を狂わせていく
厳格な法律の適用から、「無罪病判事」とさえ揶揄されてきた嘉瀬清一は、裁判の結審直後に倒れてしまう。 言い渡されていたため有効とされた判決はまさかの『逆転無罪』であり、この無罪判決によって将来の出世の道を断たれたも同然の検察側・大神護はすっ... -
Kindle Unlimitedおすすめ小説まとめ!無料で読み放題【随時更新】
さて、今回はKindle Unlimitedで読み放題のおすすめ小説をご紹介させていただきます。 Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)は、Amazonが提供する、月額課金制の本読み放題サービスです。 月額980円で、対象の本がいつでもどこでも読み放題になりま... -
有栖川有栖『濱地健三郎の幽【かくれ】たる事件簿』ミステリとオカルトと現実の三つ巴が襲ってくる新感覚シリーズの2作目!
有名ミステリ作家の有栖川有栖の短編集の本作は、年齢不詳の探偵・濱地健三郎と助手・志摩ユリエが登場するシリーズの2作目です。 1作目の「濱地健三郎の霊(くしび)なる事件簿」もかなり面白いと話題になりましたが、この2作目もかなり好評だったのでご... -
朝永理人『幽霊たちの不在証明』- 読みやすいのに本格ミステリ、その内容に舌を巻く!
皆さんは朝永理人さんをご存知でしょうか。 第18回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、今作にてデビューした、弱冠29歳の今を引っ張っていきそうなミステリ小説家です。 若さゆえのフレッシュでライトノベルのような読みやすさと新人とは思... -
白井智之『そして誰も死ななかった』-五人全員が死んだとき、本当の「事件」が始まる
「そして誰も死ななかった」の物語は、五人の推理作家が覆面作家である「天城菖蒲(あまき・あやめ)」に招待され、絶海の孤島にある天城館に集められるところから始まります。 五人は天城館にやって来ますが、肝心の招待主である天城菖蒲の姿は見えません... -
倉知淳『月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)』15年ぶりのシリーズ最新作!
軽やかな身のこなし、気まぐれで愛嬌のある性格、子猫のような瞳。 「猫丸」という一風変わった名前がなぜかしっくりくる猫丸先輩が、日常に潜む謎を解き明かしていく短編集です。 たまたま見かけた外国人の謎の行動の意味、 雑誌編集部に送られてきた写真... -
五十嵐律人『法廷遊戯』-第六十二回メフィスト賞受賞作。感動と衝撃の長編法廷ミステリー!
『法廷遊戯』の物語は、司法試験合格を目指してロースクールに通う久我清義(くがきよよし)が一枚のビラを発見するところから始まります。 ある日、久我が通うロースクールの自習室に、何者かの手によって1枚のビラが配られます。 そのビラの内容は久我の... -
東川篤哉『君に読ませたいミステリがあるんだ』-「推理」を愛するすべての人へ。
私立鯉ヶ窪学園高校に入学したばかりの主人公は、ちょっとしたきっかけで第二文芸部に迷い込んでしまいます。 そこにいたのは自称学園一の美少女、水崎アンナでした。 水崎は主人公に自身で執筆したミステリー小説を読ませます。 その小説の中で水崎は容姿... -
小林泰三さんのおすすめ小説15選【ミステリ、ホラー、SF、全てが最高峰】
今回おすすめさせていただきたいのは、《ホラー短編の名手》などと呼び声の高い小林泰三さんの作品です。 しかし、小林さんの面白い作品は何もホラー短編だけっていうわけでなく、ミステリーもサスペンスもSFもとっても面白いのです。 幻想的でどんでん返... -
城平京『虚構推理 スリーピング・マーダー』人気シリーズの3作目。琴子の人間性をなぞっていく深みのある作品!
第1作目の『虚構推理 鋼人七瀬』以来の長編作品である、『スリーピング・マーダー』。 2作目もヒットしましたが、3作目も読者を不思議な世界にいざなってくれています。 全てが嘘で不真実なのに、読み終わると妙に納得してしまう、今までのミステリとは180... -
城平京『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』読み終わると満腹感を楽しめる、人気異色ミステリー第2弾!
アニメ化やコミカライズもされている、城平先生の人気作品『虚構推理』。 この『岩永琴子の出現』はシリーズ2作目にして短編集となっています。 前作『虚構推理』では長編物語であり、虚構と現実が入れ替わるという変わった攻防戦を楽しむ新感覚ストーリー... -
城平京『虚構推理』ミステリ作品なのに嘘推理!?衝撃の異色なストーリー展開に感動!あらすじと口コミ感想
城平京先生といえば『虚構推理』シリーズ、と言っても過言ではない代表作、その第一弾が『虚構推理』(改題前は『虚構推理 鋼人七瀬』)です。 この作品で城平先生は第12回本格ミステリ大賞受賞も受賞しました。 現在は2015年からこの作品は講談社コミック... -
芦沢央『僕の神さま』-日常で起きた「悲劇」が胸をえぐる、切なく残酷な連作ミステリー
主人公の小学生佐土原とその同級生水谷との交流を描く四篇の連作短編集です。 水谷くんは、学校や生活の中で起こる謎を相談するといつも神さまのように解決してくれます。 水谷くんは小学生とは思えないほど豊富な知識と洞察力を持っており、クラスメイト... -
芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』-研ぎ澄まされたミステリ5篇からなる、傑作独立短編集
まさに「これぞ芦沢央!」という感じの良い意味でイヤーな後味が残る短編集です。私はこの後味が大好きなのですよ(*゚∀゚*) 夏休みに起こしてしまった些細なミスを隠したい小学校の教師、認知症の妻を傷つけないための奮闘する夫、不倫相手をなんとかして見... -
市川憂人『揺籠のアディポクル』-ウイルスすら出入り不能の密室で、誰が彼女を殺した?
体の免疫力が低く、無菌病棟で生活している少年と少女が主人公の本格ミステリー小説です。 完全の外の世界と隔離された無菌病棟は、ある日嵐によって遮断されてしまいます。 スタッフも訪れることができなくなった病棟に閉じ込められた二人ですが、少女が... -
『倒錯のロンド』-折原一さんの原点にして傑作が「完成版」で登場!これを読まずして何を読む!
出版社勤めをしていた山本安雄は、推理小説家になることを夢見て退職します。 その後推理小説を執筆して新人賞に応募しますが、一次予選で落ちてしまいました。 後に同作を書き直し、今度は自信を持って新人賞に応募しようと試みますが、しかしひょんなこ... -
『誰彼』-法月綸太郎さんの名作が新装版で登場!首のない「彼」は一体誰なのか……?
汎エーテル教団という宗教団体のもとに一通の手紙が届く。 それは教祖である甲斐辰郎への殺害予告でした。 甲斐辰郎は宗教団体が生活する村の塔で完全な密室の状態で瞑想していましたが、直後にアパートの一室で首のない死体となって発見されます。 見張り... -
櫻田智也『蝉かえる』 -ブラウン神父、亜愛一郎に続く、名探偵・魞沢泉の鮮やかな推理劇!
昆虫好きでコミカルな探偵・魞沢(えりさわ)泉が主人公の短編集・第二作目。 2021本格ミステリ・ベスト10で2位となっただけあり流石に面白いです。 [kanren id="13386"] 前作『サーチライトと誘蛾灯』を読んでいなくても十分に楽しめるのでご安心ください... -
櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』-昆虫オタクの青年が、奇妙な謎を鮮やかに解き明かす
「サーチライトと誘蛾灯」「ホバリング・バタフライ」「ナナフシの夜」「火事と標本」「アドベンドの繭」の5篇からなる連作短編集です。 物語の主人公はいずれも魞(エリ)沢泉という青年。 彼は探偵でも刑事でもなくただの昆虫オタクで、全国各地の珍しい... -
彩坂美月『向日葵を手折る』-ラストで明かされる真相に、慟哭必至の青春ミステリ
小学六年生の高橋みのりは、突然に父を亡くし、山形の集落に引っ越してきました。 これまでの生活とは何もかも違う新しい環境に圧巻されながらも、家の近くの神社でであった同い年の藤崎怜と心を通わせ始めます。 さらに西野隼人、犬飼雛子といった同級生...