ホラー小説– category –
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三津田信三『歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理』刀城言耶の助手が、怪異を推理で一刀両断
瞳星愛(とうしょうあい)は、10歳の夏休みに、祖母が住む瀬戸内海の波鳥町で不可思議な体験をする。 近道を進もうとして、「日暮れ時になると亡者が歩く」と言われる亡者道に入った時に、不気味な人影とすれ違ったのだ。 その人影は、「死んでいるけど生... -
澤村伊智『さえづちの眼』- 怪異にゾクゾクしながら謎解きを楽しめる、シリーズ初の中篇集
家も学校も嫌いで、何を見ても苛立って暴れていたタクミは、民間の更生施設「鎌田ハウス」で暮らすことになった。 最初は気乗りしなかったタクミだが、運営者の鎌田のおっさんを始め、他の住人たちと共同生活を送っているうちに居心地の良さを感じ、気持ち... -
澤村伊智『ばくうどの悪夢』- 夢と現実の境界が曖昧になり、恐怖に浸食されていく傑作ホラー
中学1年生の「僕」は、東京から父親の地元に引っ越してきた。 父の旧友たちは家族ぐるみで親しくしてくれたが、独特のヤンキーっぽい雰囲気に僕はなんとなく馴染めずにいた。 しかし僕には、もっと切実な悩みがあった。 血の匂いがする真っ黒い何かに襲わ... -
芦花公園『とらすの子』- 自分の手を汚さず人を殺せるなら?憎悪に満ちたカルトホラー小説
都内で発生した無差別連続殺人事件。 どの遺体もひどく傷つけられており、人間による所業とは思えないほどだった。 ある日ライターの坂本美羽は、この事件の真相を知る少女に会った。 少女が言うには、犯人は「とらすの会」という団体であり、ここでは「マ... -
芦花公園『漆黒の慕情』- 怪異も人間も恐ろしい、鳥肌必至のホラーミステリー
塾講師の片山敏彦は、絶世の美青年であることから生徒からモテモテで、ゆえにストーカー被害を受けることもあった。 しかし一ヶ月前に始まったストーカーは、今までとは明らかに異質なものだった。 ねばつくような視線、妄想に満ちた手紙、長身で長い黒髪... -
澤村伊智『ファミリーランド』- 近未来の技術に踊らされた人々をシニカルに描く短編集
テクノロジーが今より一歩進んだ世界を描いた、SF短編集。 AIで常に嫁を監視し、いびる義母。 優秀な子供を計画的に出産できる薬。 配偶者のあらゆる行動をモニタリングできる結婚指輪。 ロボットばかり大切にする娘に殺意を抱く母親。 介護の手間を減らす... -
澤村伊智『怪談小説という名の小説怪談』- 怖いのに読むのをやめられない震恐のホラー短編集
8月14日の深夜、僕は複数の知り合いを乗せて、高速道路を運転していた。 途中、食事のためにサービスエリアに立ち寄った時、同乗者の一人が急に「思い浮かんだ」と言って、女性の絵を描いた。 左右の目がありえない方向を向いて笑っている不気味な女性の顔... -
彩藤アザミ『不村家奇譚』- 唯一無二の筆致で描く、戦慄のホラーミステリー
東北の山奥に潜む古い家である不村家は、昭和から現代、未来永劫と血脈に囚われ続ける一族である。 不村家では人智を超える能力を持つ子が生まれることがあり、彼らはときに不村一族繁栄の兆しとされていた。 しかしその裏では、健常な人を憎む「あわこさ... -
キャンデス・フレミング『ぼくが死んだ日』- 子供の幽霊たちが語る、早すぎた死の物語
深夜の運転中、マイクは全身びしょ濡れの少女に頼まれた。 「うちまで乗せてくれない?」 少女の名はキャロルアン。 彼女は生きた存在ではなかった。 56年前に湖で溺れ死んでおり、助けを求めてさまよっていたのだ。 マイクはキャロルアンが車内に残してい... -
篠たまき『人喰観音』- カニバリズムを題材にした幻想ホラー小説の名作
分限者の薬種問屋に拾われた女、スイ。 並外れて美しく豊饒な肉体を持つ彼女は、人の形をして人にあらざる「観音様」だった。 歳を取らず、当時は珍しい肉食を行う彼女は、かつて暮らしていた村で村人たちに疎まれ、人柱として生き埋めにされた過去があっ... -
『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』- 本当に「怖い」ものを教えてくれるホラーの宝箱!
「新本格」ブームの火付け役と言われた綾辻行人先生、『リング』・『らせん』などの作品があまりにも有名過ぎる鈴木光司先生、ホラーアンソロジー『異形コレクション』を監修している井上雅彦先生など、豪華すぎる顔ぶれのオムニバス、『再生 角川ホラー文... -
『ペット・セマタリー』- 禁忌にまみれた恐怖!幸せな一家が崩れていく様子の先にある哀しみとは?
1983年に発表された話題作、『ペット・セマタリー』。 実はこの作品はそれよりも前に原稿が完成していたそうですが、あまりの怖さにしばらく発売に待ったがかかっていたといういわくつきの作品です。 また、キング自身が脚本を書き下ろし映画化もされまし... -
最高に面白い文庫本小説おすすめ100選
さて、今回ご紹介させていただくのは、最高に面白くてオススメの文庫本(小説)です。 ミステリー、ホラー、ファンタジー、青春モノなど、ジャンルは問わず、とにかく「これは面白い!」「読んで良かった!」と思った名作小説をどどーんとご紹介していきま... -
『ぬばたまの黒女』- ホラーミステリーの決定版!二転三転する怪異に挑む、罪と償いの謎解き物語
「罪」や「許し」をテーマに、生まれ故郷の村に里帰りした主人公が過去の惨劇に端を発する怪奇現象に巻き込まれるという、王道ホラーでありミステリー作品としてのこだわりも感じられる凝った作りの本作。 作者の大ヒットデビュー作『ナキメサマ』シリーズ... -
阿泉来堂『ナキメサマ』 – 北海道のある村に伝わる恐ろしい儀式の正体とは?
尚人には未だに忘れられない初恋の相手・小夜子がいた。 ある日突然その高校時代の初恋相手・小夜子のルームメイトだという女性が訪ねてくる。 なんでも小夜子が帰郷してから連絡が途絶えてしまったので、一緒に探してほしいと言うのだ。 強引に連れ出され... -
芦花公園『異端の祝祭』- カルト教団の不気味な背景に迫る新感覚ホラー
就職浪人生である島本笑美は失敗続きの毎日に疲れていた。 失敗の原因は自分でもよく分かっている、それは彼女の普通の人とは異なるとある点が原因だった。 ―そう、彼女には生きている人間とそうでないものとの区別がつかないのだ。 そんな不幸な体質の少... -
芦花公園『ほねがらみ』- 怪談収集家の元に寄せられた怖い話が実は……。
大学病院に勤める医者である「私」の趣味は怪談の収集。 手元に集まるものは意味不明で不気味な知人のメールや民俗学者の手記、インタビューのテープ起こしまで様々であった。 そんな奇妙な話に登場するのは呪われた村や手足のない体、白蛇の伝説など特別... -
『でえれえ、やっちもねえ』時代ホラーの決定版!20年の時を経て蘇る恐ろしい4つの物語
江戸、 明治、 大正、 昭和…4つの時代を舞台に、 おぞましい怪異と人間の業が交錯する恐怖の短編ホラー作品が詰まった、凝った作りの本作。 20年前に発売し日本ホラー小説大賞を受賞した平成時代の傑作ホラー小説『ぼっけえ、 きょうてえ』の正統後継作と... -
『アウトサイダー』スティーヴン・キング、圧倒的恐怖の最新作
アメリカジョージア州にある片田舎のフリントシティで事件は起こります。 11歳の少年、フランク・ピーターソンの死体が発見されるのです。 警察官の主人公、ラルフ・アンダーソンは現場に残されていた指紋や周囲の目撃情報、防犯カメラの映像から犯人を特... -
『怪奇日和』-SF・ミステリ・サスペンス・ホラーのいいとこどりの作品集
『霧』で有名なスティーブン・キングの息子として話題のジョーヒル。 彼の兄弟もまた作家として活躍するオーウェン・キングであり生粋の作家一族のサラブレッドとして登場しました。 最初こそはS・キングの息子として比べられたり、父親の作品の廉価版と...