国内ミステリー小説– category –
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浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』彼らはなぜ自殺をしたのか?新世代・青春本格ミステリ
ある高校で連続して三人の生徒が自殺をしたことから物語は始まります。 一人目は首吊り、二人目と三人目は飛び降り。 この三件の自殺には同じ文面の遺書が残されていたことから、何か深い関係があるのではないか?と噂が立ちました。 主人公は連続自殺にシ... -
浅倉秋成『九度目の十八歳を迎えた君と』“青春の空回り”を巧みに描いたミステリ長編
営業マンとして働く主人公の間瀬豊はある日不思議な出会いを果たします。 駅のホームの向かい側に立っているのは、かつてのクラスメイト、二和美咲でした。 しかし美咲は高校の制服を着ており、見た目も当時とまったく変わりません。 そう、彼女は18歳のま... -
『あと十五秒で死ぬ』『蒼海館の殺人』など最近読んで面白かった新刊まとめ
ここ最近1ヶ月くらいの間に読んだ新刊の中で面白かったおすすめ作品を5作品紹介させていただきます。 どうぞ参考にしてくださいな! 【1.榊林 銘『あと十五秒で死ぬ』】 殺害された「私」が、死神から与えられた十五秒を使って、自分を殺した相手に対し反... -
川澄浩平『探偵は友人ではない』-第28回鮎川哲也賞『探偵は教室にいない』に続く、待望のシリーズ第2弾
主人公の海砂真史は、過去のちょっとしたことから幼馴染の鳥飼歩とさまざまな問題を解決するようになりました。 鳥飼歩は中学校にも通わず自由奔放な性格をしていますが、非常に頭が切れて、真史にとって頼りになる探偵のような存在です。 何かある度に真... -
白井智之『名探偵のはらわた』-名探偵VS歴史的殺人犯。最凶殺人鬼たちが蘇り、また殺戮を繰り返す!
『名探偵のはらわた』は「神咒寺(かんのうじ)事件」「八重定事件」「農薬コーラ事件」「津ケ山事件」という四編からなるお話なので、序章にあたる「神咒寺事件」についてご紹介していきます。 浦野灸探偵事務所で働く青年、原田亘は岡山県で起こった事件... -
法月綸太郎『赤い部屋異聞』-元ネタを知っていても知らなくても二度おいしい恐怖のミステリ作品
原作をオマージュしてさらにおいしく調理してしまう法月先生マジックにはいつも脱帽してしまうのですが、今回ご紹介する『赤い部屋異聞』もとにかく面白いと話題です。 1つの本の中に9作品も入っているのでひとつひとつの話は短くなっているはずなのに、そ... -
澤村伊智『うるはしみにくし あなたのともだち』-同級生の顔が次々に崩れていく呪いをかけたのは……。
物語の舞台は都立四ツ角高校という学校。 30年ほど前に飛び降り自殺した少女の幽霊が今でも学校をさまよっているという噂が、生徒たちの間で囁かれていました。 その幽霊に選ばれた生徒はその呪いによってクラスメイトの顔を醜くできると言われています。... -
柄刀一『或るエジプト十字架の謎』国名オマージュがピリリと活きるシンプルな短編小説集!
柄刀先生の人気シリーズ、南美希風(みなみ みきかぜ)シリーズの最新刊である、『或るエジプト十字架の謎』。 どこかで聞いたことのあるタイトルだとミステリ好きなら勘付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そう、このタイトルはエラリー・クイ... -
天祢涼『あの子の殺人計画』- 強烈トリック炸裂!こどもの虐待をテーマにした傑作ミステリ
前作『希望が死んだ夜に』は「こどもの貧困」がテーマでしたが、今回は虐待をテーマにした社会派ミステリーです。 正直、虐待の描写には胸が痛む節がありました。 さらにいえば、虐待されていた子どもが親を庇うという情景には本当に心苦しくなり、ミステ... -
『希望が死んだ夜に』- 胸の奥に潜んだ感情が涙となって現れる、今の日本を考える驚愕ミステリ
天祢涼先生の話題作、涙が止まらないと話題の作品、『希望が死んだ夜に』をご存知でしょうか。 天祢先生は2010年『キョウカンカク』でデビューし、第43回メフィスト賞を受賞した作家で、のちにこの『キョウカンカク』は「美夜シリーズ」として人気になって... -
下村敦史『法の雨』-判事が下した判決が、裁判官、検察官、弁護士、被害者、加害者それぞれの正義を狂わせていく
厳格な法律の適用から、「無罪病判事」とさえ揶揄されてきた嘉瀬清一は、裁判の結審直後に倒れてしまう。 言い渡されていたため有効とされた判決はまさかの『逆転無罪』であり、この無罪判決によって将来の出世の道を断たれたも同然の検察側・大神護はすっ... -
Kindle Unlimitedおすすめ小説まとめ!無料で読み放題【随時更新】
さて、今回はKindle Unlimitedで読み放題のおすすめ小説をご紹介させていただきます。 Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)は、Amazonが提供する、月額課金制の本読み放題サービスです。 月額980円で、対象の本がいつでもどこでも読み放題になりま... -
有栖川有栖『濱地健三郎の幽【かくれ】たる事件簿』ミステリとオカルトと現実の三つ巴が襲ってくる新感覚シリーズの2作目!
有名ミステリ作家の有栖川有栖の短編集の本作は、年齢不詳の探偵・濱地健三郎と助手・志摩ユリエが登場するシリーズの2作目です。 1作目の「濱地健三郎の霊(くしび)なる事件簿」もかなり面白いと話題になりましたが、この2作目もかなり好評だったのでご... -
朝永理人『幽霊たちの不在証明』- 読みやすいのに本格ミステリ、その内容に舌を巻く!
皆さんは朝永理人さんをご存知でしょうか。 第18回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、今作にてデビューした、弱冠29歳の今を引っ張っていきそうなミステリ小説家です。 若さゆえのフレッシュでライトノベルのような読みやすさと新人とは思... -
白井智之『そして誰も死ななかった』-五人全員が死んだとき、本当の「事件」が始まる
「そして誰も死ななかった」の物語は、五人の推理作家が覆面作家である「天城菖蒲(あまき・あやめ)」に招待され、絶海の孤島にある天城館に集められるところから始まります。 五人は天城館にやって来ますが、肝心の招待主である天城菖蒲の姿は見えません... -
倉知淳『月下美人を待つ庭で (猫丸先輩の妄言)』15年ぶりのシリーズ最新作!
軽やかな身のこなし、気まぐれで愛嬌のある性格、子猫のような瞳。 「猫丸」という一風変わった名前がなぜかしっくりくる猫丸先輩が、日常に潜む謎を解き明かしていく短編集です。 たまたま見かけた外国人の謎の行動の意味、 雑誌編集部に送られてきた写真... -
五十嵐律人『法廷遊戯』-第六十二回メフィスト賞受賞作。感動と衝撃の長編法廷ミステリー!
『法廷遊戯』の物語は、司法試験合格を目指してロースクールに通う久我清義(くがきよよし)が一枚のビラを発見するところから始まります。 ある日、久我が通うロースクールの自習室に、何者かの手によって1枚のビラが配られます。 そのビラの内容は久我の... -
東川篤哉『君に読ませたいミステリがあるんだ』-「推理」を愛するすべての人へ。
私立鯉ヶ窪学園高校に入学したばかりの主人公は、ちょっとしたきっかけで第二文芸部に迷い込んでしまいます。 そこにいたのは自称学園一の美少女、水崎アンナでした。 水崎は主人公に自身で執筆したミステリー小説を読ませます。 その小説の中で水崎は容姿... -
小林泰三さんのおすすめ小説15選【ミステリ、ホラー、SF、全てが最高峰】
今回おすすめさせていただきたいのは、《ホラー短編の名手》などと呼び声の高い小林泰三さんの作品です。 しかし、小林さんの面白い作品は何もホラー短編だけっていうわけでなく、ミステリーもサスペンスもSFもとっても面白いのです。 幻想的でどんでん返... -
城平京『虚構推理 スリーピング・マーダー』人気シリーズの3作目。琴子の人間性をなぞっていく深みのある作品!
第1作目の『虚構推理 鋼人七瀬』以来の長編作品である、『スリーピング・マーダー』。 2作目もヒットしましたが、3作目も読者を不思議な世界にいざなってくれています。 全てが嘘で不真実なのに、読み終わると妙に納得してしまう、今までのミステリとは180...