最近、またライトノベルを読みあさっているanpo39です。
数年に一度訪れるんですよねえ、ラノベブーム。
同じ作品を読み返すことが多いんですけどね。
さて、そんなわけで今回は私の好きな作品の一つ、小川晴央さんの『僕が七不思議になったわけ』をサクッとご紹介です。
第20回電撃小説大賞金賞受賞作品、「思わずもう一度読み返したくなるミステリアスファンタジー」ですからね。ふっふっふ。
小川晴央『僕が七不思議になったわけ』
曲がる角で事件に巻き込まれたらどうしよう。明日、死ぬかもしれない。
ありとあらゆるものに日頃から恐怖を抱く心配性の高校生・中崎夕也。
そんな彼がある夜、七不思議をつかさどる精霊・テンコと出会う。
深夜の校庭に桜が舞い散る中、宙に浮かぶ袴姿の彼女は、高らかに不吉な言葉を投げかけるのだった。
「おめでとう、お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた」
なんと彼は七不思議の引継ぎに仮登録されてしまったのだ!
生きながら七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー。
七不思議の精霊・テンコちゃんの魅力
この作品は高校生ならではの魅力的なキャラクターがたくさん登場していて、つい10代の頃を思い出してしまいます。
10代の頃って新しいことがたくさんあって、でもそれと同じくらいリスクもあると思います。
そういったリスクを恐れる気持ちであったり、それでも立ち向かう勇気であったりを、主人公の中崎裕也君が上手く表現しています。
大人になった方は、大人だからこその懐かしい気持ちでいっぱいになれる作品です。
また10代の方や若い方が読んでも、本当に共感できるポイントがたくさん詰まっています。
私が個人的に好きなキャラクターは七不思議の精霊であるテンコちゃんです。
見た目は赤髪が可愛い女子高生、精霊として長い間生きてきたからこその感じている気持ちであったり、精霊ならではの悩みであったりが非常にうまく描かれています。
性格も非常に明るくて、精霊だけれど週刊少年誌を読んだり、ホラー映画が好きだったり、皮肉を誉め言葉として受けとったり、少々天然であったり、テンコちゃんの会話は凄く楽しいです。
また時折みせる切なげな表情であったり、主人公を思いやる気持ちであったり、文章だけれど本当にそこにテンコちゃんがいるような魅力いっぱいのキャラクターなのです。
そんな魅力的なキャラクターたちが学校の様々な問題を解決していくストーリー。まさか最後はそうなるのかといった衝撃的な展開も待っています。
あれは伏線だったんだなとか、テンコちゃんの狙いはこれだったんだなとか、主人公も成長したなとか、人によって様々な感情が得られる作品です。
思わずもう一度読み返したくなる、衝撃。
私ももういい歳ですけど、物語が進むにつれて次第に魅了され、読み終えた後は一人の読者として泣きそうになりました。
ファンタジー要素が多い作品ですが、人の心情を丁寧に描いていてとってもリアリティー満載で、人として成長できる作品になっています。
私は作品を読み終えた後、自然とこんな言葉が口から出てきました。
「まだ始まっちゃいないし、終わっちゃいない。」
ファンタジーストーリーだけれど人間の苦しみや悲しみにもしっかり焦点を当てられていて、ファンタジー史上もっとも人間味くさい作品と言っても過言ではなかったです。
そして、テンコちゃんはやっぱり最高の精霊でした。
精霊だけれど、友達になりたい、ずっと一緒にいたい、そんな事を思えるような精霊でした。
主人公の中崎裕也君も学年が進むにつれて、とても大人びていくんです。彼の成長も見所の一つ。
また中崎裕也君とテンコちゃんの何気ない会話は読んでいてとても面白い。物語の運び方、二人の関係性、共に描き方が素敵ですし。
何気ない会話が伏線に繋がっていたり、主人公の気持ちを揺るがしたり、本当にストーリー構成も最高なのです。
特に後半の伏線回収、まさかの真相にはきっと驚いていただけるでしょう。
きっとみなさん大好きの展開です。
ぜひ一度読んでみてほしいなあ。
コメント
コメント一覧 (6件)
こんにちは^ ^
「僕が七不思議になったわけ」面白そうですね!前から気になってはいたのですが、手に取るまでには至らず・・・でもこれを機に、読んでみます。
ラノベも良いもの沢山ありますよね。同じメディアワークスなら0能者ミナトとか好きです^ ^
それにしても「週刊少年誌を読んだり、ホラー映画が好き」だなんて、テンコちゃんとは気が合いそうです(笑)そして管理人様のイラストに添えられた「だれだこれ」というセルフツッコミにちょっと笑ってしまいましたw
キツネ子さんこんばんはー!
そうなんです、「僕が七不思議になったわけ」面白いんですよ(*´ェ`*)
読むきっかけになれて嬉しいです!
ですよね、ラノベも面白い作品がたくさんあって、しかも読みやすいからどんどん読んでしまって……。気がつけばラノベスパイラルに!
いやー可愛い女の子の絵って難しくて笑
あまりのクオリティの低さに思わず自分で突っ込んでしまいました( ´∀`)
わかります!
私もこれ、大好き‼️
夏がくると、ラノベ読みたくなりますよね。
あの、きゅんきゅんくる感じと、夏の空気が、中二病の私にはたまらない!
hitomiさんも好きですか!
そうそう、夏がやって来るとこういうラノベを読みたくなるんですー。。
同じく私も中二病全開ですので、この作品はツボですヽ(*゚∀゚)ノ
anpo39さん こんにちは^^
お久しぶりです! ・・・って私のこと覚えてらっしゃいますかね 笑
しばらくコメントはしておりませんでしたが、遅読ではありますが楽しみながら読書は続けております。
『僕が七不思議になったわけ』読ませていただきました。
読み始めは主人公の男の子とテンコちゃんとのやり取りで進められていくんだろうなーって推測してたんですけど、章が変わって語り手が登場人物の女の子視点に変わったりまた次の章では元の男の子視点に戻ったりして、割とテンコちゃんはサブキャラ的な印象を受けました。
anpo39さんがこの本を紹介されてたことは覚えていたんですけど、内容については失念していたので、終盤に語られる真相にはほんとに驚かされました。
ライトノベルという読みやすさ、学園ものという親しみやすさ、最後に語られる真相の驚きで最初から最後までとっても楽しませていただきました。
ご紹介いただいてありがとうございます^^
余談ですが、テンコちゃんの見た目がどうしても話し口調のほうに引っ張られて、可愛い女子高生をイメージするのは難しかったです 笑
こーぎーさんお久しぶりです!
忘れるワケないじゃないですか!
元気にしておりましたか!?
『僕が七不思議になったわけ』良いですよね!読んでいただけて嬉しいです(*´∀`*)
あの終盤はびっくりしますよねー!ライトノベルらしい読みやすさとキャラクター、ストーリー性が見事にマッチングした名作だと思います。
こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!
テンコちゃんの話口調、特徴的ですよね笑
確かに可愛い女子高生をイメージするのは難しいです笑